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#0090『嵐が丘』吉田喜重監督 1988年日本

嵐が丘 デラックス版
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前回の記事『蜘蛛巣城』で少し触れた、吉田喜重監督『嵐が丘』の記事を”カルトでも~”から転載しておきます。『蜘蛛巣城』の完成された妖しさにはずいぶん興奮しましたが、この作品も序盤の雰囲気は負けていないと思います。松田優作田中裕子の狂気の演技も見ごたえ十分でした、重ね重ねがい骨が残念・・・(こだわりすぎなのか)。

以下転載文。

エミリー・ブロンテ原作の『嵐が丘』を、日本の鎌倉時代に舞台を移した吉田喜重監督初の時代劇。吉田監督は28年間この構想を暖めていたそうだ。

映画全体にいかにも日本的な陰々とした雰囲気が充満していてかなり好み。富士の太郎坊で撮影されたというロケの場面は、画面に火山灰の丘の斜めのラインをうまく映し込んでおり、さびしい荒野の不安な感じがすばらしい。また、精巧な館のセット内のシーンでは、柱や梁で垂直水平に画面を区切るショットが多く、明暗のコントラストも鮮やかにキリッと引き締まった感じがして、映像に関する吉田監督のこだわりが伝わってくる。

主演の二人の演技について、吉田監督は「狂気がある。その狂気を増幅するように演出した。」と語っているが、松田優作の般若のような激しさや、田中裕子の能面のような妖しさが映像の暗さと見事にマッチして、一種独特の吉田ワールドに触れるだけでも一見の価値があるかもしれない。

ストーリーは、ワイラー版がキャシーの死で実質的に物語を終えているのに対して、こちらはむしろ絹(田中裕子)が死んでからが本番。絹や兄秀丸の子供たちの代まで含めて三代にわたる狂った愛憎の物語となっている。

また、ワイラー版では、キャシーの意思でヒースクリフを捨てエドガーを選んだのだがその心模様がわかりにくかった。吉田版では、主人公絹の家は山の神に仕え、大蛇神事を司る山部一族と言う設定で、そもそも絹に鬼丸(松田優作)と結婚する自由はない。一族の女性のさだめに従って都で巫女になるよりは、同じ地の分家に嫁いで鬼丸と遠く離れ離れにならずに済む道を選んだということでストーリーとしては因果がわかりやすい。

ウィリアム・ワイラー版には今ひとつ満足できなかったのだが、本作品の映像・演技・ストーリーにはまずまず満足。概ね気に入っていた。にほんブログ村 映画ブログへ

ところが、後半どうしても我慢できない部分がある。

絹の安っぽい骸骨は見せなければいけなかったのか。これを見た瞬間に、スーッと映画から気持ちが離れていくのがわかった。これだけ作品全体に能にも通ずるような幽玄な雰囲気を作り上げてきたのに、なぜ見るからに作り物とわかるちゃちな小細工を入れ込まなければいけなかったのかさっぱりわからない。

その後、松田優作の演じる鬼丸はどんどん狂気を増していき、ラストに向かって盛り上がっていくのだが、映画が盛り上がるほどに”どうせ作り物”という意識のギャップが大きくなって鑑賞熱が冷めてしまった感じ。冷めてくるとストーリーの粗も目立つ。悪循環だ・・・。

ワイラー版と比べても遜色ない出来で、ことヒースクリフ=鬼丸の”狂気”という点では吉田版の方が素晴らしいと個人的には思う。それだけに、あの骸骨だけが残念。ヒッチコックの大失敗作”山羊座の元に”のアボリジニの乾し首を思い出してしまった★★★☆☆

<スタッフ&キャスト>
監督:吉田喜重/製作:高丘季昭
プロデューサー:山口一信/企画:高丘季昭
原作:エミリー・ブロンテ「嵐が丘
脚本:吉田喜重/撮影:林淳一郎
美術:村木与四郎/衣裳:山田玲子
編集:白江隆夫/音楽:武満徹
助監督:中島俊彦
出演:松田優作/田中裕子/名高達郎/石田えり
    萩原流行/伊東景衣子/志垣太郎/今福将雄
    高部知子/古尾谷雅人/三國連太郎


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そうですねぇ

実は、吉田監督の作品はこれしか観ていないのですが、画作りは結構巧いんじゃないかと思うんですよね。しかし、作品全体として見るとどうも・・・。そう意味で才能不足とおっしゃっているのがあたっているのかもしれません。

論理に先走り諭される。。。イメージできてしまっておかしいですね・笑

 FROSTさん・・・今日は。
うーーーん。映画少年の場合吉田喜重監督作品で印象に残っている映画はない。
彼も大監督?だが名作として残る作品はないですね。
「秋津温泉」(62)は藤原審爾の小説に助けられて岡田茉莉子嬢を美しく撮ってはいたが・・・。
松竹の監督の忘年会で小津監督が若く論理に先走る吉田監督を・・・諭しているシーンを思い出している。才能不足は否めないと云うところか・・・。
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