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#0101『哀愁』マーヴィン・ルロイ監督 1940年アメリカ

哀愁

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ヴィヴィアン・リーは、かなりのファンです。そして一番のお気に入りは、アカデミー賞を受賞した『風と共に去りぬ』ではなくて、この『哀愁』なんですね。勝気で運命を切り開いていく強いヴィヴィアンよりも、運命に翻弄されて滅んでいく儚い彼女の方が心に残りました。

中学くらいの白黒映画なんか気にも留めたことがなかった頃、なにをどう思ったものか深夜に民放で放送していた『哀愁』をビデオ録画して、そのまま興味がないので半年くらいほったらかしてあったんですよね。ところが、なんの気なしに見始めたところ、あっという間に引きずり込まれて、もう後はマイラの不幸と共に涙ボロボロ。一番観て泣いた映画かもしれません。

この記事は、2年前、2005年の大晦日にオールド・ムービー・パラダイス!に掲載したものです。今見てみると、それだけ感動した映画にも関わらず、結構簡単に書いてあるなと言う感じですね。再見が必要なようですな。

以下、転載文
    
ネタバレ注意

第一次大戦下、公演でロンドンを訪れているバレリーナのマイラ。空襲を逃れて避難した防空壕で陸軍大尉ロイと親しくなり恋に落ちる。ロイの休暇はわずか二日間。その間に結婚しようとする二人だが、わずかなタイミングで式をあげることができず、ロイは緊急召集により前線へと呼び戻されていく。

バレエの公演よりロイとの別れの時間を優先したマイラはバレエ団を解雇され、彼女をかばって同じく解雇された親友キティとともに新しい生活を送ろうとする。しかし、仕事は見つからず、苦しい生活を続ける彼女の元にロイ戦死の報せが届くが・・・。

10年ぶりで観ました。何回目でしょう。さすがにこの映画は主要なシーンとか台詞をよく覚えていました。隅々まで覚えているといってもいいくらい。わかっていてもやっぱり感動するんですよね。いい映画です。

マイラ役のヴィヴィアン・リーはこのとき27歳。前年の39年には『風と共に去りぬ』で、スカーレット・オハラを演じてアカデミー主演女優賞を受賞。ローレンス・オリヴィエとの熱愛さなかでもあり、彼女の絶頂期といえます。幸せそうに笑う表情や不幸のどん底で涙する表情など、とにかく感情表現が豊かですばらしい。ラスト近くの橋の上で魂の抜け殻のようにたたずむ彼女が、徐々にある決意に向かっていくときの表情の変化は必見。

前回レビューの『アンナ・カレニナ』のヒロイン・アンナと同じくマイラも罪の意識にさいなまれて悲劇の運命をたどるわけですが、アンナの場合はあくまで自分の意思でとった行動に対する罪悪感。ほかの選択肢もあったのではないかと思います。

一方マイラの場合は、もちろん自分の意思もあるのですが、本人がいかんともし難い運命のいたずらによって追い詰められていきます。それだけに、幸せを求める気持ちと罪悪感のはざ間で葛藤するマイラの姿は悲しい。ついにロイの母親に真実を告白してロイの元を去っていく、その姿を観ている側も彼女の心情にシンクロして涙してしまうわけです。ああかなし。ああかなし。

ロイを演ずるのはロバート・テイラー。甘い二枚目ぶりがお金持ちの坊ちゃんにぴったりですね。このロイ・クローニン大尉、とにかく自分の感情にストレートで鈍感でのんき。マイラがどれだけ苦しんでいてもまったく気づかず一人舞い上がっているところが観ていてやきもきするわけですが、こののんきさとの対比でヴィヴィアン・リーの迫真の演技がより冴えわたるかと思えばそれもまた良しです。

ということで、★はもちろん5つ★★★★★

<スタッフ&キャスト>
監督: マーヴィン・ルロイ
製作: シドニー・フランクリン
    マーヴィン・ルロイ
原作: ロバート・E・シャーウッド
脚本: S・N・バーマン
    ハンス・ラモウ
    ジョージ・フローシェル
撮影: ジョセフ・ルッテンバーグ
音楽: ハーバート・ストサート
出演: ヴィヴィアン・リー
    ロバート・テイラー
    マリア・オースペンスカヤ
    ルシル・ワトソン
    ヴァージニア・フィールド
    レオ・G・キャロル

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(2006/12/14)
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