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#0079『ハードエイト』ポール・トーマス・アンダーソン監督 1996年アメリカ

ハード・エイト

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監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
製作:ロバート・ジョーンズ/ジョン・ライオンズ
製作総指揮:フランソワ・デュプラ/キース・サンプルズ
撮影:ロバート・エルスウィット
音楽ジョン・ブライオン/マイケル・ペン
出演:フィリップ・ベイカー・ホール/ジョン・C・ライリー
    グウィネス・パルトロー/サミュエル・L・ジャクソン
    フィリップ・シーモア・ホフマン/メローラ・ウォルターズ
    F・ウィリアム・パーカー/ナサナエル・クーパー
    ウィン・ホワイト

1997年『ブギーナイツ』 アカデミー脚本賞ノミネート
1999年『マグノリア』 ベルリン国際映画祭金熊賞 
2002年『パンチドランク・ラブ』(カンヌ映画祭監督賞受賞、パルムドールノミネート)
と、着々と名作をものしている、P.T.アンダーソン監督のデビュー作はこの『ハードエイト』。最近あまり名前を聞かないがどうしているかと調べてみると、『パンチドランク・ラブ』のあとテレビとビデオで一本ずつ作ったのみでしたが、新作『There Will Be Blood』が完成したとのことですね。米国公開は今年の11月だそうです。

さて、この作品、フィリップ・ベイカー・ホール演じる謎の老ギャンブラーと彼に救われる一組の男女ジョン・C・ライリー、グイネス・パルトロウ)、怪しげなチンピラ(サミュエル・L・ジャクソン)の4人の物語。

母親の葬儀代を稼ぐためにラスベガスにやってきたジョン(ジョン・C・ライリー)は、有り金総てを失ってカフェの前にうずくまっているところを老ギャンブラー・シドニー(フィリップ・ベイカー・ホール)に拾われる。

ちなみに、冒頭このカフェのシーンから映画は始まるが、カフェの正面が映ると、まず画面上部の黄色い看板に目がいく。左から画面いっぱいの長さの大型トラックが画面を横切って、トラックのコンテナの高さに目線が移る。そして、コンテナが画面右に通り過ぎていくと、その目線の高さに入り口横でうずくまるジョンが見える。ほぼ同時に手前から近づいていくシドニーの下半身の映像が映し出される。実ははじめからジョンは入り口横にうずくまっているのだが、巧く目線をそらせるのでトラックが通り過ぎたときに、どこからともなくジョンが現れ出てきたように見える。腕のいいマジシャンにスパッと決められたような感じで、ワンカットで映されるこのシドニーとジョンの出会いのシーンはかなり気に入っている。

なぜか親切にジョンの世話をするシドニーは、彼にギャンブルを教え込む。二年後、一人前のギャンブラーに成長したジョン。彼は宿泊しているホテルのウェイトレス・クレメンタイン(パルトロウ)と親しくなるが、じきに彼らは深刻なトラブルに見舞われ、再びシドニーに救われる。ジョンに我が子同然の愛情を注ぐシドニーだが、それには人に言えない理由があった。カジノで警備員を務めていたジミー(サミュエル・L・ジャクソン)がその秘密をかぎつけるのだが。。。

シドニー役のフィリップ・ベイカー・ホールが圧倒的な存在感。ほとんど映画の始まりから最後まで、彼の演技だけに注目していたと言っても良いくらい。かなり多作の脇役俳優でP.T.アンダーソン作品では常連らしい。皺の深く刻み込まれた顔といい低い声といい、実に渋い。渋すぎる。いつもきちんとスーツを着た老ギャンブラーはまさにはまり役で、下ネタすら嫌う潔癖さと、若者の挑発に乗ってクラップス(サイコロ賭博)の一振りに2000ドルをかける激しさが同居する、筋目の正しい老人役を好演している。

親身になって世話をするジョンとの関係が危うくなったときにシドニーが見せる激しさとそれまでの彼の姿とのギャップに驚かされた。正直なところ、シドニーとジョンの関係はどこに落ち着くのか、というよりも映画としてどこに落ち着かせようがあるのか途中でちょっと不安になったのだが、観客が予想もしないほどのインパクトで一気に片をつけてしまった感じ。決して悪くない。26歳のデビュー作としては十分すぎるほどのクオリティだと思う。

その他映像面で気がついたのは、アンダーソン監督、カフェのテーブル上の様子にずいぶん気を使っているらしいということ。シドニーとジョンが出会うカフェのテーブル上は二人が去った後、コーヒーカップとかフォークなどがきれいにシンメトリー(左右対称)に置かれている。しばらくこのショットを映しているので、ちょっとアピールしたいらしい。シドニーとクレメンタインが話をするテーブル上は、食べかけのピザやコーヒー、灰皿などをできるだけリアルに見せようとしており、こちらはひとつひとつのクローズアップが入る。こういう細部にこだわる監督は、映画全体も緻密に丁寧に作りそうでとても好感が持てる。アンダーソン監督のその他の作品もぜひ観てみたい。★★★★☆

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Whitedogさん、ありがとうございます。

>昔の映画、どれを観ようかな?というときに色々と参考にさせていただいてます。
光栄です。ありがとうございます。『アフリカの女王』、単純に面白かったでしょ?ボギーがいい味ですよね。同じくジョン・ヒューストンの『黄金』もお勧めです。
PTアンダーソンのDVD、実はうちにほとんどあるんですよね。近々観てみたいと思います。
クリックありがとうございました。こちらも毎日押しに行きます^^。

No title

TBとコメントありがとうございました。
以前からRSSで拝見させていただいてました。昔の映画、どれを観ようかな?というときに色々と参考にさせていただいてます。「アフリカの女王」の記事があったので、観てみました。拍手したくなるほどうまくことが運ぶので(ストーリーが分かりやすいといった方がいいのでしょうか?)、おもしろかったです。
PTAの監督作品、1作ごとに雰囲気が違うのでおもしろいと思います。2本は長尺の群像劇なのでお時間のあるときにどうぞ。
こちらからもTBさせていただきました。
応援クリックして失礼します。今後ともよろしくお願いいたします。
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