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#0215『純喫茶磯辺』吉田恵輔監督 2008年日本



解説

女子高生の娘と暮らす中年のダメ親父が、ふと思い立って喫茶店を開業。そんな父娘と店に集う面々がおりなす人間模様を描いた、話題のコメディ。宮迫博之、仲里依紗ら競演! 解説 いまどき純喫茶なんてダサい看板を掲げる店に、はたして客が来るの? と不安げな娘の心配をよそに、なぜか風変わりな連中ばかりが店に集まって、不思議な人間模様をおりなしていく様子を、のほほんとしたタッチで魅力的に活写。宮迫博之が愛すべきダメ親父をハマリ役で好演するほか、その娘役を人気急上昇中の仲里依紗、またコスプレ風の衣装で愛嬌を振りまく天然キャラのバイト店員を麻生久美子がキュートに演じるのも見もの。

ストーリー

女子高生の娘・咲子と2人暮らしの生活を送る、中年のダメ親父の磯辺裕次郎。8年前、妻に逃げられて以来、無気力な日々を過ごしていた裕次郎だったが、父の急死で転がり込んできた遺産を元手に、一念発起して喫茶店を開業することを決意。やむなく咲子も店を手伝うことになるが、案の定、客足はさっぱり。ところがバイトに採用した美人の素子にコスプレ風の衣装を着せたのが功を奏して、彼女目当てに店に通う常連客が増えて…。

感想~適度にあいまいなハッピーストーリー~

ネタばれしてますのでご注意ください。

最近、日本映画の近作を見る機会が増えました。昨年のアカデミー賞で『おくりびと』が外国語映画賞を受賞して話題になったりしましたが、ひところからするとずいぶん面白い映画が増えたように思います。

この作品もいろいろ話題になりましたね。吉田恵輔監督の作品は初めてですが、すでに監督3作品目。昨年のヴェネチア映画祭コンペ部門に唯一エントリーの塚本慎也監督の下で『六月の蛇』『ヴィタール』の照明を勤めていたそうです。

デビュー作の『なま夏』は、夕張国際ファンタスティック映画祭の”ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門グランプリ作品”。二作目の『机のなかみ』も評判がいいようですね。現代的な人間関係を映画の中で操作するのがうまいようです。

さて、その吉田監督の第3作『純喫茶磯辺』。この映画は、”喫茶店を開いたくらいで、人生が変わるとはおもわなかった。。”というキャッチからも読み取れるように、父と娘の絆の回復とか、磯辺と素子のすれちがう恋とか、そういう磯部を中心とした人間関係を描いています。

しかし、この物語の人間関係は意図的に”ぼかされている”ようで、”あれだよ”とか”なんすか?”など、今時良く使われる意味がわかるようでわからない日本語を象徴的にばら撒いています。他にも、居酒屋の客がことごとく”とりあえずビール”と連発するように、主体的な意思のない様子を強調してるようなのです。

父と娘の関係にしても、映画的ドラマチックなぶつかり合いと和解のようなものがあるわけでもなく、”人生変わった”といえるような出来事ってこの程度のことなの?と感じてしまうのです。

しかし、それこそ現代の人間関係の典型なのかもしれないなぁと、見終わってふと感じました。何事にもはっきりしたポジションをととらず、劇的な人間同士のぶつかり合いもなく、なんとなく気持ちの良い方向に物事は流れていく。

娘咲子のために自分を偽って身を引いた素子は、特にそれを引きずることもなく、磯部との別れの直後に他の男性と幸せな出会いをする。そもそも、北海道の実家に帰るというイベントが磯辺との別れの理由だったはずだったのに、うっかりミスで北海道には帰れず、結局磯辺と同じ街にいながら他の男性と出会い、結婚するでもなく同棲して妊娠してしまうのです。咲子との再開シーン(ちなみにこのシーンの素子の登場の仕方がおもしろい)でも、互いに思いはありながら突っ込んだ話をするでもなく、あいまいな距離感のまま別れていく。それはしこりにも、後悔にもならずすっきりと二人の関係にピリオドを打っていくのです。そのときに彼女が持っていた、ばかげた大きさのどら焼きがそういう人間関係のシンボルみたいでおかしいのです。

結局、現代的な人間関係ってあいまいさの中に存在しているのだなぁ。互いに傷つけあうような衝突や、そこからの感動の再生のようなものって、実生活の中だけではなくてもはや映画の中においても”イケてない”のかもしれないなぁ。そんな風に感じられました。

でも、自分のこととして振り返ると、確かに、熱い人間関係ばっかり望んでいるわけじゃない。ちょうどいいくらいのゆるーくて、気持ちのいい関係が楽だったりする。やっぱり今の時代ってそういう時代なのかもしれないですねぇ。そう考えるとこの映画はきわめて現代的な家族ドラマであり、恋愛ドラマであり、人間ドラマであるのかもしれなません。そう思ってしまう次第なのでした。

ちなみに、この映画を見たきっかけは1にも2にも麻生久美子。『キャシャーン』のあんまりしゃべらないヒロインを演じていたときにちょっといいなぁと思っていたのですが、そのときは不覚にも佐藤江里子と間違えておりました。その後、UNICLOのヒートテックのコマーシャルとか、時効警察とか、で極めつけがショートフィルム『Slow is beautiful』の冒頭シーン。。。大好きです。いろんな役柄を演じることができる印象的な女優さんですね。

【作品情報】
『純喫茶磯辺』 2008年日本 113分

<スタッフ&キャスト>
監督:吉田恵輔
プロデューサー:武部由実子、渡辺和昌
企画・プロデュース:小出健
脚本:吉田恵輔
撮影:村上拓
編集:吉田恵輔
音楽:CKB-Annex
音楽プロデューサー:横山剣、荻野知明
テーマ曲:クレイジーケンバンド『男の滑走路』
スタイリスト:小林純子
照明:山田真也
録音:湯脇房雄

出演:宮迫博之、仲里依紗、濱田マリ、近藤春菜、ダンカン小沢、和田聰宏、ミッキー・カーチス、斎藤洋介、伊藤明賢、田島ゆみか、悠木碧、明楽哲典、堀越のり、三島ゆたか、踊り子あり、あべこうじ、麻生久美子

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