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#0171『探偵物語』ウィリアム・ワイラー監督 1951年アメリカ

探偵物語
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ネタバレ!内容を知りたくない人は読まないほうが無難です。

シドニー・キングスレー原作による舞台劇の映画化。舞台劇の映画化といえば、最近観たものでは”カルト~”の方に感想を載せた『デストラップ・死の罠』などがありましたが、場所が限定されているため、うまく作ると非常に密度の濃い面白い作品になるようです。

今回の『探偵物語』もその一例で、ニューヨーク21分署の刑事部屋を舞台とした刑事と犯罪者たちの一日の出来事。カメラはほとんどそこから出ることはありません。刑事部屋には万引き女や会社の金を横領した青年、強盗コンビなどさまざまな面々が連行されてきて、それを捌く刑事たちも実に個性的。それぞれの犯人と刑事たちにドラマがあって、同時並行するわけですが、カンヌ映画祭女優賞を獲得した万引き女役のリー・グラントや、クレイジーな強盗役ジョセフ・ワイズマン(個人的にはチャーリー&ルイスの強盗コンビがイタク気に入りました)、息子を戦争でなくしたベテラン刑事役ウィリアム・ベンディックスなどの演技が秀逸。しかも、彼らの演技が狭い刑事部屋の中でもつれ合うように進行するので観ていて面白いことこの上ない。それぞれの犯人たちがわざとらしく絡んだりすることはありませんが、あっちの犯人がこっちのやり取りを眺めていたり、そういうちょっとしたところの工夫が刑事部屋のリアリティを高めています。

その中に主人公の刑事ジョージ・マクラウド(カーク・ダグラス)がいるわけですが、彼は妻を愛し子どもを望む良き夫でありながら、一切の罪を頑なに許さない鬼刑事。マクラウドが現在追っているのは、もぐりの堕胎医カール・シュナイダー。彼は自分の農場で密かに堕胎手術を行っており、手術の失敗が原因で患者を死なせてしまっています。犯罪者に対する憎悪をみなぎらせて執拗に追求するマクラウドですが、シュナイダーはなかなか尻尾を出さず、ついマクラウドはシュナイダーに暴行を加え病院送りにしてしまいます。

マクラウドが罪を許せないのは、自分の父が犯罪者でありそれが原因でやさしかった母親が死んでしまったから。「犯罪者は臭いがする」と言います。同時に扱っている横領犯の青年に対しても、同僚刑事(ベンディックス)が良かれと思って口をきき、被害者が告訴を取り下げることに同意し、駆けつけた幼馴染(キャシー・オドネル)が泣いてすがってもマクラウドは許しません。

そういう、マクラウドの性格をうまく見せながら、物語の後半でその矛先が愛する妻(エリノア・パーカー)に向かっていく様は観ていて思わず嘆息してしまいます。この映画は、犯罪者と刑事でごったがえす刑事部屋の一日を描きながら、実はジョージ・マクラウドという一人の男の心の葛藤とその決着をテーマにしてるんですね。

彼の妻には重大な過去の過ちがあり、それが現在の事件に関係しているわけですが、妻を深く愛しながらもやはり過ち(犯罪ではないものの)を頑なに許せないマクラウドが哀れです。しかも、彼は父をめぐるトラウマが原因で、その過酷さが理不尽だと自覚していながらどうしてもそこから脱することが出来ない、心の地獄を味わっているわけです。自分が最も憎み消して許さないと思ってきた父親と同じ、人としての寛容さのかけらもない人間だと、こともあろうに一番愛していた妻から指摘されて心の地獄にどっぶりと頭まで浸かってしまった彼がその後とった行動は・・・。覚悟の上だったんでしょうね。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督・製作:ウィリアム・ワイラー
原作:シドニー・キングスレー
脚本:フィリップ・ヨーダン/ロバート・ワイラー
撮影:リー・ガームス
出演:カーク・ダグラス/エリノア・パーカー
    リー・グラント/ウィリアム・ベンディックス
    キャシー・オドネル/バート・フリード
    ジョージ・マクレディ/ジョセフ・ワイズマン
    グラディス・ジョージ/フランク・フェイレン
    ルイス・ヴァン・ルーテン/クレイグ・ヒル
    ホレイス・マクマホン

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