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#0100『椿三十郎』黒澤明監督 1962年日本

椿三十郎

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森田芳光監督のリメイク版『椿三十郎』が公開中ですね。そちらはまだ公式サイトの予告編しか見てません。リメイク話を聞いた時に「織田裕二が椿三十郎???」という感じだったのですが、若侍たちの隠れる床板を踏んでニヤついてる表情なんかは結構サマになってますね。でも、最新作に疎い川越名画座ですので、この記事は当然オリジナルの黒澤版。リメイク版はDVDになるまで楽しみに取っておきますか。

肩をグリグリッと回すところも、人を切ったらそそくさと刀を納めて帰ってしまうところも『用心棒』と同じ。「桑畑」から「椿」に名前が変わっても三十郎は三十郎。「もうそろそろ四十郎ですが」という間抜けなボケも健在。このキャラ好きなんだなぁ。たまらん。のですが・・。

藩の不正を告発しようとする血気盛んな青年武士たちを、いきがかりで手助けすることになってしまった三十郎。不正に絡んで誘拐監禁された城代家老の救出をめぐり、偶然隣同士の屋敷に陣取った、黒幕・次席家老黒藤一派と頭脳戦を繰り広げます。

ごく素直に『用心棒』の続編だとばっかり思っていたのですが、主人公が三十郎であるという以外に物語としての共通点はないらしく、時代設定からして大幅に違うのだそうです。東宝からの続編依頼と、黒澤監督が執筆していた山本周五郎の「日々平安」をもとにした脚本が落ち着くところに落ち着いて(この辺の経緯は、ウィキペディア参照)、三十郎を主人公とした別の物語が出来上がったということのようですね。

今回『用心棒』と『椿三十郎』を続けて観て改めて感じたのですが、三十郎の大きさが違う。これ客観的な事実に基づいた話をしているわけではなくて、観終えた後、”桑畑三十郎”は遠景で捉えられているイメージが印象に残り、”椿三十郎”はアップのイメージが印象に残っているということなのです。

『用心棒』では、宿場を騒がす博徒一味の対立を、たまたま通りすがった三十郎が外側から引っ掻き回すわけですが、前の記事にも書いたとおり舞台設定・人物設定・ストーリーの巧みさの中に絶妙に三十郎の魅力が位置づいている印象でした。その魅力は、知略・豪胆・剣の腕・人情。に加えてなんとも言えない、お茶目ぶり。

『椿三十郎』ではその辺のバランスが微妙に変わったような気がします。確かに敵が隣にいるという舞台設定は面白い。宿敵室戸半兵衛(仲代達也)を初めとして、いわゆる”茶室の三悪人”とか押入れ侍、城代家老陸田一家などの人物設定も魅力的。それにストーリーも凝りに凝って素晴らしいのですが、どうもその全部が椿三十郎その人を盛り立てることを目的に配置されているような気がするのです。このあたりの違いが、どうも印象に残った三十郎の大きさの違いの原因ではないかと思います。

これって、実は続編の一般的なありようかなとも思うんですね。第一作で好評だった主人公は続編ではよりわかりやすくデフォルメされることが多い。三十郎の知略縦横ぶり、居合いの腕の冴え、それになんだかんだ言いながら人助けをしないと気がすまない人情深い性格。そのあたりは『椿三十郎』でははるかにわかりやすく強調されていると思います。

若侍たちに「ありゃ、化け物だぞ」と言わせた三十郎の強さを最も魅力的に見せるための宿敵の存在もやはりパワーアップ。『用心棒』では、丑寅一家随一の切れ者卯之助として途中参戦した仲代達也が、今作では悪の大目付菊井の懐刀・室戸半兵衛としてフル出場。触れなば切れん鋭い刃の風情で、三十郎の好敵手として大いにドラマを盛り上げてくれます。

『用心棒』の時とは違い、対立する片方の中心人物にしっかり位置づいた三十郎と、敵方の中心人物室戸半兵衛の対決がかの有名なラストシーンまで集約していくつくりは、三十郎の強さを堪能するには、実に素晴らしく、間違いなく傑作中の傑作。

でも、『用心棒』の時の、なんだか正体のわからない胡散臭い感じや、やることなすこと楽しくてしょうがない、いたずらっ子のような三十郎の茶目っ気は、若干控えめになってしまったような気がするんですね。そのあたりが大のお気に入りだったので、それだけがすこーし寂しい感じ。ごく個人的な感想ですけどね。

森田監督は、リメイクをオリジナルに忠実なストーリーに仕上げたそうですが、賢明だったんじゃないかと思いますね。『用心棒』から『椿三十郎』で三十郎のキャラは十分練り上げられていますから、ここからさらに続編的なつくりにしていたら、ほぼ間違いなくその辺に転がっている”駄”続編の一つに成り下がっていたのではないかと思います。森田版も楽しみにしたいと思います。★★★★★

<スタッフ&キャスト>
監督:黒澤明
製作:田中友幸/菊島隆三
原作:山本周五郎『日々平安』
脚本:菊島隆三/小国英雄/黒澤明
撮影:小泉福造/斎藤孝雄
美術:村木与四郎
音楽:佐藤勝

出演:三船敏郎/仲代達矢/小林桂樹
    加山雄三/団令子/志村喬
    藤原釜足/入江たか子/清水将夫
    伊藤雄之助/久保明/太刀川寛
    土屋嘉男/田中邦衛/江原達怡
    平田昭彦/小川虎之助/堺左千夫
    堤康久/山田彰/松井鍵三
    樋口年子/波里達彦/佐田豊
    清水元/山口博義/広瀬正一
    大友伸/大橋史典/峯丘ひろみ
    河美智子/爪生登喜/伊藤実
    宇留多耕司

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(2007/11/09)
三船敏郎;仲代達矢;加山雄三;団令子;志村喬;田中邦衛

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ジャンル : 映画

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オカピーさん、あけましておめでとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
私も、『用心棒』派です。善悪がはっきりしているよりも、何か正体不明の胡散臭い感じの方に惹かれるということもあります。
そう言えば、中代達也をはじめ、ほかの人物も大きく写ってましたね。なるほど。
リメイクはストーリーをとっても、どの登場人物をとっても、これを越えるのは至難でしょうね。それを承知で取り組んだ森田監督に一種の潔さを感じてしまうのですが。

新年明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

TBの代わりに忍びの術を使いました。^^

>三十郎の大きさ
驚きましたねえ。
私も全く同じことを感じました。三十郎(だけではないのですが)の性格をより強調するためにフルショット以上の撮影が増えたのではないかと思いますね。
基本的にFROSTさんと同じ考えです。

なお、お話に直接の関連がないとは言え、どうしても二番煎じの部分もありますから、やはり最初の「用心棒」のほうがお気に入りです。

>リメイク
同じ脚本でもオリジナルの出来が良いとリメイクはつらい。演出と役者が格段に落ちた「サイコ」の失敗例もありますから。やはり良い映画は良い脚本だけではできないということがよく解りました。

ぱんだうさぎさん

こんばんは。超ウルトラスーパーデラックスハイパーコンピュータ大変でしたね・笑。ぶろぐ村もやめちゃったわけではないようで安心しました。”戦友”のお帰りをお待ちしてます^^。
椿リメイク三十郎ですが、前にどこかで森田監督が「黒澤版を越えられるとは思っていない。リメイクすることで、名作もまた注目されるということに意味がある」と言うようなことを言っていて、うーむとリメイクの意義について考え込んだりしているのです。森田監督も映画作家である以上、当然それだけのためにリメイクしたわけではないと思いますが、ひとつの貴重な考え方だなと。織田くんも予想外に健闘しているようなので、結構楽しみにしてるんですよね^^

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こんばんは ごぶさたしておりました♪
仕事と併用のパソコンが一時調子悪かった為、ぶろぐ村さんの方はお休みしました。
ソフトの相性の問題らしいのですが、年寄りにはパソコンは難しいです。笑 
もちろん、ぶろぐ村さんの問題ではなくあくまでボロなマイパソコンの問題です。笑
「用心棒」「椿三十郎」、作品としてどちらが優れてるかはわかりませんが、
私もより図式のわかりやすく明るい「椿三十郎」の方が好きですねぇ。
小川を椿が流れてくる画は何度見てもいいですね。。(^∀^)
新作は未見ですが、世界のミフネと比べられたら織田くんもかわいそうかも。。。
観る時は、私も暴挙に怒ることなく、温かい目で観ようと思います。笑
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