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#0208『西部開拓史』ヘンリー・ハサウェイ他監督 1962年アメリカ

西部開拓史
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1830年代、アメリカ東部の農民ゼブロン(カール・マルデン)の一家は、西部を目指すが筏で川を下る途中で激流に飲み込まれてゼブロンと妻は死亡。残されたイーブ(キャロル・ベイカー)とリリス(デビー・レイノルズ)の姉妹はそれぞれのやり方で西部を生き抜いていく。1830年代から80年代にかけての50年間を壮絶に生きたプレストン家の三代に渡る人間ドラマ。

なんといっても、一番の見所は「シネラマ」映像。この技術を見せるための映画かなと、正直そう感じました。35mmカメラ3台を使って同時撮影、半円形に湾曲した映像に交差投影するという大掛かりな撮影方式で、映像だけでなく音声も7チャンネルで録音。観客はその場面の中にいるような興奮が味わえるというもの。仕掛けが大掛かりゆえに 10年ほどしか使われなかったということです。

私の自宅でDVDを観る分には大きくても32インチTV画面がせいぜいなのですが、それでもやはり迫力満点。西部の山並み、草原などのランドスケープはもとより、失踪する馬車、水牛の暴走、激流など横方向の移動映像が見事です。南北戦争のシーンで画面の左奥から右手前にかけて順に大砲が火を噴くシーンは本当に大画面で観たいと思いました。

ストーリーがあまりに壮大で2時間40 分を超える長尺であるにもかかわらず収まりきっていない感じがしますね。オムニバス形式で24人のスターが入れ替わり登場しますが、全体の印象としてはかなり忙しい。全体を一本の映画としてみようとするとストレスがあるかもしれません。また、いわゆるガンマン対決のようなアクション系西部劇を期待すると少し期待が外れるかもしれませんね(最後の列車での対決はそれなりに迫力ありますけどね)

ただし、これを題名どおり西部開拓の歴史を垣間見る映像集としてみると実に興味津々。西部の町が発展していく様子や、鉄道敷設競争、インディアンとの攻防、人々の民度の向上など、150年前にアメリカで繰り広げられていた歴史をまさに実感することができます。

また、5つのストーリーを通して登場するリリス役のデビー・レイノルズが要所要所ですばらしい歌声を披露しておりミュージカル的な楽しさも味わうことが出来ます。

ストーリーのひとつにグレゴリー・ペックが出てますね。で金目当てにリリスに近づき、紆余曲折を経て真の愛に目覚めるばくち打ち兼詐欺師という役柄ですが、やっぱりこういう役のほうが生き生きして見えます。
あとは、どうでもいい事ですがシネラマの3つのスクリーンの継ぎ目が気になります・笑★★★☆☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ヘンリー・ハサウェイ/ジョン・フォード/ジョージ・マーシャル
製作:バーナード・スミス
脚本:ジェームズ・R・ウェッブ
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ/ミルトン・クラスナー/チャールズ・ラング・Jr/ジョセフ・ラシェル
作曲:アルフレッド・ニューマン/ケン・ダービー
 
出演:カール・マルデン/キャロル・ベイカー/ジェームズ・スチュワート
   ジョン・ウェイン/デビー・レイノルズ/グレゴリー・ペック
   ジョージ・ペパード/リチャード・ウィドマーク/ヘンリー・フォンダ
   キャロリン・ジョーンズ/アグネス・ムーアヘッド/セルマ・リッター
   クロード・エイキンス/ウォルター・ブレナン/リー・J・コッブ
   アンディ・ディヴァイン/ハリー・ディーン・スタントン

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西部開拓史 特別版西部開拓史 特別版
(2008/01/25)
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#0207『上海から来た女』オーソン・ウェルズ監督 1947年アメリカ

お越しいただきありがとうございます。

この記事は、こちらに引っ越しました。

今後とも、

”シネマぞろ★”

を、よろしくお願いします。

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#0206『狂った果実』中平康監督 1956年日本

狂った果実
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ネタバレですよ


『太陽の季節』と同じく1956年に公開された日活太陽族映画の名作。ゴダールやトリュフォーなどヌーヴェル・ヴァーグの名監督にも影響を与えたそうです。

主役は、『太陽の季節』の端役でデビューした石原裕次郎、名門マキノファミリーの御曹司津川雅彦、そして二人を相手に見事な存在感を見せる北原三枝。

石原裕次郎、前作『太陽の季節』はカメラテストという名目での出演だったそうです。石原慎太郎の脚本にホレ込んだ水の江滝子女史が慎太郎自身を出演させようとしたところ、「弟の方が映画向きだから」ということで裕次郎を紹介されます。

裕次郎を一目見て”これだ!”と直感した水の江プロデューサーは、会社と現場を説得します。ところが、誰も裕次郎に興味を示さない。どうしても裕次郎を使いたい水の江プロデューサーの苦肉の策がカメラテストという口実で出演させることだったそうです。

しかし、『太陽の季節』の裕次郎は端役ながら輝いてましたからね、二作目の主役に抜擢されたのも納得できます。

他の配役では『太陽の季節』で主役だった長門裕之をワンシーンだけのチョイ役(裕次郎に殴り飛ばされるチンピラで役名が石原!)に下がらせて、脇役だった岡田真澄をクローズアップしています。岡田真澄もこれでもかというくらいハーフの魅力を振り撒いており、いかにも怪しげでいいですねぇ。

湘南の裕福な家庭、太陽族を地で行く兄夏久(裕次郎)と真面目でウブな弟の春次(津川雅彦)。春次は駅ですれ違った恵梨(北原)に一目惚れしてつき合い始めますが、恵梨は春次に住まいさえ明かしません。実は彼女には年の離れた外人実業家の夫がいるのですが、それを知った夏久は、自分とも付き合うように恵梨に迫ります。夫がいながら春次との付合いは浮気ではないと言い切る恵梨も、それでは浮気は自分としろと迫る夏久も徐々に『狂った果実』の本領を発揮してきます。

夫の留守の度に、昼間は海で春次とプラトニックな交際をし、夜は夏久と時を過ごす恵梨。兄弟の恵梨への想いが高まるとともに三人のバランスは崩れ・・・。”狂った”二人の犠牲になるのかと思われた春次が次第に思いつめ、ラストではこの作品一番の狂気を爆発させます。

この作品は『太陽の季節』の姉妹編と言われていますが、以上のようにかなり趣は異なります。『太陽の季節』では、当時の大人たちの常識からするとめちゃくちゃではあっても、あくまで若者たちにとって”あたりまえ”の行動を描くことで、彼らと周囲との価値観の違いを描いていました。何をやっても本気になれない、愛しているのに愛することがわずらわしい。そういう若者たちのもどかしいような未熟さをクールで無表情な長門と挑むような視線の南田洋子が好演していました。

『狂った果実』では若者たちの価値観をデフォルメして、無軌道で非常識な行動を極端にクローズアップしているように思えます。前半の若者たちの主張(これはない方が良かった)やあまりにエキセントリックな三人の関係、ショッキングなラストシーンなど、どうもデフォルメ度が効きすぎて個人的に違和感を感じるんですよね。違和感というよりも、結局は作り話なんだなというちょっと距離を置いて見てしまう感じでしょうか。

確かにヌーベル・バーグにも通じる映像や雰囲気を感じることの出来る素晴らしい作品だと思いますが、今回は『太陽の季節』に軍配を上げておきたいと思います。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:中平康
製作:水の江滝子
原作:石原慎太郎
脚本:石原慎太郎
撮影:峰重義
美術:松山崇
編集:辻井正則
音楽:佐藤勝/武満徹
特殊撮影:日活特殊技術部
助監督:蔵原惟繕
出演:石原裕次郎/津川雅彦
    深見泰三/藤代鮎子
    北原三枝/岡田真澄
    東谷暎子石原慎太郎

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(2002/09/27)
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#0205『オール・ザ・キングスメン』ロバート・ロッセン監督 1949年アメリカ

オール・ザ・キングスメン
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一介の役人ながら正義漢と理想にあふれるウィリー・スターク(ブロデリック・クロフォード)。かませ犬として出馬した州知事戦で、民衆に思いをぶつける術を学び、予想外の接戦まで持ち込むが惜しくも本命候補に敗れる。4年後の知事戦に再出馬した彼は、明確な政策アピールと巧みな裏工作でついに知事に当選する。知事となった彼は、次々と公共事業を行い州の近代化を進めて絶大な権力を手中にする。しかし、権力を握るほどに彼は当初の理想を忘れ、贈賄・恐喝で政敵を排除する独裁者へと堕落していく・・・。

と言うことで、ドラマ内容としては結構いやーな感じ。ピューリッツァ賞を獲得した原作『すべては王の臣』を、共産党活動もしていたロッセン監督が演出したかなりハードな作品。政治の裏側をリアルに描いているため、日本への輸入にストップがかかり、初公開されたのは27年後の1976年といういわく付き。

どんどん権力の虜になっていくスタークもいやですが、彼の周りにいる人間たちは敵か僕(しもべ)のみという、その人間関係がすごくいやですね。スタークの人間性が変わっていくと共に心が離れていく妻ルーシーや息子トムさえも、反発しつつも決別することができない。『すべて王の臣』とは良く言ったものですな。

これだけいやなドラマをきちんと見せてくれるロッセンの演出とブロデリック・クロフォード(アカデミー主演男優賞獲得)の演技力は素晴らしい。ブロデリック・クロフォードは以前記事アップした『仕組まれた罠』で、妻グロリア・グレアムへの嫉妬に狂って人殺しまでする男を演じていました。両方の作品に共通して、人が変貌していく様を演じるのが実に達者ですね。特に、やつれてボロボロの男を演じると天下一品。

マーセデス・マッケンブリッジ(女秘書役)と元新聞記者ジャック役ジョン・アイアランドもそれぞれアカデミー助演賞にノミネートされて、マッケンブリッジが助演女優賞を受賞していますね。ほー、彼女はこれがデビュー作ですか。しかし、個人的にはジョーン・ドルーも含めてブロデリック以外の役者さんたちにあまりピンとくるものはなし。

ジョーン・ドルーはハワード・ホークス監督の『赤い河』で、肩に矢が刺さりながらも、モンゴメリー・クリフトにビンタ食らわせてから気を失うという勝気な女を演じて大ファンなのです。が、今回のクロフォードと不倫の仲となるアンの実に女らしい姿は今ひとつ魅力を感じませんでした。男っぽい方が似合いかな。

ロバート・ロッセン監督は、アカデミー監督賞と脚本賞にノミネートされていながら、授賞式直前に赤狩りの告発にあってオスカー獲得ならず。その後の彼の苦悩は深く、ハリウッドでは二度と映画を作らなかったらしい。残念なことです。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ロバート・ロッセン
製作:ロバート・ロッセン
原作:ロバート・ペン・ウォーレン
脚本:ロバート・ロッセン
撮影:バーネット・ガフィ
音楽:モリス・W・ストロフ
出演:ブロデリック・クロフォード/ジョーン・ドルー
   ジョン・アイアランド/ジャック・バーデン
   ジョン・デレク/ポール・フォード
   アン・セイモア/マーセデス・マッケンブリッジ

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(2007/01/24)
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#0204『大いなる西部』ウィリアム・ワイラー監督 1958年アメリカ

大いなる西部
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ジム・マッケー(グレゴリー・ペック)は、船乗りをやめ牧場主の娘パット・テリル(キャロル・ベイカー)と結婚するために西部の町にやってきた。そこは、町の大物マラガンが遺した豊かな水源ビッグ・マディをめぐってテリル家とヘネシー家が争っていた。暴力を嫌うマッケーは荒っぽい西部の男たちから臆病者と嘲られ、パットにも愛想をつかされる。そんな時ビッグ・マディの持ち主であり、マラガンの孫娘ジュリー(ジーン・シモンズ)がヘネシー一家に連れ去られる。一触即発の両家の対峙。マッケーはジュリーを救うため、単身ヘネシー一家に乗り込んだ。

大いなる西部
↑やっぱりこれです。地平線まで続く大平原を見るとなんともいえない幸せな気分になります(田舎育ちのせいですけどね)。

それだけで結構気に入ってしまうこの作品ですが、家同士の因縁の対決とそこにやってくるぜんぜん世界の違う男、しかもその男が実はスーパーヒーローというこの上なくわかりやすいストーリーが、これだけの大自然の中で繰り広げられると、とっても魅力的に見えてきて楽しいですね。

ヘネシーの息子バック(チャック・コナーズ:漫画みたいな顔でGOOD)やテリルの牧童頭スティーブ(チャールトン・ヘストン・若っ)などの粗暴なキャラクターもちゃんと配置されていて主人公に絡んできます。この二人との大立ち回りに十分時間をかけてアクション面も押さえていますね。

父と娘の仲がべたべたに良い上品で金持ちのテリル親子と、親父が息子に「いつか殺してやる」と吼えるようなハードな親子関係の粗暴な貧乏人ヘネシー親子。ところが、頭首である親父だけを比較するとヘネシーの暴力親父のほうが人間としてまちがいなく格上。このあたりのキャラ設定のおかげで、両家の争いを単純な善悪の戦いにしていないあたりも大変興味深い。ロケーション設定、ストーリー、キャラクタ、ばっちりかみ合ってると思いますよ。あとは、あれですよ。音楽最高。

グレゴリー・ペックは線が細いのか芸達者なのか。そりゃあ、これだけの大役者ですからね、線の細さも演技のうちだとわかっちゃいますが、グレゴリー・ペックの演技の幅ってどのくらいあるんだろう??っていうのが観てみたいわけです。

ということでこの作品ですが、目泳いでないですね。よかったです。非暴力主義ゆえ臆病者かとも思わせるところが笑えます。優男(やさおとこ)系であることは間違いないので、グレゴリー・ペックの
キャラクターをうまく生かしたキャスティングですね。線の細さばかりではないということはわかってきましたが、もっといろいろな役柄のグレゴリー・ペックを見てみたい。

個人的に不思議なのはこの映画、興行的には失敗。ハリウッドメジャーから独立したグレゴリー・ペックをかなり苦しめたらしい(確かにこれと”白鯨”が連発でこけたら大ショックではありましょう)のですが、なんででしょう。面白いのに。ラストがやっぱりちょっとだめなのかなぁ。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督: ウィリアム・ワイラー
製作: ウィリアム・ワイラー
原作: ドナルド・ハミルトン
脚本: ジェームズ・R・ウェッブ/サイ・バートレット/ロバート・ワイラー
撮影: フランツ・F・プラナー
音楽: ジェローム・モロス
タイトルデザイン: ソウル・バス
出演: グレゴリー・ペック/チャールトン・ヘストン
    ジーン・シモンズ/キャロル・ベイカー
    バール・アイヴス/チャールズ・ビックフォード
    チャック・コナーズ/アルフォンソ・ベドヤ
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大いなる西部大いなる西部
(2008/03/05)
グレゴリー・ペックジーン・シモンズ

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#0203『アンナ・カレニナ』ジュリアン・デュヴィヴィエ監督 1948年イギリス

アンナ・カレニナ
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官僚カレーニン(ラルフ・リチャードソン)の妻アンナ(ヴィヴィアン・リー)は才気あふれる魅力的な女性であるが、仕事一辺倒の夫との中は今ひとつうまくいっていない。モスクワの兄を訪れたアンナは、駅で義理の妹キティ(サリー・アン・ハウズ)の婚約者ヴロンスキー大尉(キーロン・ムーア)と出会う。ヴロンスキーは、婚約者のある身ながらアンナに一目で魅せられてしまう。彼の必死の求愛は、夫との仲に不満を持つアンナの心を徐々に引き寄せ、ついには家族を捨てて駆け落ちするに至る。幸せをつかんだかに見えたアンナだが、罪の意識と世間の中傷が徐々にアンナを押しつぶしていく・・・。

トルストイ原作のアンナ・カレニナ、7回映画化されているのだそうです。古くはグレタ・ガルボ(1927年サイレント、1935年トーキー)、新しくはソフィー・マルソー、ショーン・ビーン(1997年)。今回は1948年の、ジュリアン・デュヴィヴィエがヴィヴィアン・リーを主演に撮った作品。

何度かブログでも書いていますが、ヴィヴィアン・リーはかなり思い入れのある女優です。中学生の頃深夜テレビで放映されていた『哀愁』(マーヴィン・ルロイ監督 1940年)で初めて知ったヴィヴィアン・リー。オールド・ムービーとの出会いもこの作品でした。ビデオ録画して何回も観ましたね。親に隠れてこっそり観てはラストシーンに感動してよく泣いてました・笑。

ということで、オールド・ムービーの原体験はヴィヴィアン・リーにあるといってもいいくらいなのですが、本作のアンナも『哀愁』のマイラにかぶりますねぇ。ともに主人公として同じ結末を迎えるわけですが、徐々に追い詰められていって、もう我が身に救いは何もないのだと悟る瞬間の喪失感というか絶望感というか、ヴィヴィアン・リー以外にこれほどの感情表現ができる女優はいないだろうと思います。

ヴィヴィアン・リーは51年に『欲望という名の電車』で二度目のオスカー(一回目は39年の風と共に去りぬ)を獲得するなど女優として活躍しましたが、私生活においては結核に苦しんだり、熱愛の末結婚したローレンス・オリヴィエとの離婚、鬱病など波乱も多く、67年に必ずしも幸せではない末期を迎えたようです。本作や『哀愁』で演じた悲劇のヒロインたちと通ずる人生を送ったことに感慨を覚えます。

さて、ヴィヴィアン・リーの演技には一もニもなく大感動なのですが、ストーリーの方は残念ながらかなり中盤が辛いです。アンナがヴロンスキーの愛を受け入れる決心をしてから、ヴェネチアでの駆け落ち生活を経てモスクワに戻ってくるまでの間にさまざまなイベントが起こります。アンナの病気やヴロンスキーのピストル事故(自殺未遂??)、義理の妹の結婚などなど。盛りだくさんなのですがそれぞれのつながりが良くないため観ているほうは若干おいていかれ気味です。このあたりのエピソードを整理して1時間半くらいの作品にしたほうがよっぽどすっきりしてよかったと思いますね。

ジュリアン・デュヴィヴィエは『舞踏会の手帳』や『アンリエットの巴里祭』をはじめとして、ストーリー作りや演出に大いにに秀でた監督という認識があるのですが、本作ではヴィヴィアン・リーの名演が目立つのみでストーリー面でも、演出面でも今ひとつぴんとくるものがなかったように思えます。物語の前半でアンナの最後を暗示する出来事やセリフがいくつか出てきて、ラストシーンではその暗示がいかにも効いてきます。このあたりはトルストイの原作もさることながら、デュヴィヴィエ監督の冴えなのかなと感じたのは確かですが、全体的には今ひとつという感じでしょうか。★★★☆☆

■■2010/12/3再見しました。Twitterログ■■にほんブログ村 映画ブログへ

久しぶりにクラシック見たけど大満足。やっぱりいいわ。 【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k5w6 #eiga
posted at 15:01:55

ヴィヴィアン・リーは実生活でも破滅したから。ほんとに美しい。 【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k5ud #eiga
posted at 14:58:41

破滅する人は美しいってことか、最後に汽車を見上げたヴィヴィアン・リーの表情が忘れられない。思いつめて、あきらめて、自得したようにも見える表情。 【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k5tA #eiga
posted at 14:57:57

アンナを支えきれなかったヴロンスキーに非があるかと問われるとなぁ。よほど人間ができていないと無理だろうと。しかし、そんなに人間ができているならそもそも不倫なんてしないんじゃないかというジレンマ。  【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k5op #eiga
posted at 14:48:02

「ある人は深刻に考えすぎ悲劇を演じる。ある人は気楽に楽しむ」。気楽に楽しむ人は物語の主人公にはならんな。きっと。その方が普通だからなだな。 【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k5nr #eiga
posted at 14:45:20

自滅っていうことだけどねぇ。愛する人に「自虐が好みなら、何もできない」なんて言われたらつらい。つらすぎるよ。 【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k5hP #eiga
posted at 14:29:03

人生という書物を彼女に読ませていた灯りは、ひと時燃え上がり闇を照らし、永遠に消えてしまった。 【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k5ft #eiga
posted at 14:22:29

皆から祝福されるキティの婚礼の馬車と、人目をはばかるアンナとヴロンスキーの馬車。この対比も映画チックでいいな。【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k4Uu #eiga
posted at 13:42:33

軽蔑しているか?裏切られた夫に品性を求めるな。  【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k4IT #eiga
posted at 13:18:32

夫カレーニンは、アンナの行動を正しいか正しくないか、世間から疑われるかそうでないかで、すべて語ってる。きわめて男性的な思考かもしれないなぁ。 アンナの頭の中にはすでに正しいかどうかなんてない。 馬車の中。 【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k4HH #eiga
posted at 13:15:07

競馬のシーンは、ヴロンスキーの騎乗に期待と心配の入り混じるアンナの表情演技が見もの。ヴィヴィアン・リーは、感情表現が見たくて出演作品見るようなもんなんだな。 【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k4Gm #eiga
posted at 13:11:07

すでに、ヴロンスキー伯爵に心が移っているアンナ。追求する夫がベッドで呻吟する様子を横目に見て、明かりを消して、暗闇でうっすらと微笑む。数秒のシーンだけどものすごく語るね。 【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k4Ae #eiga
posted at 12:59:56

焦点を失ってうつろな表情のヴィヴィアン・リーが大好きです。【アンナ・カレニナ】 http://ow.ly/3k4tU #euga
posted at 12:48:58

一度目見たときは、アンナが不倫の恋に落ちる理由が今ひとつ良くわからなかったんだけど、オペラに行く前の夫とのシーンは説得力があるのを発見。夫が、アンナを想うたった一言を発していれば、こうはならなかったんだなぁ。【アンナ・カレニナ】http://ow.ly/3k4qZ #euga
posted at 12:46:47

キティ役の、サリー・アン・ハウズがかわいい。20年後のチキ・チキ・バン・バンでは立派なおば(あ)さん役で出演。【アンナ・カレニナ】 http://ow.ly/3hn1E #eiga
posted at 19:42:05

平日ではあるが、映画を一本無作為チョイス。ジュリアン・デュヴィヴィエ監督【アンナ・カレニナ】またクラシックなのひいたなぁ。ガルボじゃなくて、ヴィヴィアン・リーね。いいんだけど今日のだらだら気分で最期まで観れるかな。再見。http://amzn.to/gbt7Di #eiga
posted at 19:34:27


<スタッフ&キャスト>
監督: ジュリアン・デュヴィヴィエ
製作: アレクサンダー・コルダ
原作: L・N・トルストイ
脚本: ジャン・アヌイ
    ガイ・モーガン
    ジュリアン・デュヴィヴィエ
撮影: アンリ・アルカン
 
出演: ヴィヴィアン・リー/ラルフ・リチャードソン
    キーロン・ムーア/サリー・アン・ハウズ
    ニオール・マッギニス/マーティタ・ハント

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(2006/12/14)
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#0202『欲望という名の電車』エリア・カザン監督 1951年アメリカ

欲望という名の電車
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田舎町オリオールからニューオーリンズに住む妹ステラを頼ってきたブランチ。実は、夫を亡くしたショックから身をもちくずし、17歳の少年を誘惑したことで追われるように故郷を出てきた。大荘園の娘だったブランチはことごとに上品ぶった態度をとるが、ステラの夫スタンレーはそれが我慢できない。粗暴で猜疑心の強い彼はオリオールでのブランチの行状を調べ上げ、精神的に彼女を追い詰めていく。

テネシー・ウィリアムズの同名戯曲の映画化。1947年にはブロードウェイ舞台劇として上演されており、ブロードウェイ史上最高のヒット作として高い評価を得ました。本作はこの舞台劇の演出家を務めたエリア・カザンを監督に迎えて製作されています。

『アンナ・カレニナ』、『哀愁』、『美女ありき』 とヴィヴィアン・リーを観て来ましたが、悲劇のヒロインとしての壮絶な演技と彼女の実生活がダブってしまい感情移入しすぎることが多々あります。特にこの作品は、結核と躁鬱病にさいなまれていたまさにその時期に、スタンレーによって追い詰められ狂気に陥るブランチの役を演じたわけで、そう思うとどうしても容色も衰えたヴィヴィアン・リーの姿もつらく、追い詰めるマーロン・ブランド演じるスタンレーにも生理的な嫌悪感を感じてしまって、観たくない(観るのがつらすぎる)映画として自分の中では位置づいてしまっているのです。

が、そういう”ヴィヴィアン・ファンクラブ”的な感情はさておいて観直すと、特に俳優の演技という面で非常に優れた映画であることは間違いありません。

主要キャスト4名(ブランチ役のヴィヴィアン、ステラ役のキム・ハンター、その夫スタンレー役のマーロン・ブランド、ブランチに結婚を申し込むスタンレーの友人ミッチ役のカール・マルデン)のうち、ヴィヴィアン以外の三名はブロードウェイ舞台劇で同じ役を演じています。

三人とも有名なアクターズ・スタジオの出身。アクターズ・スタジオでは”メソッド”と呼ばれる演技法をとっていますが、これは演技に形から入るのではなく内なる感情の吐露としての演技を求めるということのようです。より自然体に近い演技を求めるわけですが、”切れる”マーロン・ブランドは当然のことながら、過去を知ったミッチがブランチをなじるときのカール・マルデンの演技や、殴られて家を飛び出した後にスタンレーの元に戻るときのステラ役キム・ハンターの演技などはまさに感情の爆発。

かたや、ヴィヴィアン・リーは映画と同じく舞台にも情熱を傾けた女優で、『欲望という名の電車』のロンドン公演でもブランチの役を演じています。ロンドン版は夫ローレンス・オリヴィエが演出を行っていたわけで、オリヴィエといえば当代最高のシェイクスピア役者といわれた人。当然ヴィヴィアンも演技の面でオリヴィエの影響を受けていたであろうと思われます。

結果、この4名の競演は強烈な演技合戦となるわけですが、アクターズ三人組と伍してもヴィヴィアンの演技はまったく引けをとりません。目の表情、首の傾げ方、歩き方から指先の使い方まで、筋金入りの”悲劇の達人”。アカデミー主演女優賞も当然!と思わせてくれます。(アカデミー賞といえば、この4人の中でマーロン・ブランドだけとれなかったんですね。やっぱり、あんまりいやな奴ぶりがリアルすぎたんでしょうか・笑)

久々に観なおしてみてこの映画のすばらしさに改めて気づいたということで、★★★★★

<スタッフ&キャスト>
監督: エリア・カザン
製作: チャールズ・K・フェルドマン
原作: テネシー・ウィリアムズ
脚本: テネシー・ウィリアムズ/オスカー・ソウル
撮影: ハリー・ストラドリング
音楽: アレックス・ノース
 
出演: ヴィヴィアン・リー/マーロン・ブランド
    キム・ハンター/カール・マルデン
    ルディ・ボンド/ニック・デニス
    ペグ・ヒリアス/ライト・キング
    リチャード・ガリック

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欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット
(2007/11/02)
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#0201『山羊座のもとに』アルフレッド・ヒッチコック監督 1949年アメリカ

山羊座のもとに
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完全ネタバレしてます。ご注意ください。


オーストラリアを訪れたイギリス総督の甥アデア(マイケル・ワイルディング)は、街の大立者フラスキー(ジョセフ・コットン)と知り合った。変わり者で鳴るフラスキーの家に招かれたアデアは、彼の妻ヘンリエッタ(イングリッド・バーグマン)に出会うが、彼女は夫婦仲がうまくいかないことから酒におぼれ精神的におかしくなってしまっている。ヘンリエッタが姉の友人であることを知ったアデアは、彼女を立ち直らせようと献身的に努力する。

19世紀のオーストラリアを舞台としたコスチュームドラマ。ヒッチコック監督作品でコスチューム系は初めて見ました。これ以降は二度と作らなかったと語っていますが、イギリス時代とかにはあったんでしょうか。

当代随一のイングリッド・バーグマン主演なのにヒッチコックの作品中最低の興行成績?興したばかりの独立プロダクションが経営危機? なぜそんなことになったのだろうと興味津々で鑑賞しました。

よほどの凡作なのかと思っていましたがドラマとしては、”意外と”良くできてると思います。

貴族の令嬢(バーグマン)と馬丁(コットン)がすべてのしがらみを振り捨てて駆け落ちし、苦難を共に乗り越えて経済的な成功をつかむ。それでもなおかつ埋めきれない溝として身分の相違が夫婦を苦しめる。その溝に漬け込む悪人やなんかが波乱を起こしつつも、最後には夫婦の絆を取り戻すという、夫婦再生のロマンスとしては結構いいと思います。アル中風情から立派なレディに立ち直る様変わりを見せるイングリッド・バーグマンも見応えがあります。

しかし、ヒッチコックに期待するものとは違ったということなんでしょうね。本人も言っている通り、サスペンスでもミステリでもないですから。夫婦愛のメロドラマです。事前期待と違うということです。しかも、ロマンスならそれに徹すれば良かったかもしれませんが、わずかなサスペンスの小道具として登場する”アボリジニの首”などが、唐突でものすごく安っぽく見えてしまうのです。結局は、”ヒッチコックブランド”を売り間違えて中途半端になったといことでしょうか。

撮影開始時に「バーグマンさえ獲得できればすべてうまくいく」とヒッチコックは思い込んでいたそうで、円熟期のヒッチコックほどの大監督をしてもこれほどミスをしかねないのだという意味で一見の価値がある作品です。

印象的だったのは、フラスキーの屋敷の映像。素晴らしいです。夜の全体が青く浮かび上がる色合いも美しいのですが、そこを長回しでなめるように撮影していくところが、屋敷の不気味さをゾクゾク感じさせます(なのにサスペンスに結びつかないところがこれがまた・・・)。

もうひとつ、この作品に登場する女中ミリーと、レベッカに登場するダンヴァース夫人はどちらがキャラとしてインパクトがあるかという話題があるようですが、個人的には文句なくダンヴァース夫人に軍配を上げます。死人に忠誠を誓っているようなアブノーマルな女に、横恋慕から主人をたぶらかそうとしている程度の小娘が勝てるわけも無し。★★★☆☆

■■ 【このタグに注目!】 ■■
アルフレッド・ヒッチコック

<スタッフ&キャスト>
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:シドニー・バーンスタイン/アルフレッド・ヒッチコック
原作:ヘレン・シンプソン
脚本:ジェームズ・ブリディ
潤色:ヒューム・クローニン
撮影:ジャック・カーディフ/ポール・ビーソン
    イアン・クレイグ
 
出演:イングリッド・バーグマン/ジョセフ・コットン
    マイケル・ワイルディング/マーガレット・レイトン

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山羊座のもとに山羊座のもとに
(2006/12/14)
マーガレット・レイトンイングリッド・バーグマン

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テーマ : クラシック映画
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#0200『ダイヤルMを廻せ!』アルフレッド・ヒッチコック監督 1954年アメリカ

ダイヤルMを廻せ
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実は。。。2005年10月9日に映画ブログをはじめて、最初に書いた記事がこの『ダイヤルMを廻せ!』しかも、鑑賞後しばらく時間がたっていたため内容もあまり覚えていなかったという始末。

序盤のあらすじと、なんだかさっぱりわけがわからないけど「さすがヒッチコック!」に帰結する中盤と、一生懸命本を調べた後半の、その三段構成がスリリングですらありますね。

一応以前のブログの文章はこちらに全部移行するという方針ですので、そのまま掲載させていただきます。あー、はずかし。


以下、転載文


ずっずっと緊張感が高まっていく感じがたまりません。

引退したテニス選手の夫と離婚ぎりぎりの妻。妻には今も想いをつなぐ愛人がいる。差し向かいのテーブル、妻は著名な推理作家である愛人の帰国記事を新聞上に見つけ、上目づかいに夫をうかがう。冒頭、なんの状況説明なくともこの一瞬の上目遣いでもう緊張感がぐっと、こう。いいです。絶妙。わくわくしますね。

妻の不倫について何も知らないのかと思われた夫が実は・・・、用意周到な陰謀が!絶体絶命!大どんでん返し! ラストはすっきりと、こうサスペンスフルなストーリー展開。さすがヒッチコック!

ところがどうも、ヒッチコック自身はこの作品にあまり思い入れががなかったらしいですね。ワーナーとの契約でどうしても最後の一本を撮らなければいけないというのに、見込んだ脚本はボツ。たまたま手近にあった舞台ヒット作の映画化に乗って、わずか1ヶ月で撮り終えた映画が本作。そういえばセットもほとんどひとつだし。でも、それだけに余計ヒッチコックのすごさがわかる佳作中の佳作。満足しました◎ グレース・ケリーも◎★★★★☆

■■ 【このタグに注目!】 ■■
アルフレッド・ヒッチコック

<スタッフ&キャスト>
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:フレデリック・ノット
脚本:フレデリック・ノット
撮影:ロバート・バークス
音楽:ディミトリ・ティオムキン 
出演:レイ・ミランド/グレース・ケリー
   ロバート・カミングス/アンソニー・ドーソン
   ジョン・ウィリアムズ

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ダイヤルMを廻せ! 特別版ダイヤルMを廻せ! 特別版
(2008/04/11)
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#0199『イタリア旅行』ロベルト・ロッセリーニ監督 1953年イタリア

イタリア旅行
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ネタバレですよ


中年になっても相変わらずバーグマンは美しい。『イタリア旅行』は公開当初国内の批評家にずいぶん酷評されたものの、フランスのヌーヴェルヴァーグ一派に再評価され、現在ではロッセリーニの代表作のひとつといわれています。

世紀のスキャンダルでバーグマンがロッセリーニの下に走ってから、彼女の主演で作られたロッセリーニ作品は全部で6本。6本すべてに何らかの形で”うまくいかない結婚生活”が描かれているというあたりが考えさせられますが、4作目の『イタリア旅行』のテーマまさにそのもの。中年夫婦の危機と再生。

この映画の中でジョージ・サンダースとバーグマンが扮する中年夫婦は奇跡的な絆の回復を果たしますが、実生活ではすでにバーグマンとロッセリーニの仲には暗雲が垂れ込めていたようです。バーグマン主演作品はどれも興行的成功に恵まれず、経済的にも追い詰められた二人の関係はその後も好転することはありませんでした。翌年『不安』を撮った後二人はついに破局。ロッセリーニは4年間の沈黙に入ります。

ロッセリーニはどんな気持ちでバーグマンを演出していたんでしょうね。実生活の不仲さえも作品にしてしまうプロ根性の現われなのか、それともこの作品はバーグマンに対する切ない願いだったのか、どちらにしても実際の結婚生活が危機に瀕している時期に製作されたことには驚きを感じます。

美しい音楽と共に開巻すると、死んだ伯父が残した別荘を処分するためにナポリへと車を走らせているキャサリン(イングリッド・バーグマン)とアレックス(ジョージ・サンダース)の姿があります。ゴダールが「一組の男女と一台の車があれば映画が出来ると悟った」とのたまったシーンですが、一見して二人の間には冷たいものが流れています。言葉の端々にするどい棘が見え隠れしていたり、なんともいえない気まずい”間”がつらかったり。冒頭から丁寧に不仲を描写する、その見せ方がリアルですねぇ。バーグマンの若いころの演技は、結構芝居がかったところがあったと思いますが、ここでのかすかな苛立ちをにじませる中年婦人の演技はじつにリアル。

ホテルに到着して、キャサリンは”私たちはまるで他人同士のようだ"と言います。結婚して8年、初めての夫婦旅行。皮肉なことにその初めての夫婦旅行で、今まで目をそむけてきた夫婦の溝があらわになってしまいます。しかし、表向きは仲むつまじく装い、二人は叔父の別荘が売れるまで滞在することになります。

夫婦で一緒にいる時間が増えたがために、返って二人の間の溝がくっきりと意識される。で、意識されると必ずそれを広げにいってしまうんですねぇ。面白いですね。でも妙に・・・実感できるんだなあ。夫婦関係がこういう状態になると、何をやっても裏目に出ます。夫婦ってうまく出来てるもので、どちらかが”相手のことが気に入らない!”などと思っているときは、ほぼ同等のエネルギーで相手も同じことを考えていますから、どんな些細なことでもネガティブにスパイラルしていくわけです。

なにげなくキャサリンが話した死んだ恋人の話に、アレックスは冷たく反応し、彼女はその傲慢さに我慢できず、一人でナポリ観光に出かけてしまいます。そして、彼女が勝手に車を使ったことで今度はアレックスが激怒してついに離婚話に・・・・・。やはり、夫婦危機渦中の人だっただけあって、折り重なる二人の感情と加速していくネガティブスパイラルの描写が見事です。

しかしこの夫婦には救いが残されています。まだ互いのことに全く無関心になってしまったわけではありません。パーティでそれぞれ相手が他の異性と親しくしているのを見ては心をかき乱されています。わずかに再生のための土壌が残されているわけです。

一人で観光地を巡るキャサリンの見るものや、アレックスがフラれる人妻との会話。こういうものがわずかな土壌の上で種火となって再び夫婦の愛情は燃え上がり、ラストを迎えるのですが・・。

夫婦が劇的に再生を果たすラストシーンは、評価が紆余曲折した大きな原因になってるでしょうね。イタリアのネオレアレズモ批評家の目には全くのご都合主義に写ったことでしょう。

このラストって、ほぼ100%メロドラマのラストシーンですよね。”中年夫婦の危機を冷徹に描写した作品”ではなく、スター”バーグマン”と”サンダース” のちょっと劇的な恋愛ドラマの予定調和的ラストシーンであると。そういうわりきりで観れば、全体としてかなり楽しめると思います。★★★☆☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ロベルト・ロッセリーニ
製作:マリオ・デル・パパ/マルチェロ・ダミーコ
脚本:ヴィタリアーノ・ブランカーティ/ロベルト・ロッセリーニ
撮影:エンツォ・セラフィン
音楽:レンツォ・ロッセリーニ
出演:イングリッド・バーグマン/ジョージ・サンダース
   レスリー・ダニエルズ/ナタリア・ライ
   マリア・モーバン/アン・プロクレマー
   ジャッキー・フロスト/ポール・ミューラー

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イタリア旅行 (トールケース)イタリア旅行 (トールケース)
(2004/05/25)
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#0198『日曜日には鼠を殺せ』フレッド・ジンネマン監督 1964年アメリカ

日曜日には鼠を殺せ
”BEHOLD A PALEHORSE” 


少しネタバレ


『真昼の決闘』がとても気に入ったフレッド・ジンネマン監督の作品。何が良かったかと言えば、それはもうゲイリー・クーパーが誰の助けも得られず徐々に一人ぼっちに追いつめられていく姿。時間の経過をリアルに織り交ぜながら、実に見事なストーリー運びでした。

この作品でも同じく、ぐぐっと迫りこんでくるようなストーリーが良いですねぇ。グレゴリー・ペックとアンソニー・クィンの演技も重厚で名演。夜や日の射さない室内のシーンが多いため、スクリーンには暗く重苦しい雰囲気が立ち込めていますが、これはまちがいなく良い映画です。

スペイン内戦が終結し、人民戦線側で戦った英雄マヌエル・アルティゲス(グレゴリー・ペック)は終戦後フランスに亡命。ゲリラ活動を続けていたが、戦後20年を経た現在ではその情熱もなくしてしまい、日々衰えていくのみ。ある日彼のもとに母が入院したと言う知らせが届く。故郷サン・マルティンの病院では内戦以来の宿敵警察署長ヴィニョラス(アンソニー・クィン)がマヌエルを捕らえるために万全の包囲網を敷いていた。

一度見て、マヌエルの行動が今ひとつ良くわからなかったのでスペイン内戦の情報を少し調べて再度鑑賞。キーポイントはオマー・シャリフの演じる神父でした。フランシスコ神父は、死の床にある母親から警察の罠を警告する伝言を頼まれてマヌエルのもとにやってきます。スペイン内戦ではローマ教皇庁がフランコ政権を認めたことが人民戦線側崩壊のとどめとなった経緯もあり、人民戦線の闘士であったマヌエルからすると、カトリック教会と神父は「悪の権化」。母が死の間際に神父と接したことも信じたくないし、神父が告げる母の死も信じられない。

はじめは神父に対して憎悪をあらわにするマヌエル。分け与えたパンを取り上げて、「このパンを与えたのは神ではない、俺だ。」とすごみますが、神父は無言でパンをつき返します。しかし、神父の伝言が決め手となって密告者を暴き出せたことで二人の距離は縮まり、実は同郷であったことからスペイン内戦での神父の悲惨な体験を知ることになります。「それは人民側がしたことではない」と言い逃れるうマヌエルに、「そんなことに、どんな違いがあるのか」と神父は聞き返します。

マヌエルは、人民のためにファシストと戦った正義の戦士という自分の存在意義を神父に否定されたのでした。そして、彼自身もそのことを自己否定するのですが、その心の葛藤がこの映画のテーマであるようです。神父と別れた後、暗い部屋の中で歩き周り思い悩むマヌエル。窓からボールを投げ落とします。窓外の石畳を転々とボールが転がっていくショットはまるでよくできたフランス映画のようなすばらしさですが、このボールはマヌエルが大事にしてきた自尊心の象徴でしょうねぇ。それを窓から投げ捨てたわけです。

ラストで「ビニョラスに一泡吹かせてやるのさ」と言いながらマヌエルがとる行動は自殺行為のようにめちゃくちゃですが、すでに自分の存在を否定してしまったマヌエルにとってはそんなことはどうでも良かったのかもしれません。

グレゴリー・ペックは、今ひとつ入りこめない俳優なんですが、この作品のペックは良いと思います。品行方正なヒーローのイメージがありますが、今回の落ちぶれた英雄や『白昼の決闘』のときのような悪役のほうが味が出ていて個人的には好きですね。★★★★★

<スタッフ&キャスト>
監督:フレッド・ジンネマン
製作:フレッド・ジンネマン
原作:エメリック・プレスバーガー
脚本:J・P・ミラー
撮影:ジャン・バダル
音楽:モーリス・ジャール
出演:グレゴリー・ペック
   アンソニー・クイン/オマー・シャリフ
   パオロ・ストッパ/レイモン・ペルグラン
   ミルドレッド・ダンノック/ペレット・プラディエ
   クリスチャン・マルカン/ミシェル・ロンズデール
   ダニエラ・ロッカ/ロザリー・クラッチェリー
   ロランス・バディ/マーティン・ベンソン

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日曜日には鼠を殺せ日曜日には鼠を殺せ
(2007/07/25)
グレゴリー・ペック.アンソニー・クイン.オマー・シャリフ

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テーマ : クラシック映画
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#0197『居酒屋』(二回目)ルネ・クレマン監督 1956年フランス

居酒屋
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ルネ・クレマン監督の『居酒屋』を再見しました。平行して、ゾラの原作も読書中です。原作と比較してみると、クレマンが原作に忠実に映画化したことは間違いないものの、原作で度々触れられるジェルヴェーズの詳細な人となりの描写を意図的に省いたのではないかという気がしてきました。

特に、ジェルヴェーズの堅実な人生観、まじめな働きぶり、夫クポーや子供たちへの献身についてはほとんど描写されていません。たとえば、クポーと結婚する前にジェルヴェーズは自分の人生観について次のように語っています。

「あたしは、高望みする女じゃない。それほど欲ばりじゃない・・・。あたしの願いは、地道に働くこと、三度のパンを欠かさぬこと、寝るためのこざっぱりした住居を持つこと、つまり寝床がひとつ、テーブルがひとつ、椅子が二つ、それだけあればいい、それ以上はいらない・・・。
そうそう、それから子供たちを育てて、できればいい人間にしてやりたい・・・。
もうひとつ願いがあるわ。こんど世帯を持つことがあったら、ぶたれないこと。いやよ、ぶたれるって・・・。これだけ、ほんとにこれだけなの・・・。そうねぇ、誰だって最後は自分の寝床で死にたいという望みを持ってもいいわけだわねぇ。一生、へとへとになるまで働いてから、自分の家の自分の寝床で死にたいわ。」(新潮文庫『居酒屋』古賀照一訳 より)

また、物語の時間経緯についても詳しく語られていないために、彼女が積み重ねた(誠実だったころ)の時間についても、スクリーンから実感することはできません。ジェルヴェーズは、クポーと結婚してから4年後にナナを産み、クポーが屋根から落ちて重傷を負うのはさらにその4~5年後。半年から一年にわたる独力の看病で、店を持つために必死に貯めた金を使い果たし、ようやくグージェの資金提供を得て店を持つにいたるのは、結婚から10年近く経とうかという頃です。そして、すっかり働かなくなったクポーを養いながら、さらに店を繁盛させ、幸せの頂点となる誕生パーティまでは、さらに3年以上の時間が経っています。この間、ジェルヴェーズは働きに働き通し、どんな望みもかなうほどの金を稼ぎ、無責任なクポーの姉ロリユ夫人から義理の母をひきとり、地元の人々からも尊敬される存在となります。

そういう、ジェルヴェーズの人となりとドラマの時間感覚が、原作ではたびたび記述されているのですが、映画では意図的に省かれているのではないかと思われます。さらに、原作で彼女が店を手放すのは物語半ば過ぎのことであり、その後は堕落したクポーとジェルヴェーズのただれたような生活が延々と続きます。その過程で、彼らのナナに対する虐待と、ナナの反発・家出などが起こりますが、このくだりもクレマンはすっぽりと省略してしまいました。結局、“ゾラの原作を忠実に再現している”と言われる、クレマンの作品は、かなりかいつまんだ描写にとどまっているといえます。ジェルヴェーズの人格的美徳といえる部分についても、目を背けたくなるような堕落した姿もクレマンは描かなかったのです。

では、クレマンの作品は原作に比べて粗く、リアリティに欠けるのかといわれれば、決してそんなことはありません。詳細な顛末描写の代わりに、ジェルヴェーズをはじめとして、ヴィルジニーやクレマンス、ロリユ夫人、ボッシュ夫人など、“女の存在感”に基づく生活のリアリティが、この転落劇にこれ以上ないほどの現実感を与えているからです。マリア・シェルは実に卓越した演技で、彼女の天真爛漫な笑顔から観客はその人柄を知り、それが男に媚びた卑しい笑顔になるときに、彼女の性格の弱さを感じ取ります。そして、むき出しの尻を殴りつけられるヴィルジニーや、アイロンがけをするクレマンスのゆれる胸、ランチエに抱きよせられるジェルヴェーズののけぞる背中などから、体臭がむせかえりそうなほど生々しい女の存在と、彼女たちの生活の現実が立ち上がってきます。

それに比べて、男たちは生活感が希薄ですが、その分これまたリアルに彼らのエゴが強調されています。まじめに取り組んできた仕事で大怪我を負ったために、仕事自体を憎むようになってしまったクポー。必死に働くジェルヴェーズを食い物にしていささかの罪の意識も感じないランチエ。グージェですら、自らの自尊心というエゴから、最終的にジェルヴェーズを受け入れることができませんでした。そういう男たちのエゴに対して毅然と接することできないジェルヴェーズの過度のやさしさによって、女の生活の現実は崩れ去っていくことになります。

自然主義というのは、美化を捨てて現実をあるがままに描くという客観性が要諦ではなく、人間は自分の人生を含めて世の中を変える力など持ち得ないという負の価値観を言うのだそうです。では何が人生のありようを決めるのかといえば、それは遺伝と環境であると言われています。「居酒屋」を含めたゾラの大著「ルーゴン・マッカール叢書」は、まさに遺伝と環境に支配された一族の歴史であり、アルコール中毒者マッカールの血を引いたジェルヴェーズは、どうあがいてもその呪縛から逃れることはできないのです。

映画の中で、ジェルヴェーズは二回しか酒を飲みませんが、その二回ともが彼女の人生が暗転する契機となっています。一回目はグージェが服役中にランチエとヴィルジニーと連れ立った観劇の場面。「慣れていないから・・」と言いつつ酒を飲む彼女は、この夜ランチエに抱かれ、それがヴィルジニーを経由してグージェの耳に入り、唯一の支えであったグージェの愛を失うことになります。また、二度目は、酒乱の果てに精神に異常をきたしたクポーが暴れ、ジェルヴェーズの店を徹底的に破壊してしまうシーンで、破壊しつくされた家の中で放心状態のジェルヴェーズは、ふと残されたぶどう酒のグラスに眼を留め、飲み残しのぶどう酒を一気にあおり、小さくため息をつきます。そして彼女は酒浸りの生活に堕ちていきます。クレマンは、彼女の心がついにバキリと折れてしまった瞬間を、一杯の酒に託して見事に映像化してしまいました。

原作によると、そもそも彼女は故郷で酒を飲みすぎ死ぬほどつらい目にあい、それ以来、パリに来てからも酒は飲みませんでした。必死に働いた日々においてもせいぜい梅酒の梅をかじるくらいだったジェルヴェーズですが、結局彼女はアルコールの呪縛から逃れることはできませんでした。ゾラは、「アルコール中毒は遺伝する」と考えていたそうですから、まさにマッカールの血の呪縛によって、ジェルヴェーズの転落は運命付けられていたということになります。

この映画は、そういう宿命的なジェルヴェーズの転落を、女たちの息が詰まるほどの肉感的生活感を表現手段としつつも、観客の感情移入を許さず、徹底的に突き放して描いた作品だと言えるのではないでしょうか。おそらくそこには、教訓的な色合いなど何もなくて、ルネ・クレマンは伝統工芸職人のように淡々と、この悲惨さを描き出したのではないかという気がしてなりません。

しかし、その冷淡なほどの“悲惨“の描き方は、その冷淡さゆえに観客にさまざまな思いを起こさせます。それは、「どれほど血と汗と涙で築き上げた人生であろうと、いかにも簡単に崩壊する可能性を秘めている、自分の人生も例外ではないのだ」という怖ろしい認識かもしれませんし、自らの人生と比較して戒めの気持ちを新たにする人もいるかもしれません。どちらにしても、いかなるメッセージも発しない客観的な転落劇をまずその目で見ることよって、その認識は出発するのだと思います。
★★★★☆

<関連記事>
■『居酒屋』(1回目鑑賞記事)
■覚書:自然主義 ~不毛のヴィジョン~

<スタッフ&キャスト>
監督:ルネ・クレマン
製作:アニー・ドルフマン
原作:エミール・ゾラ
脚本:ジャン・オーランシュ/ピエール・ボスト
撮影:ロベール・ジュイヤール
音楽:ジョルジュ・オーリック
出演:マリア・シェル/フランソワ・ペリエ
   アルマン・メストラル/ジャック・アルダン
   シュジー・ドレール/ジャニー・オルト


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居酒屋居酒屋
(2003/02/25)
マリア・シェル

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#0196『復讐の谷』リチャード・ソープ監督 1951年アメリカ

復讐の谷
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2005年12月に書いた記事です。この映画を観たのは、1にも2にもロバート・ウォーカー見たさ。ジェニファー・ジョーンズと離婚した後生活が荒れ、この作品が製作された1951年に亡くなっています。相変わらずの悪役ぶりが堪能できた上に、ドラマとしても結構面白かった。拾い物の一作。

以下、転載文。

ストロビー牧場の経営者アーチに幼い頃拾われた孤児のオーウェン(バート・ランカスター)は、彼の息子リー(ロバート・ウォーカー)のよき遊び相手兼後見役。また、牧童頭として見事にアーチの期待に応えていた。リーは甘やかされて育ち、ギャンブル好きで甲斐性がなかったが、美しく聡明なジェーン(ジョーン・ドルー)と出会い結ばれて変わった・・・と自認していた。

しかし、彼女の前につきあっていたリリー(サリー・フォレスト)を妊娠させた件では、またもオーウェンに尻ぬぐいをさせ、彼に多大な迷惑をかけた。リリーの二人の兄たち(ジョン・アイアランド、ヒュー・オブライエン)が彼を敵と付け狙っていたのだ。が、ジェーンは夫の告白を待たずとも、そのあやまちを察知しており、その無責任さを強くなじるのだった。オーウェンは以前から秘かに彼女を慕っていたが、今や彼女もその気持ちを汲み始めていた。これを妬んだリーは、父に共同経営を承諾させ、春になって運ぶ牛の売買の契約を勝手に決め、リリーの兄弟を間接的に自分のキャラバンに雇って、オーウェンの命を担わせるのだが……。(allcinemaより)

さて、ロバート・ウォーカー見たさに『見知らぬ乗客』から寄り道してきた、この『復讐の谷』、B級西部劇ですね。B級ものの良さは単純さ(それがうまいか下手かはともかく)だと思っているのですが、本作の登場人物は見事に全員わかりやすくて良いです(笑)

お目当てのロバート・ウォーカーは甲斐性なしで卑怯な牧場のドラ息子リー・ストロビー。『見知らぬ乗客』では、完璧な狂人を演じきったウォーカーですが、本作の卑怯者ぶりも実に堂に入ってます。言い訳する、策略はめぐらす、裏取引はする、逆恨みする、開き直る、最後の最後まで1本スジの通った卑怯者ぶりに拍手喝采。しかし、この人はこれが地なんじゃないかというくらいに悪役がはまりますね。

対する、バート・ランカスターは、義理と人情に厚い西部の男オーウェン。孤児だった自分を拾って育ててくれたアーチ・ストロビーを尊敬し、ことごとくドラ息子リーを庇っています。こちらも一徹で、私生児の件でリリーの兄たちに命を狙われてもぶれる事なくかばい続けます。やっぱり、男は(女も)「けじめ」が大切(痛感)。バート・ランカスターはまだ本格的に演技派として開眼する前の頃でしょうか。本作の時期、ハリウッド・システムに納得できずに独自プロダクションを構えていたということです。歯をむいて牛泥棒を問い詰めるあたり、かなり演技に熱がこもっています。

リーの妻ジェーンですが、以前レビューした『赤い河』でジョンウェインとモンゴメリー・クリフトの間に入って勝気な才女を演じたジョーン・ドルー。いやー、こんなところで再会できるとは何と言う幸運。『赤い河』から3年ですがちょっとやせて容色衰えたかなと言う感じながら、気の強さは相変わらず。西部一ビンタが似合う女。認定しました。

ストーリー/演出は可もなく不可もなくと言う感じですが、この3人に、笑える超単細胞ファスケン兄弟(J・アイアランド、H・オブライエン)がからんで、結構ドラマとしては楽しめました。意外と気に入ったかも。
★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:リチャード・ソープ
製作:ニコラス・ネイファック
原作:ルーク・ショート
脚本:アーヴィング・ラヴェッチ
撮影:ジョージ・T・フォルシー
音楽:ルドルフ・G・コップ
 
出演:バート・ランカスター/ロバート・ウォーカー
   ジョン・アイアランド/ジョーン・ドルー
   サリー・フォレスト/ヒュー・オブライエン

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復讐の谷復讐の谷
(2006/12/14)
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#0195『キー・ラーゴ』ジョン・ヒューストン監督 1948年アメリカ

キー・ラーゴ
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ちょいとネタバレ



舞台はフロリダ、キー・ラーゴのホテル。一夜のハリケーンに閉じ込められた悪党とヒーロー。悪党はやりたい放題。ヒーローは我慢に我慢。やりたい放題と我慢の振幅がだんだん大きくなって限界点を迎えたところでヒーローの大逆転。

そういうことです。悪党のボス、ジョニー・ロッコにエドワード・G・ロビンソン。ロッコの情婦クレア・トレヴァー。ホテル・ラーゴの主人ライオネル・バリモア、その娘ローレン・バコール、そしてバコールの戦死した夫の戦友であり、ロッコと対決するヒーロー、フランク・マクラウドにハンフリー・ボガート。

人物に迫力があります。主役クラスの5人はもちろん、ロッコの手下たちも含めて画面映りに味があるというかくせのある俳優がそろっていますね。その上、冒頭のバスの中のボギーの横顔から始まって、ボート小屋に向かって歩くボギーとバコールのツーショット、エドワード・G・ロビンソンの登場場面などクローズアップや鏡に映る人物像をうまくつかって非常に”人”のインパクトを出すような撮り方をしています。

犯罪映画では悪役が重要ですが、名優エドワード・G・ロビンソンの悪役ぶりはすばらしく、ふてぶてしさ憎々しさは秀逸。彼の悪意は直接ボガートではなくホテルの主人親子と情婦に向けられていて、バコールなども散々いたぶられます(あの野村のささやき戦術みたいなのはなにを言ってたんだろう・・・?)。ホテルの主人バリモアは車椅子に乗っているため、いくらロビンソンにやられても反撃することが出来ません。バリモアの悔しそうな言動がまた悪党ロビンソンを引き立てます。

観客としては「おいおい、何とかしてやれよ、ボギー!」ということで、ヒーロー・マクラウドの反撃への期待が盛り上がっていきます。この辺の期待感の盛り上げには、落ちぶれた歌手でアル中の情婦ゲイも一役買っており、酒欲しさにみんなの前で衰えた歌を歌わされるシーンは痛々しく、ロッコへの怒りの指数がさらにアップ。ゲイを演じたクレア・トレヴァーはアカデミー助演女優賞を獲得しました。

ロッコへの怒りを盛り上げ反撃の期待感をあおる部分は状況設定、ストーリー、人物描写ともに文句なし。意外なほどにハリケーンにうろたえるロッコやあまりゴタゴタに関わりたくない風情のマクラウドの描き方も良かった。しかし、個人的にはクライマックスのボギーの反撃シーンにもう少し迫力とギリギリ感が欲しかったかなと感じます。船室へのドアをはさんでお互いに姿の見えないロッコとマクラウドの対峙などサスペンスを盛り上げる工夫はありますが。★★★☆☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ジョン・ヒューストン
製作:ジェリー・ウォルド
原作:マックスウェル・アンダーソン
脚本:リチャード・ブルックス/ジョン・ヒューストン
撮影:カール・フロイント
音楽:マックス・スタイナー
出演:ハンフリー・ボガート/ローレン・バコール
   クレア・トレヴァー/エドワード・G・ロビンソン
   ライオネル・バリモア/モンテ・ブルー
   トーマス・ゴメス/ハリー・ルイス
   ジョン・ロドニー/マーク・ローレンス

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キー・ラーゴキー・ラーゴ
(2007/01/26)
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#0194『第三の男』キャロル・リード監督 1949年イギリス

第三の男
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2006年1月の記事を再掲します。この作品のDVDがなくなってしまって再見できない!500円DVD(キープ社)は、後半で音声と字幕がずれるんですよね。きちんと収録されているものを買うことにします。


以下、転載文。


アメリカの三流小説家ホリー(ジョセフ・コットン)は、友人ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)を頼ってウィーンにやってくるが、到着早々ハリーが事故死したことを告げられる。しかし事故にはどうも不審な点があり、ホリーは独自に真相を追う。やがてハリーの事故死の現場に正体不明の第三の男がいたことを突き止めるのだが・・・。

ストーリー、カメラワーク、音楽、演技・・・どれをとっても見所聴き所満載。映像の美しさについてはすでによく語られているのですが、それでもやっぱり映像とカメラワークがすばらしい、と書かざるを得ません。撮影のロバート・クラスカーがオスカーを受賞しています。私自身は映画のカメラワークに関する技術的な知識はほとんどなく、映画自体のよしあしはストーリの出来具合(自分自身の経験や感性と照らし合わせて共感・感動できるかどうか)と俳優と演技で判断しているところがありますが、本作では戦後のウィーンの町並みを生かした映像の美しさにまず目を奪われました。素人でもこれだけはっきりとわかるんですから、映画における撮影や映像のことがわかる人にとってはたまらない魅力があるでしょうね。

舞台は第二次大戦後は英米仏ソ4カ国に共同統治された暗い時代のウィーン。見上げる視線の先の部屋の窓や見下ろす先の石畳の舗道、そういう何気ないショットからでも街の暗い重苦しさが実に良く漂ってきます。そこにさす光と影の美しさはすばらしく、闇の中から窓の明かりに照らし出されるオーソン・ウェルズや走り去っていく彼の影などは思わずため息が漏れるくらいの映像美。

”白黒映画はカラー作品とはまったく異なるジャンルの映画である”といわれることがありますが、カラーでは絶対に撮れない美しさがあるものだと改めて思い知らされました。白黒映画を観たことがないとか、なんとなく苦手だという人にぜひ見て欲しい作品です。

中盤くらいまでしか観ていないのかと思ったら、ラスト近くの指のシーンや有名なラストシーンも記憶にありましたね。ストーリーはほとんど抜け落ちて忘れたましたが^^; 

オーソン・ウェルズばかりに目が行きがちですが、ヒッチコックの『疑惑の影』 以来のジョセフ・コットンのうまさも印象的でした。『疑惑の影』 では全身から静かな異常さ・怖さを発散していましたが、一転して少しお人よしでかつ強情な役柄を見事に演じていました。ラストシーン、ああなるのはわかっていてそれでもアリダ・ヴァリを待つジョセフ・コットンの姿と1本のタバコが。。。★★★★★

<スタッフ&キャスト>
監督:キャロル・リード
製作:キャロル・リード/デヴィッド・O・セルズニック/アレクサンダー・コルダ
原作:グレアム・グリーン
脚本:グレアム・グリーン
撮影:ロバート・クラスカー
音楽:アントン・カラス
 
出演:ジョセフ・コットン/オーソン・ウェルズ
   アリダ・ヴァリ/トレヴァー・ハワード
   バーナード・リー/ジェフリー・キーン
   エルンスト・ドイッチュ

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(2008/05/15)
オーソン・ウェルズ.ジョセフ・コットン.アリダ・ヴァリ.トレヴァー・ハワード.バーナード・リー

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ジャンル : 映画

#0193『フォロウィング』クリストファー・ノーラン監督 1998イギリス

フォロウィング
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『メメント』を見たときにはたまげましたね。いったいクリストファー・ノーランという人の頭の中はどうなっているんだろうと不思議に思ったもんです。

さて、フォロウィング(following)とは、尾行のこと。主人公のビルは人を尾行する癖があります。相手は男でも女でも誰でもよく、しばらく尾行して相手の生活がわかればその時点で尾行終了。ところがある尾行相手がビルに気づきます。その相手コッブはというと、人の人生を覗き見たいがために空き巣を重ねているという、これまた変わった人間です。

さて、この作品のストーリーはコッブと一緒に空き巣を働くようになった主人公が陰謀に巻き込まれていくと言うものですが、売り物はやはり『メメント』と同じく時間を解体して組み立てなおした見せ方でしょう。

『メメント』の場合は、前向性健忘症という数分しか記憶を保てない男を疑似体験するように時間が逆行していくというものでした。この『フォロウィング』ではそういう記憶障害のような背景はなく、通常のストーリーをばらしてランダムにつなぎあわせている感じ(当然つなぎ方に監督なりの考えがあるはずですが)。

そうすると、観ている方はまずなにが起きているのかわからないので、”とっかかり”を探そうとしますね。ぱっと目に付くとっかかりがふたつあって、一つは主人公ビルの身なりがある時点で全く変わるということ。ストーリー開始時は、むさくるしい長髪の若者と言う感じなのですが、どこかでこざっぱりしたビジネスマン風のスーツ姿に変身します。もう一つは同じくビルがめちゃくちゃに殴られていること。これも、どこかの時点で誰かに乱暴されているわけです。

この二つのとっかかりをめぐって、なぜそれが起きたんだろうと強制的に推理させられながら映画を見ることになるので、そういう意味でのサスペンスの持続性は抜群。

次第に、その原因がはっきりしてくるのですが、期待感が膨らんでいるので真相がわかった時にはやはりテンションが下がります。これは、”なぜそうなったのかわからない”ということで観る側の興味を引きつける編集になっているのだから、ある意味仕方のないことかもしれませんね。

この作品では、”ああ、なるほど、そういうことだったのか”と思った次の瞬間に一種のどんでん返しのようなことが起きるのですが、それを地味な刑事の静かな語り口で起こすところが、見せ方としてはちょっとスマートでいいなと思いました。いったん下がったテンションを巧く再満足させてラストまで持っていっていると思います。

まあ、しかし複雑な見せ方をするためにストーリーを作ったようなわざとらしさが目立つことも事実です。が、クリストファー・ノーランはこれがデビュー作ですから。事実、後の『メメント』では見事にストーリーと時間再構築を両立させており、やはり素晴らしい才能を持った監督の驚くべき処女作であることは間違いないと思います。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
Following

監督:クリストファー・ノーラン
製作:クリストファー・ノーラン/ジェレミー・セオボルド/エマ・トーマス
製作総指揮:ピーター・ブロデリック
脚本:クリストファー・ノーラン
撮影:クリストファー・ノーラン
編集:クリストファー・ノーラン
音楽:デヴィッド・ジュリアン
出演:ジェレミー・セオボルド
    アレックス・ハウ
    ルーシー・ラッセル
    ジョン・ノーラン
    ディック・ブラッドセル

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

ファーストインプレッションリスト

川越名画座リローデッド ファーストインプレッション・リスト 最近、「映画を一回観ただけで記事にするのはやめよう」と思いたち、初見の映画については鑑賞直後に頭に浮かんだことだけを”ファーストインプレッション”として、”川越名画座リローデッド”の方にメモ書きしています。こちらの方も数が増えてきそうなので、リストをつくりました。ぜひ。
製作年 タイトル 監督 出演 本記事
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1928年 アッシャー家の末裔 ジャン・エプスタン シャルル・ラミ
ジャン・ドビュクール
2007年 アメリカン・ギャングスター リドリー・スコット デンゼル・ワシントン
ラッセル・クロウ
1938年 アレクサンドル・ネフスキー セルゲイ・エイゼンシュテイン ニコライ・チェルカーソフ
ニコライ・オフロプコフ
1999年 暗戦 デッドエンド ジョニー・トゥ アンディ・ラウ
ラウ・チンワン
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1926年 キートンの大列車追跡 バスター・キートン バスター・キートン
マリアン・マック
1978年 恐怖の魔力/メデューサ・タッチ ジャック・ゴールド リチャード・バートン
リノ・ヴェンチュラ
1964年 ゲアトルーズ カール・T・ドライヤー ニーナ・ペンス・ローデ
ベント・ローテ
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1954年 山椒大夫 溝口健二 田中絹代
香川京子
1989年 その男、凶暴につき 北野武 ビートたけし
白竜
た行 にほんブログ村 映画ブログへ
1938年 旅路の果て ジュリアン・デュヴィヴィエ ミシェル・シモン
ルイ・ジューヴェ
1954年 近松物語 溝口健二 長谷川一夫
香川京子
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1930年 嘆きの天使 ジョセフ・フォン・スタンバーグ エミール・ヤニングス
マレーネ・ディートリッヒ
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1995年 バタフライ・キス マイケル・ウィンターボトム アマンダ・プラマー
サスキア・リーヴス
1946年 浜辺の女 ジャン・ルノワール ジョーン・ベネット
ロバート・ライアン
1929年 パンドラの箱 G・W・パブスト ルイーズ・ブルックス
カール・ゲーツ
1997年 ブエノスアイレス ウォン・カーウァイ トニー・レオン
レスリー・チャン
1978年 ブラジルから来た少年 フランクリン・J・シャフナー グレゴリー・ペック
ローレンス・オリヴィエ
1914年 ホーム、スイート・ホーム D・W・グリフィス リリアン・ギッシュ
ヘンリー・B・ウォルソール
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2005年 マッチポイント ウディ・アレン ジョナサン・リス・マイヤーズ
スカーレット・ヨハンソン

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

#0192『ダークシティ』アレックス・プロヤス監督 1998年アメリカ

お越しいただきありがとうございます。

この記事は、こちらに引っ越しました。

今後とも、

”シネマぞろ★”

を、よろしくお願いします。

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

#0191『ブレイキング・ニュース』ジョニー・トー監督 2004年香港/中国

ブレイキングニュース
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強盗団を逮捕しようとした警官が逆に拳銃で脅され命乞いをする場面が、テレビで香港中に放送されてしまいます。ことを重大視した警察は、古いアパートの中に追い詰められ篭城した強盗団を逮捕する全てのプロセスをテレビ中継させることで、国民の信頼を回復する作戦に出ます。作戦の発案者&責任者は、若いエリート女性幹部レベッカ(ケリー・チャン)。現場たたき上げの敏腕刑事チョン(ニック・チョン)、強盗団のボスユアン(リッチー・レン)、アパート内に潜伏中に、偶然から強盗団と行動を共にすることになる殺し屋チュン(ユウ・ヨン)。彼らの駆け引きの行方は・・・。

冒頭7分間に及ぶワンカットの銃撃シーンがなかなか魅力的。ジョニー・トー監督は暴力をスタイリッシュに映像化する方法に長けているようです。

映画で銃撃戦と言えば、まず思い浮かべるのは目もとまらない早撃ち。若かりし日のクリント・イーストウッドなど格好よかった。『荒野の用心棒』の4人瞬殺とかしびれたもんです。そして、もう一つよくあるパターンが、曲芸のようなアクロバティックな銃撃戦。マトリックスやアントニオ・バンデラスの酒場の大銃撃戦(デスペラード)など思い浮かびます。

ジョニー・トーの銃撃戦は、それらと比べて非常に地味&クール。『デスペラード』のアクションなど、ジョン・ウー的派手さはまったくありません。表情は変わらず、動きはスロー(歩いてますから)。吹っ飛んで死ぬやつもいません(本来そんな死に方はしない)。リアルと言うのとも少し違います。

その場面をカメラがなめるように移動して写し撮っていきますが、強盗団のプロフェッショナルなクールさが実にスマートに映像化されていると思います。このあたり、”ジョン・ウーの呪縛を逃れた”といわれる所以かと思いますどうなんでしょう。

主演のレベッカを演じるケリー・チャンは見覚えがある思ったら『冷静と情熱の間』に出てました。結構きつい表情するんだなぁと多少驚き。リッチー・レンとニック・チョンがしばらく見分けがつかなかったのは良いとして(多分私だけですから・・)、主役級のかっこいい若手俳優たちよりも、人質に取られたタクシー運転手(ラム・シュー)とか、チョンの部下の中年刑事(ホイ・シウホン)とか三枚目の方が印象的でした。

人物描写などはおいといて、全編アクションアクションの本作。カメラがずっと動いているのが少し気になりましたが、テンポも早く映像的には面白い作品だと思いました。強盗と殺し屋の友情劇的なラストシーンはとってつけたようで必ずしも必要ではなかったと思います。"Yes, Madame."が耳に残る。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ジョニー・トー
脚本:チャン・ヒンカイ/ イップ・ティンシン
撮影:チェン・チュウキョン
出演:ケリー・チャン/リッチー・レン
    ニック・チョン/ラム・シュー
    ユウ・ヨン/マギー・シュー
    サイモン・ヤム/チョン・シウファイ

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ブレイキング・ニュース

テーマ : 映画感想
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#0190『アパートの鍵貸します』ビリー・ワイルダー監督 1960年アメリカ

アパートの鍵貸します
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ビリー・ワイルダーの傑作コメディとして有名な作品。残念なことに開巻から一度も笑えなかったので自分にはコメディセンスがないのかといささか心配になりました。が、ワイルダー自身はこの作品をコメディではないと言っているらしく一安心。

主人公のバクスター(ジャック・レモン)はあまりにもプライドがないため、どうしても見ていて痛々しさを感じてしまうのです。フランとの恋愛を通して、そこから人間として立ち直る姿がこの映画の核心であり、情の部分でもあるということは重々承知してるんですよ。してるんですけどねぇ。自分の部屋を複数の上司の情事に提供しながら、その見返りを昇進という形で期待している、そのあたりがなにかこう、ピリっと顔に痙攣が走ってしまうんですよ。

部長が”顧客”になったとたんにそれまで部屋を利用していた4人の課長たちには手のひらを返したように冷たくなります。いそいそと部長のために部屋の段取りをとる姿は、あまりに小組織人で、せこましくて、いじましくて、ちょっとぐったり。バクスターが係長になったときのあの帽子を、本人は”エグゼクティブの帽子”と言っていますがどう見ても道化の帽子にしか見えません。面白くない人間だなぁ(自分が)と、書いてても思いますよ。ええ、思いますとも。でもねぇ。

隣の医者がバクスターにいみじくも「人間らしくなれ」と言います。医者は「人でなしの女たらしをやめてまっとうになれ」という意味で忠告するのですが、観客が受け取るのは”自分をせこく切り売りしてわずかな昇進を喜ぶようなむなしいことはやめろ”というメッセージであり、一つのメッセージに二重の意味を持たせているところは面白いですね。

かたやフラン(シャーリー・マクレーン)の方も、自分勝手でその場限りの部長に遊ばれているとわかっていながら離れられない、そのあたりの優柔不断さが全くじれったい。シャーリー・マクレーン独特のあの表情が余計にじれったさを掻き立てます。彼女がバクスターに「今まで何人と付き合ってきたのか?」と聞かれて「3人」と答えたときに、指は4本立ってますが、現在の部長との交際を無意識に拒否したいが、それでも別れることができない、どうしようもない気持ちが現れているのかもしれません。ああ、腹立たしい。

そういう風に見るとこの映画、どんよりとした曇り空のように実に不愉快。物語のラスト5分までその不愉快さがつきまといますが、バクスターへの気持ちに正直になったフランが、満面に喜びをたたえて駆けていくあの姿。あのシーンで一気にさーっと雲が晴れました。そこにのぞいた青空はあまりに気持ちよくて、それまでの不愉快さが吹き飛んでしまいました。ああやっぱりビリー・ワイルダーはうまいなと感心することしきりでありました。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ビリー・ワイルダー
製作:ビリー・ワイルダー/I・A・L・ダイアモンド
脚本:ビリー・ワイルダー/I・A・L・ダイアモンド
撮影:ジョセフ・ラシェル
音楽:アドルフ・ドイッチ
出演:ジャック・レモン
   シャーリー・マクレーン/フレッド・マクマレイ
   レイ・ウォルストン/デヴィッド・ルイス
   ジャック・クラスチェン

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アパートの鍵貸しますアパートの鍵貸します
(2008/08/02)
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#0189『深夜復讐便』ジュールス・ダッシン監督 1949年アメリカ

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ジュールス・ダッシンが赤狩りでヨーロッパへ逃れる前の作品。実はダッシン監督の作品は始めて観るのです。『男の争い』見たいなぁ。DISCASには、監督作品ひとつしか登録されてないんですよね。そのひとつが、なんで日本未公開のこの作品なのかは謎。

ということはともかく、この作品小粒ながらなかなか面白かった。リンゴの商売をめぐる悪徳仲買人フィグリア(リー・J・コッブ)と主人公ニック(リチャード・コンテ)の闘い。ニックの父親がフィグリアに騙されて両足切断の憂き目を見ているため、この闘いは父親の復讐劇でもあります。

フィルム・ノワールって、これという定義がなかなか難しい。いろんな参考文献を読んでみても確たるジャンル定義はないようで、ややもすると”こんな感じの作品”という、漠然とした特徴論でしかくくれなくなってしまいます。

まあ、ブログを書く上で厳密なジャンル定義を試みようとしているわけではありませんから、特徴論でも構わんのですが、少なくとも自分なりに納得できる基準は持っておきたいものです。で、ひとつ尺度にしているのが”どっか狂ってる”かどうか。ストーリーにしろ映像にしろ演出にしろ、どこかで狂ってしまった人間の行いを見せてほしいのです。雰囲気ですよ、雰囲気。ああ、漠然。

そういうことから見ると、フリッツ・ラングの『復讐は俺に任せろ』はノワールっぽく出来ていますが、実は全く真っ当な内容であり対象外。説の分かれるビリー・ワイルダーの『失われた週末』なんかは犯罪には無縁でも、あの異常な閉塞感はまちがいなくフィルム・ノワール。オーソン・ウェルズの一連の作品なんかはまさにフィルム・ノワールですよ。狂いまくってる。

で、翻ってこの『深夜復讐便』。フィルム・ノワールであります。

父親の復讐というプロットはあるものの、リンゴの売買ってのはちょっとあまりに身近すぎて緊張感に欠けるなぁとはじめは思ってました。トラックでサンフランシスコまでリンゴを届けるくだりも、ニトロをつんで突っ走ったかの『恐怖の報酬』に比べればほんの子供だまし程度・・・。

ところが、ニックが市場についてからが俄然面白かった(トラック輸送をめぐるトラブルがメインではなくて、本番もここからだったのだが)。売買の駆け引きや、ワケありの女リカ(ヴァレンティナ・コルテーゼ)とのやり取りも面白く、リンゴ代金をめぐる二転三転もよく出来ている。ニックは、おいおいってくらい馬鹿正直というかひねりが無かったりするものの、ラストのフィグリアとの対決シーンでのキレぶりに狂気があってなかなか良い(表情変えずに手の骨を砕くあたりね)。

また、遅れてサンフランシスコをめざすニックの相棒エドのトラックにチンケな同業者二人組みがハイエナのようにくっついているのがおかしいが、結局事故って爆発炎上するトラックの背景で大量のリンゴが崖を転がり落ちる映像はシュールで異常で◎。

全体的に小粒で地味な作品であることは間違いないが、かなり上位のB級フィルム・ノワール。満足できる作品でした。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ジュールス・ダッシン
製作:ロバート・バスラー
製作総指揮:ダリル・F・ザナック
原作・脚本:A・I・ベゼリデス
撮影:ノーバート・ブロダイン
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:リチャード・コンテ/ヴァレンティナ・コルテーゼ
   リー・J・コッブ/バーバラ・ローレンス
   ジャック・オーキー /ミラード・ミッチェル
   ジョセフ・ペヴニー/モリス・カルノフスキー
   タマラ・シェイン

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深夜復讐便深夜復讐便
(2008/07/04)
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#0188『麦秋』小津安二郎監督 1951年日本

麦秋
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間宮家は、父周吉(菅井一郎)、母しげ(東山千栄子)、長男康一(笠智衆)夫婦とまだ幼い二人の息子、長女紀子(原節子)の三世代7人暮らし。紀子は大企業の専務秘書として働く28才。適齢期にもかかわらず家族の心配をよそに結婚には全く興味がない様子。友達と楽しく毎日を過ごしています。ある日、専務から彼の知人との縁談を持ちかけられたことを契機に、彼女の結婚に対する家族の期待が盛り上がっていきますが。。

原節子の美しさ(必ずしも美人ではないと思うのですけれど、ほんとに”美しい”という感じ)は相変わらずで満足。北鎌倉駅に立つ紀子の後姿なんかため息が出ますね。笠智衆も・・・と思ったら、なんと髪が黒い。顔も張りがあるし。声としゃべり方でようやく笠智衆だとわかる始末。2年後の『東京物語』ではよぼよぼでしたよね。調べてみると、『麦秋』の時が47歳、『東京物語』が49歳。よ・49歳??ですか。で、あの老人ぶりですか。驚きました。。。筋金入りの役者ですねぇ。

小津体験二本目ですが、あいかわらず訴えかけてくるものが普通というか微妙というか、乏しいボキャブラリーで表現するのは難しいのですが、ずいぶん「平凡」なテーマ設定なのだなぁという風に感じてきました。今回は、適齢期の娘の結婚をめぐる家族の期待と不安。節子本人の決心。娘の結婚で迎える家族のひとつの時代の終わり。どこの家庭にも普通に起こることです。

娘の結婚というイベントをめぐって家族一人一人に起きる感情の変化とかが、なんか身近に良くわかるというか。義姉は心配するだろうなぁと思えばするし、兄康一は怒るだろうなぁと思えば案の定怒るし、母しげはしょげるだろうと思えばしょげる。そういう意味では、なんのドラマチックさもありません。

そうであるにもかかわらず、この満足感はどこから来るのだろう。妙に納得できるんですよね。日本人の心の襞にぴったりと触れてくる感じ。私の年代(この作品のときの笠智衆と同い年)は、この作品の背景や家族関係、人情の機微にまだまだ懐かしさを感じることのできる年代です。今の若い人たちの目にはどう映るんだろうなぁ。

ちなみに、今回の家族も前回の『東京物語』の家族も、いい生活をしています。1951年というと現実にはまだまだ戦後の貧しい次期だと思いますが、今の時代と変わらない生活水準にあるように見えます。とはいえ、子供たちの格好とか見てると決して特別なブルジョワではなくごく普通の身なり。小津監督は意図的に貧しさを描かないようにしてるんですね。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督: 小津安二郎
製作: 山本武
脚本: 野田高梧/小津安二郎
撮影: 厚田雄春
美術: 浜田辰雄
衣裳: 斎藤耐三
編集: 浜村義康
音楽: 伊藤宣二
 
出演: 原節子/笠智衆
    淡島千景/三宅邦子
    菅井一郎/東山千栄子
    杉村春子/二本柳寛/佐野周二

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麦秋麦秋
(2007/08/20)
原節子笠智衆

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#0187『戦争と平和(4部作)』セルゲイ・ボンダルチュク監督 1965-67年ソ連

戦争と平和
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そうか、もう二年前になるんだなぁ。学生時代にオールナイト4本立てなどで長時間映画館にいたことはあります。が、この『戦争と平和』は4部作とはいえ、内容は完全に連続している1本の作品。1作品7時間というのははじめての経験でした。当時も映像の素晴しさにかなり感動して、必死に文章にしようとした努力の跡が伺えます・笑。映像に意識を集中してもう一回観たいなぁ。DVDは持ってるんですが、7時間かぁ。。。

以下、転載文

ネタバレです。ご注意ください。

「これはすごい・・・」と思わず声が出た。

それほどすばらしい映画体験だった。

ナショナルフィルムセンターの”ロシア・ソヴィエト映画祭”。セルゲイ・ボンダルチュク監督の『戦争と平和四部作一挙上映。合計7時間5分。

心も、頭も、目も、腰も、大いにシビれた。

当日、フィルムセンターには余裕を持って1時間前に到着する。平日なので大丈夫だろうと思っていたが、到着してみるとなんと見たこともないほどの長蛇の列。上映待ちの人たちがロビーに収まらず、地下まで延々行列が伸びている。

上映30分前に来た人は、席がなかったようなので1時間の余裕を見ておいて良かった。お客さんは圧倒的にシルバーの方が多い。あちこちで「昔の映画は・・・・とか「昔の女優は・・・」と言った会話が聞こえてきて、少しおかしくなる。

「7時間ですから、がんばらないとね」などと隣のおばあさんと話しながら一緒に並ぶ。ひとしきり待って館内に入場、やや後ろより真ん中あたりの結構いいポジションに席を確保することができた。

作品は、トルストイ原作のあまりにも有名な大河ドラマ。過去にアヴェル・ガンスやキング・ヴィダーが映画化している。今回は本家本元ソヴィエトが国の威信をかけて製作した大作である。監督のボンダルチュクは、脚本や俳優としても活躍した人で、本作でも主人公ピエールとして4部作全編に出演する。

舞台は19世紀初頭のロシア。

ナポレオン率いるフランスとロシアとの激しい戦争を物語の土台に、主人公ピエールの魂の成長が描かれる。主人公ピエールはトルストイ自身の分身でもあるらしい。先進的な思想を持っているが、内向的で面白みのない人物である。

ロストフ家の令嬢ナターシャ(リュドミラ・サベリーエワ)に想いを抱いているが、友人アンドレイ(ヴャチェスラフ・チーホノフ)と愛し合う彼女の後見役に納まる人の良さ。自分はというと、事の成り行きで悪妻を娶った挙句、男友達との仲を疑って決闘を申し込むものの、土壇場でしり込みしてしまうほど肝が小さい。ナターシャとアンドレイの仲が破局したときも、彼女に対して遠まわしに自分の想いをほのめかすことしかできなかった。

ピエールは、そういう自分の行き方と決別するためにフランス軍とロシア軍が激突するボルジノの戦場をさまよう。そして、フランス軍の侵攻で陥落したモスクワで祖国ロシアのために戦う中で覚醒を遂げる。

ピエールをめぐる人間ドラマが「戦争と平和」の魅力であることは間違いないが、この映画で一番すばらしいのはそのドラマを映し出す映像である。特に戦争をめぐる映像は息を呑むほどすごい。

”神の視線”を思わせる上空からの俯瞰ショット。ずらりと並ぶ大砲から一斉に発射される砲弾。着弾と共に吹き飛ぶ土砂と白煙。炎に包まれた地面に影を映しながらたなびく黒煙。その仲を疾走する騎馬を真下から見せるショット。

などなどあげるときりがない。しかも、激しい戦闘シーンを撮るカメラは水平に固定されていない。斜めに傾き、上下にゆれる画面に飲み込まれて、自分も戦場にいるような錯覚を覚えるほどのリアリティと迫力がある。

また、それ以外(平和のとき)の映像でも、少女時代のナターシャが豪華な舞踏会場を駆け回るシーンの可憐さ、アンドレイが妻を亡くした悲しみから立ち直るときに樫の木を下から見上げるショットなど、美しく存在感のある映像が次々とスクリーンに映し出される。

最近、DVDなどが普及して映画はいつでもどこでも、何度でも見直すことができるようになってきた。もちろん便利で良いことには違いない。

でも、映画館に出かけて素晴らしい映像で綴られる素晴らしいドラマを、一回限りじっくりと楽しむ。こういうことがやっぱり映画の醍醐味だなぁと、当たり前のことに改めて感動した一日だった。

ちょっと映画館通いをしてしまいそうな予感がする。


いやー、映画ってホントにいいもんだ★★★★★

<スタッフ&キャスト>
監督:セルゲイ・ボンダルチュク
製作:セルゲイ・ボンダルチュク
原作:L・N・トルストイ
脚本:セルゲイ・ボンダルチュク/ワシリー・ソロビヨフ
撮影:アナトリー・ペトリッキー
音楽:ヴァチェスラフ・オフチンニコフ
出演:リュドミラ・サベリーエワ/セルゲイ・ボンダルチュク
   ヴャチェスラフ・チーホノフ/アナスタシャ・ヴェルティンスカヤ
   アントニーナ・シュラーノワ/イリーナ・スコブツェワ

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戦争と平和戦争と平和
(2003/07/11)
リュドミラ・サベリーエワ

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テーマ : クラシック映画
ジャンル : 映画

#0186『ロープ』アルフレッド・ヒッチコック監督 1948年アメリカ

ロープ
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ネタバレ気味ですのでご注意ください。


ブランドン(ジョン・ドール)とフィリップ(ファーリー・グレンジャー)の二人は、自らの優秀性を証明するために、昔の寮仲間デイヴィッド(ディック・ホーガン)を絞殺。その死体をチェストに隠し、それを食卓としてパーティーを開く。招待客は死んだデイヴィッドにゆかりの人たちばかり。パーティが始まり、団欒を愉しむメンバーだが、徐々にその場にいないデイヴィッドに関する疑問が膨らんでいき・・・。

ヒッチコック映画の中でも異彩を放つ超長回し映画。どのくらい長いかと言うと、当時の撮影キャメラの限界である 10分間を一気撮り。それゆえTMT(Ten Minute Take)と呼ばれています。しかも、フィルム交換の間をうまく工夫して全編1時間20分をワンカットであるかのように撮影するという前代未聞の作品になっています。最近、リアルタイムを売り物にした「24」が話題を呼びましたが、約60年前にそれよりもはるかにリアルタイムな作品を作っていたということで、やはり瞠目すべき作品だといえます。

そういう仕掛けの映画ですからストーリー展開には限界があるわけですが、冒頭の殺人以外は登場人物8人の会話だけで総てが進行します。実にうまくストーリー構成されており、たとえばパーティにやってくる招待客の到着順。かつての寮仲間ケネス(ダグラス・ディック)→デイヴィッドの婚約者ジャネット(ジョアン・チャンドラー)→デイヴィッドの父ケントリー氏(セドリック・ハードウィック)と叔母→最後に、洞察力にすぐれた元寮監ルーパート(ジェームズ・スチュワート)。殺人事件を隠し通すことで自らの優秀性を証明したい二人にとって、徐々にプレッシャーが増していく到着順になっています。イコール観客にとっても一人到着するごとにサスペンスフルになってくるわけで、自信家ブランドンがスリルを高めるためにわざと招待した切れ者ルーパートの登場により舞台は完成。このあたりの持って行き方はさすが。

また、会話が重なるうちに唯一パーティ会場にいないデイヴィッドの存在感が徐々に増していく描写や、死体が隠されているチェストの上の食器などがメイドによって徐々に片付けられていくシーンなど、制限のある中で良くこれだけのことができるものだと、ヒッチコックの技にやっぱり今回も深く感心してしまうのです。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:シドニー・バーンスタイン/アルフレッド・ヒッチコック
原作:パトリック・ハミルトン
脚本:アーサー・ローレンツ
潤色:ヒューム・クローニン
撮影:ジョセフ・ヴァレンタイン/ウィリアム・V・スコール
音楽:レオ・F・フォーブステイン
 
出演:ジェームズ・スチュワート
   ファーリー・グレンジャー
   ジョン・ドール
   セドリック・ハードウィック
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(2006/12/14)
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ジャンル : 映画

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