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ソイレント・グリーン
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この映画も1973年ですよね。ちょうど一人で映画を見始めたころで、いろんな予告編に自然と目が行くころでした。上のポスターの絵がまさにそれなんですけど、この作品の予告編が暴動を起こした群衆を鎮圧部隊がショベルで”駆除"するシーンで、ものすごく怖かった覚えがあるんですよ。背筋がゾゾ〜〜っとする感じ。結局予告編だけを怖がって、本編は見逃していたのですが、実に35年を経てようやく鑑賞することができました。

いやー、地味なSF。今のCG全盛時代にこれを「SF映画です」って言ったら怒られそうなほど地味。いかにもSFらしい特撮もほとんど目に付きません。

ストーリーにしても映像にしても非常にシンプル。ですが、当時子供心にわけもわからず怖かった、その原因はわかりました。 

たとえば、ショッキング・ホラーとかでおどろな殺人鬼が出てきて、登場人物を理由もなく惨殺する。これも確かに怖いんですが、それでも殺される人は人間として、少なくとも生き物として殺される。だって、殺人鬼もそこらに転がってる岩とかに襲いかかったりしませんから。

でも、ショベルでかき集められる人たちは、土くれとかこわれた冷蔵庫とか、ビニール袋に入った生ごみとかとまるで同じ。男だろうが女だろうが、幸せだろうが不幸だろうが、友達たくさんだろうが一人ぼっちだろうが、病気だろうが元気だろうが、そんなのまったく関係なし。生きている人間が、ただ機械的に無機的に処理されていくのってかなり怖い。

他にも”HOME”の安楽死プログラムとか、”家具”って呼ばれてる高級住宅付属の美女とか(今女性をこんな扱いしたら、いくら映画でも大問題ですよね。”生む機械”どころじゃない)。それからもちろんソイレント・グリーン(緑色で四角い板みたいな加工食品ね)の××とか。

とにかく、テッテーして非人間的なのがこの映画のすごいところ。人口爆発により人間があふれかえっている未来世界が舞台。人間の数が増えれば増えるほど社会は非人間的になっていく。その事実はやはり不気味であります。エンディングに、”HOME”で安楽死させるときのきれいな風景画像が写りますが、あれはきっと笑顔の係員が、瀕死のソーン(チャールトン・ヘストン)を安楽死させているシーンに違いない。

我が愛するエドワード・G・ロビンソンの遺作でもありました★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:リチャード・フライシャー
製作:ウォルター・セルツァー
ラッセル・サッチャー
原作:ハリー・ハリソン
脚本:スタンリー・R・グリーンバーグ
撮影:リチャード・H・クライン
音楽:フレッド・マイロー
出演:チャールトン・ヘストン
    エドワード・G・ロビンソン
    リー・テイラー=ヤング
    チャック・コナーズ
    ジョセフ・コットン
    ブロック・ピータース
    ポーラ・ケリー

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