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映画祭データベース

AFP BB Newsなどでニュースを調べていると、聞いたこともない映画祭の情報がたくさんあります。オフィシャルサイトなどをチェックするにも手間がかかるなと思っていたら、ありました

映画祭データベース:国際映画祭への扉

名前は”国際”ですが日本国内の映画祭も載ってます。そっけないつくりなのに、お役立ちリンクに”世界地図”があったりで、妙にツボにはまってしまった。

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#0088『天国と地獄』黒澤明監督 1963年日本

天国と地獄

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ネタバレです。

最近テレビのリメイクドラマが話題になりましたが、この記事はオリジナル作品について。実はリメイクドラマは見ておりませんのですが、ネットで評判を見る限りは残念ながらオリジナルには及ばずということのようですね(まあ、当然か)。映画とテレビドラマの違いについて諸々考えるところもあり、ホントはドラマの方も見て比較してみたかったのです。思い出したときにはすでに終わってました・泣。

"全編手に汗握る”と言われる黒澤監督の『天国と地獄』。エド・マクベインの原作(キングの身代金)を大胆に拡張したストーリーは、確かにスリルもサスペンスもてんこ盛り。しかも、物語が4つに分かれていて、それぞれのパートで性格の違う味付けがされているように思えます。くるりくるりとドラマの様子が変わるものの、それぞれに見ごたえあり(大有り)。

(1)権藤(三船敏郎)邸での会社のゴタゴタと誘拐事件勃発から権藤が身代金支払いを決断するまで
実は誘拐されたのは権藤の息子と間違えられた運転手青木の子。しかし、3000万の身代金要求は権藤あて。権藤の手元には5000万の小切手がある。だが、この金は会社買収のために全財産をはたいて用意した金。ここで買収に失敗すれば権藤は築き上げてきたものすべてを失くしてしまうんですねぇ。この状況で繰り広げられる身代金用立てをめぐる権藤と関係者の究極の葛藤が(1)の要。舞台は権藤邸の中限定。一見冷酷なビジネスの鬼に見える権藤ですが、実は人一倍人情に厚い。頭では身代金など払えるものかと割り切りながら、なかなか最後の決断をくだせない。その権藤を中心に、息子をさらわれて千々に心乱れる無力な運転手青木(佐田豊)と、苦労知らずの無垢なヒューマニズムで身代金支払いを主張する妻(香川京子)。我が身大事で権藤を裏切る切れ者秘書河西(三橋達也)。そして、成り行きを見守るしかない仲代達也を中心とする警察陣。無骨な三船敏郎が苦悩の果てに身代金支払いを決意する、見事な心理劇を見せてくれます。

(2)身代金準備から、特急こだまを使った仕掛けでまんまと身代金を奪われるまで
電話での身代金要求のやりとりからも大胆な知能犯ぶりを匂わせていた犯人ですが、一番危険な身代金受け渡しに関して、あっと驚く発想で警察と権藤を出し抜きます。当時最新鋭の特急列車こだまを使った酒匂川における15秒間の身代金奪取は、(1)の静的な緊迫感とは打って変わって、スピード感みなぎる迫真の名場面。特急こだまをまるまる借り切り、実際に鉄橋に列車を走らせての一発勝負の撮影だったそうです。スタッフと役者たちのプロ根性と情熱が伝わってきます。

(3)警察の公開捜査開始から犯人竹内が特定されるまで
黒澤監督は児童誘拐犯罪に激しい憤りを感じていたそうで、仲代達也演じる戸倉警部はまさにそういう黒澤監督の分身。戸倉率いる捜査本部の執念の犯人追跡を描く刑事ドラマが(3)の見せ場。わずかな手がかりを手繰りに手繰って犯人にたどりつくプロセスとかけひきは実に緻密で、ロジカル。そして、決定的な手がかりとなる例のピンクの煙。映画的ですねぇ。このくだりは、原作にはないオリジナルストーリー。

(4)竹内を追い詰め、犯人逮捕、そしてラストまで
犯人竹内(山崎努)は、丘の上の権藤邸を見上げる貧困街のボロアパートに住むインターン医師。「夏は暑くて眠れない。冬は寒くて眠れない。」貧しさから来るやりばのない怒りが、いつしか毎日見上げる屋敷の主権藤に向けられ。。。と、逮捕後竹内自身が語りますが、その真偽のほどはどの程度なのでしょう。竹内の不気味な様子からは、従来の常識がまったく当てはまらない極めて不条理な犯人像が伺えます。社会的にも得体の知れない(と上の世代から思われた)若者世代が跋扈しだしたころでもあり、そういう社会不安的なものを体現したのが犯人竹内なのかもしれません。刑務所で面会する権藤の目の前で突如暴れ出す竹内とピシャリと閉められたシャッターが、犯人の本性について不気味な謎を含んだままの幕切れを見事に演出していました。伊勢佐木町の酒場や麻薬窟・黄金町の描写も含め、サイコチックな趣が(4)の見せ場であったと思います。

2時間半に及ぶ長尺作品ですが、これだけいろいろ詰め込んでバラけてしまわないのは、さすが黒澤明というところなのでしょうか。個人的には、(1)の三船敏郎演じる心理劇が強く印象に残りました。また、髪をなでつけ、髭を蓄え、カーデガン姿ながら引き締まった体型が伺える三船敏郎の容姿の魅力も目にとまりましたね。何度も見直したい映画。重厚で計算されつくした演出と、三船、仲代を中心とするカリスマ性を備えた役者の名演技。。。現代のテレビドラマがどの程度までこれに迫ることが出来たものか、ドラマもやっぱり見比べたかったなぁ。再放送期待。★★★★☆


<キャスト & スタッフ>
監督:黒澤明/製作:田中友幸/菊島隆三
原作:エド・マクベイン『キングの身代金』
脚本:小国英雄/菊島隆三/久板栄二郎/黒澤明
撮影:中井朝一/斎藤孝雄
美術:村木与四郎/音楽:佐藤勝
監督助手:森谷司郎/松江陽一/出目昌伸/大森健次郎
記録:野上照代/照明:森弘充

出演:三船敏郎/香川京子/江木俊夫/佐田豊/島津雅彦/仲代達矢/石山健二郎/木村功/加藤武/三橋達也/伊藤雄之助/中村伸郎/田崎潤/志村喬/藤田進/土屋嘉男/三井弘次/千秋実/北村和夫/東野英治郎/藤原釜足/沢村いき雄/山茶花究/西村晃/浜村純/清水将夫/清水元/名古屋章/菅井きん/山崎努

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(2003/02/21)
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#0087『キャリー』ブライアン・デ・パルマ監督 1976年アメリカ

キャリー
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ネタバレですよ

再開早々血まみれ画像ですみません。ちょっと前に観ていた『キャリー』ですが、ようやく記事アップに至りました。

本業の方は当初の予定通り二週間でプロジェクトを完了したものの、後フォローとか次ステップの提案などが結構忙しく、ブログ再開が遅くなってしまいました。おまけに、なんか書けないんだなあ。ぼちぼちとリハビリ兼ねてということでお願いします。

さて、ブライアン・デ・パルマと言う人は、実にネチネチとしたサディストだなぁと改めて実感。いじめられっこのキャリーに監督自身が全く同情していませんね。有名なシャワー室での生理の場面を初めとして、冒頭はむしろ観客に一種の不快感を抱かせるようなキャリーの描き方。狂信的な母親とのカラミで不気味さも加わります。

そこから、プロム(高校の卒業パーティ)の女王に向けて、今度はキャリーをどんどん魅力的に描きこんでいくでしょう。私なんかは、このあたりのキャリー(シシー・スペイセク)の魅力に参ってしまったクチで。昔見たときには不気味さしか印象に残っていなかったのですが、キャリーの変身ぶりにちょっと改めて驚かされてしまいました。

ところが、この魅力的なキャリーの変身ぶりは、プロムの女王として幸せの絶頂で愛しいトミー・ロス(ウィリアム・カッツ)と一緒に豚の血をぶちまけられるという、最低の笑いものになるシーンを際立たせるためのギャップだっていうんですから、デ・パルマの意地の悪さも大したもんですな。多分、デ・パルマさん、キャリーがきれいになっていくあたりのシーンは嬉々として撮ってたんじゃないかなぁ。そう思わせるくらいの入念な描き込み。

クライマックスの凄惨なシーンで、キャリーは念力を開放して見境いなく人を殺します。一番の理解者であった女体育教師が最も悲惨な死に方をします。豚の血をかぶったキャリーを見て女教師が笑い転げている画がありましたが、彼女は決して笑ってなかった。一番信頼していた先生にすら嘲笑されているように見えたほどキャリーはキレてしまった、そのキレぶりを見せるためのシーンでした。結局キャリーのやったことは復讐ですらなく、ただぶちきれて無差別殺人しただけ。

いじめられっこの女の子の自立・・なんかは当然のこと、キャリーの存在自体デ・パルマにとってはメインではなくて、実は暴走する超能力が主人公だったという。。。この映画の登場人物たちは、キャリーを含めて全員が超能力にもてあそばれて殺されるだけの役回りだったということですな。このあたりも実にサディスティック。

まあ、デ・パルマさんのサド趣味に、良いように振り回されたって感じもしますけど、なんとなく振り回された感が悪い気はしない。そのあたりがやっぱり只者ではないんでしょうねぇ。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ブライアン・デ・パルマ
製作:ポール・モナシュ
原作:スティーヴン・キング
脚本:ローレンス・D・コーエン
撮影:マリオ・トッシ
美術:ジャック・フィスク
音楽:ピノ・ドナッジオ
出演:シシー・スペイセク/パイパー・ローリー
   ウィリアム・カット/ジョン・トラヴォルタ
   エイミー・アーヴィング
   ナンシー・アレン/ベティ・バックリー
   P・J・ソールズ/シドニー・ラシック
   プリシラ・ポインター


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