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#0053『私は告白する』アルフレッド・ヒッチコック監督 1953年アメリカ

私は告白する
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監督: アルフレッド・ヒッチコック
製作: バーバラ・ケオン
原作: ポール・アンセルメ
脚本: ウィリアム・アーチボルド/ジョージ・タボリ
撮影: ロバート・バークス
音楽: ディミトリ・ティオムキン/レイ・ハインドーフ
出演: モンゴメリー・クリフト/アン・バクスター
    カール・マルデン/O・E・ハッセ
    ドリー・ハス/ブライアン・エイハーン
    チャールズ・アンドレ

※オールド・ムービー・パラダイスからの転載記事です

【ネタバレ気味です。ご注意!】

教会の使用人ケラーは、金銭トラブルからビレットを殺害。恩人であるローガン神父にその顛末を懺悔します。ケラーが僧衣をまとって殺人を行ったことから警察の捜査はローガンの身辺に及びますが、実はローガン自身レビットとは因縁浅からぬ間柄。アリバイを証明することができないために殺人容疑者として裁かれることになるローガンですが、カトリックの戒律により懺悔で聞いた話は絶対に他言できません。真犯人を知っていながらそれを告げることができないまま、裁判は進み・・・。

く・・・暗い。ケベック州の重苦しい町並みに重厚な教会の建物。そして何よりモンゴメリー・クリフトの演技。デビュー作の”赤い河”ではジョン・ウェイン相手に火の出るような殴り合いを見せてくれたモンゴメリー・クリフトですが、本作ではとにかく直立不動。歩いても話してもまっ四角という感じで終始一貫表情すら変わりません。カトリックの神父という役柄もあるのでしょうが、ヒッチコック映画の中でも異例の暗さじゃないかと思います。しかもヒッチコックらしいユーモアもない(冒頭の道路標識くらいかな)のでかなり重苦しい雰囲気。

その、モンゴメリー・クリフト扮するローガン神父ですが、殺人犯の濡れ衣を着せられるという状況にもかかわらず、とにかくしゃべりません。「沈黙により深まるサスペンス」というんでしょうか。見ているこちらは、果たして彼は真相をしゃべるのか、もししゃべらないのならどうやってこの危機を脱するのか、その一点に意識が集中します。映画の中に他にアソビがない分集中も高まります。ラストは書けませんが、「そうきたか」と言う感じでふぅっとためていた吐息が漏れてしまいました。

今まで観てきたヒッチコック作品では、巻き込まれた主人公は、とにかくそれから逃げよう、もしくは反撃しようとするわけですが、ローガン神父の場合巻き込まれた事件そのものにかなり深く関わっています。しかも、それは同時に大切な人を守ることにもなっているわけで、こうなってくると戒律が理由で黙っているのか、大切な人を守るために黙っているのか、それとも罪の意識からなのか、いくつもの見方が頭をよぎります。

この映画、賛否両論かなり幅のある作品のようで、モンゴメリー・クリフトの硬い演技に不満を唱えるレビューもかなりあるようです。が、このまったく愛想のない神父が頑なに口を噤むからこそ、さまざまな複線が生き想像が膨らむわけで、そういう意味ではモンゴメリー・クリフトは鬼気迫る名演・・・・なのかもしれません。

彼については、同性愛とかアルコール中毒であったとか、後の事故と顔面麻痺の件などどうもネガティブな話題が頭に入っているので、ちょっと割引き気味に観てしまうのですが、どちらにしてもこの映画はモンゴメリー・クリフトの映画であることは間違いなさそうです。

相手役のアン・バクスターには今ひとつ入り込めませんでした。”見知らぬ乗客”のルース・ローマンを見たときも感じたのですが、なんか役柄にそぐわない違和感を感じます。いい女優さんだと思うんですけどね。グレイス・ケリーやティッピ・ヘドレン、エヴァ・マリー・セイントなどのような作品を引っ張る存在感が感じられません。

ルース・ローマンとアン・バクスターに共通するのは・・・製作会社から押し付けられた女優さんということ。ヒッチコック監督やる気なくしちゃうんでしょうか(笑)。もともとは、ブロンドのスウェーデン女優を使いたかったようですが、イングリッド・バーグマンのロッセリーニ事件があったために製作会社からキャンセルされてしまったそうです。アン・バクスターをブロンドにしちゃったのはその腹いせですかね(笑)★★★★☆

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