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#0081『恐怖の報酬』アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督 1953年フランス

恐怖の報酬
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監督: アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
原作: ジョルジュ・アルノー
脚本: アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
撮影: アルマン・ティラール
音楽: ジョルジュ・オーリック

出演: イヴ・モンタン/ シャルル・ヴァネル/ペーター・ヴァン・アイク/フォルコ・ルリ/ヴェラ・クルーゾー

詳しい作品情報はこちら
    ⇒allcinema
    ⇒IMDb(英語)



ネタバレ気味です。

2時間半に及ぶ長時間作品にもかかわらず、緊張の連続であっというまに時間が過ぎてしまった。 こういう”体感型サスペンス”(変な言い方だけど)映画もフランス人がつくるとずいぶん趣が違うもんだなぁと感心した。

前半のつくりがとっても重要ですね。

舞台は、メキシコに近いうらぶれた町。 主人公のマリオ(イブ・モンタン)たちはこの町に流れ着いたよそ者。金も希望もない。 町を出たいが、そのためには稼がなければならない。 しかし、町に仕事はない。

「入る事は簡単だが、出ることはできない監獄のような町」

とマリオが言うとおり。まさに吹き溜まりである。 出て行きたくてもなすすべもない男たちは酒場にたむろし、亭主ともめたり、痰を吐き散らしたり、犬に石を投げつけたりする。 中米あたりの酷い暑さと男たちのイライラがスクリーンに充満してむせ返りそうな気分になる。

オープニングのひもに結び付けられた虫のショットは、この町にからめとられてあがく男たちの暗示であったかと妙に納得したりする。 この町の閉塞感がひとつの大事な要素であることは間違いない。

そういう町にジョー(シャルル・ヴァネル)という男が現れる。実はタクシー代も払えないくらい素寒貧で、早い話が他の煮詰まった男たちとなんら変わりはない。だが、どこか大物の風情で、同じパリ出身ということもあり、あっという間にマリオと意気投合する。

それまで、炊事に洗濯にと甲斐甲斐しくマリオの世話をしていたルイージ( フォルコ・ルリ)は、当然のごとく面白くない。ジョーのことが気に入らない。このあたり、男同士の三角関係が微妙である。

ルイージとジョーは酒場でついに正面から対決するが、ジョーの貫禄勝ち。ここで、マリオとジョー、ルイージを中心 とする人間関係が定義される。大物のジョー、崇拝者のマリオ。ジョーに屈したルイージ。この人間関係が二つ目の重要要素か。

前半の1時間にわたる丁寧な作りこみで、町の閉塞感と人間関係が鮮明になり、同じくテーマがはっきりしてくる。すなわち、このどん詰まりの町から脱出できるかどうか。 つまり、抜き差しならないほど行き詰ってしまった人生から、果たして脱出することは可能なのかということである。

で、その脱出のためのツールとして後半提供されるのがボロトラックによるニトロ運搬。できすぎでしょう。

どん詰まりから脱出するための危険極まりない賭け。当然、マリオたちは命を賭ける。その賭け方はそもそも半端じゃない。しかもその上、いかにも頼りになりそうだったジョーが実は腰抜けだったため、マリオのテンパリ方は尋常じゃない。あとはもう、、、サスペンスの洪水。お見事。

石油の沼でのマリオの鬼気迫る顔とか、立小便仲間に入れてもらえないジョーの哀れさとか、忘れられないなあ。マリオ、ジョー、ルイージそれぞれがたどる運命はいかにもフランス映画っぽくて、やっぱりこういうのがフランス流の決着のつけ方なのだなぁと妙に納得してしまった。

★★★★★

恐怖の報酬
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micchiiさん、こんばんは。前半は過不足なくこれだけ必要ですね。なぜ彼らがあれほどの危険な仕事を引き受けたのか、前半でぐつぐつと煮詰まっていく様子が忘れられません。結局、人生のどん詰まりから逃れ得た人間は一人もいなかったのですが、そのあたりがまたフランス映画らしくて良いです。

前半の素晴らしさ

普通のサスペンス映画を考えると、この前半は長過ぎなんですが、この映画に関してはこれだけ必要ですし、前半をこれだけ丁寧に描いているからこその後半の緊迫感ですよね。
ニトロを1滴たらすところも憎いぐらい巧いですね。
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