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#0099『ヒストリー・オブ・バイオレンス』デヴィッド・クローネンバーグ監督 2005年アメリカ/カナダ

ヒストリーオブバイオレンス

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『椿三十郎』の予定なんですが、またぞろあまり納得できる文章がかけてないのと、川越名画座100号の記事を『椿三十郎』にしたいなということで、その後に観た『ヒストリー・オブ・バイオレンス』の記事を先にアップします。

ネタバレご注意!

クローネンバーグ監督の最近作。夫婦の愛・家族の絆が試される物語。夫の隠された過去を目の前につきつけられた妻は、それでも夫を愛し続けることができるのか?

と、こう書くとドラマなどにはありがちで、現実にも耳にすることがあるレベルのお話。。。ですが、そこはそれ、我らがクローネンバーグ監督ですから。一筋縄ではいきません。

田舎町でダイナーを営むトム(ヴィゴ・モーテンセン)と弁護士エディ(マリア・ベロ)の仲睦まじい夫婦。ある日、凶悪武装強盗二人組がトムの店に押し入ってくるが、なんとトムはこれを瞬殺。一躍マスコミの寵児となる。しかし、この事件をきっかけに、昔の彼を知るフォガティ(エド・ハリス)という男が現れ、次第にトムの過去が暴かれていく。。。

"夫の過去"ったって、浮気や借金程度のありきたりなのじゃありません。店ではエプロン姿でコーヒーを出し、家では愛する女房とコスチュームプレイで盛り上がる罪のない男、トムの正体は。。

フィラデルフィア・マフィアの大物で、かつ、熟練の殺し屋。

普通の場合、実は暴力夫だったなんていうことはあっても、夫の過去にまつわって死体が九つも転がることはまずありません。なんと極端な話。この作品は、もともとがコミック原作と言うことですが、「夫婦の絆と大量殺戮」なんて、普通では絶対交わらないようなことを、平気で一所に押し込んで物語にしてしまうところがクローネンバーグ監督の面白いところでしょうか。

そういえば、先日見た『クラッシュ』も。交通事故とセックス・・・普通ない。『クラッシュ』は、人間として壊れかけのスーパーフェチな人々の話でしたが、今回は、過去はともかく現在はまったく普通のアメリカン・ファミリー。まっとうな人たちの話。思えば、クローネンバーグ監督の作品は、内臓チックなSFホラーから幻覚の世界、アブノーマルな人たちの世界を経て、ついに"普通の人たち"の世界が舞台になってきたわけですね。

中盤以降は、愛と暴力どっちが主なのかすでにわかなくなってきますが、元殺し屋の善良な夫トムの姿にまつわって、ずっと一種の緊張感が漂っているのがこの映画の魅力。それは、羊の皮をかぶったオオカミがどこで皮を脱ぐのかという期待感。息子を盾に取られたトムが、同行を強要するフォガティに、「帰るなら今だぞ・・」と低い声で恫喝するシーンは、その期待感が満たされる幸せな瞬間でした。

ヴィゴ・モーテンセンという俳優さんは、熱心なファンの方も多いようですが、その羊の皮を脱ぐ瞬間を見事に演じていてうまいですね。ことさらに大袈裟な表情や演技をするわけでもありませんが「あ、切り替わったな!」という瞬間がはっきりわかる。フォガティ役のエド・ハリスとか。黒幕のウィリアム・ハートとか強烈な脇役に負けることなく熱演でした。

暴力面の話ばかりになりましたが、夫婦愛の描写もクローネンバーグらしい。特に階段でのセックスシーンは崖っぷちの夫婦愛の描き方として、なるほどねえと納得。

結末を明らかにしないラストシーンは、ちょっと作品の趣旨にそぐわないんじゃなかろうかとも思いますが、エディがはずさずにずっとつけていた結婚指輪が印象的でありました。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
製作:クリス・ベンダー/デヴィッド・クローネンバーグ/J・C・スピンク
製作総指揮:ケント・オルターマン/ケイル・ボイター/ジョシュ・ブラウン
         ジャスティス・グリーン/ロジャー・カス/トビー・エメリッヒ
原作:ジョン・ワグナー/ヴィンス・ロック
脚本:ジョシュ・オルソン
撮影:ピーター・サシツキー/プロダクションデザイン:キャロル・スピア
衣装デザイン:デニース・クローネンバーグ
編集:ロナルド・サンダース
音楽:ハワード・ショア
出演:ヴィゴ・モーテンセン/マリア・ベロエド・ハリス/ウィリアム・ハート
    アシュトン・ホームズ/ハイディ・ヘイズ/ピーター・マクニール
    スティーヴン・マクハティ/グレッグ・ブリック

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ヒストリー・オブ・バイオレンスヒストリー・オブ・バイオレンス
(2006/09/08)
ヴィゴ・モーテンセン、エド・ハリス 他

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豆酢さん

館長、ご無沙汰にもかかわらずありがとうございます。確かトロント映画祭で話題になってたんでしたっけ<ヴィゴ+クロネンの次回作。
ヴィゴ・モーテンセンは、フィルモグラフィを確認してみると何度も目撃しているはずなのですが記憶がなく(^^;)、意識してみたのはこれが初めてでした。良い役者さんですよね。狂気の演じ分けがうまい役者さんは好きです。
ラストは、クローネンバーグにありがちと・・なるほど。この作品、コミック(グラフィックノベルって言うんですね)原作なりの、”夫婦愛の行方はいったいどうなのよ”ということにまつわってかなりデフォルメされたストーリーなので、決着もはっきりつけた方が良かったんじゃないかなと思った次第です。大体結婚指輪と家族の食卓を見れば結末に解釈の余地はなさそうですしね。
実は、DVDストックリストをびゅんとスクロールしてたまたま引き当てて鑑賞した作品だったんですが、かなり面白かったと思います。

おおお!きましたか!

ご無沙汰しております、豆酢です。
FROSTさんの評価が高かったので、うれしさのあまりTBを試みてみました(笑)。
クローネンバーグの次の作品にもヴィゴが登板しますが、彼のあくまで自然な演技が、監督のお気に召しておられるのだと思います。個人的には、ヴィゴとクローネンバーグの蜜月がずっと続くといいなあとか思ってしまいます。

結末に関しては賛否両論あると思いますが、クローネンバーグなら、ああいうラストだろうなあと納得できるんですよね。フラストレーションは溜まりますが(笑)、監督の過去の作品では割と曖昧な幕切れが多いのです。どうとでもとれる、というオチを好むタイプらしいですよ(笑)。
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