#0120『間諜最後の日』アルフレッド・ヒッチコック監督 1936年イギリス

”Secret Agent”
2006年1月にアップした記事です。ヒッチコックイギリス時代のスパイ映画。サマセット・モームの原作でしたか。ほとんど内容に関する記述がないのですが、今振り返ってもストーリーとかあまり記憶にないんですよね。ヒッチコックらしいサスペンスシーンは結構あったような覚えがありますが。。。
以下、転載文。
第一次大戦下、ドイツとアラブの接近を阻止するため、敵スパイ暗殺指令を受けたブロディ。腕利き保険調査員“アシェンデン”として助手”モンテズマ将軍”とともにスイスに向かうが、ターゲットについての具体的情報は何もない。もう一人の女スパイエルサと合流して調査を続け、何とか探し出したターゲットを登山に連れ出して始末する。ところがこれは人違いであり関係のない民間人を殺してしまったことが判明する。
ヒッチコック作品は、事件にまったく関係のない民間人がちょっとしたきっかけで巻き込まれるパターンが多く、本物のプロのスパイを主人公にするのは結構珍しい。
主役のアシェンデンを演じているジョン・ギールグッドは、イギリスで主に舞台を中心に活躍した俳優。『炎のランナー』の校長やってた人ですね。本作のころはまだ30歳そこそこですが絵に描いたような二枚目。このころはすでにシェイクスピア劇で高い評価を得ており、同じ36年には「ハムレット」の名演がありました。
調べてみるとギールグッドは、エミー賞(TV)、グラミー賞(音楽)、アカデミー賞(映画)、トニー賞(演劇・ミュージカル)のすべてを受賞した数少ない俳優の一人でした。プロデューサーや作曲家なども含めて今までに9人しかいない4冠受賞で、その中にはオードリー・ヘップバーンやバーブラ・ストライサンド(合計16回受賞!)、ライザ・ミネリ、ウーピー・ゴールドバーグなどの名前が見えますが、純粋に役者として4賞を受賞したのは彼を含めて3名ほどしかいないようです。
4年後にハリウッドに渡ったヒッチコックは、アメリカ社会におけるサスペンス映画の地位の低さに悩まされ、一流の俳優から出演を断られて四苦八苦することになりますが、1930年代のイギリスではすでにかなりの地位を得ていたのでしょうか。若いヒッチコック監督がギールグッドのような舞台の一流役者を起用できたことに感心しました。
そしてお気に入りのピーター・ローレですが、今回はアシェンデンの助手、怪人“モンテズマ将軍”。別名”ハゲのメキシコ人”。ショートアフロ(パンチパーマ?)にドーランを塗って変な英語をしゃべります。女と見ると誰でも口説く軽いノリですが、実は暗殺などのダーティな仕事を一手に引き受ける凄腕スパイ。にわかスパイのアシェンデンをリードして任務遂行を助けます。
もともと、芸達者で作品ごとにまったく異なる雰囲気を漂わせるピーター・ローレですが、今回の役柄はひときわ愉快でした。軽くおどけた表情の合間に時々見せる、凄みの効いた暗殺者の顔が絶品。
この作品、多少ストーリーの盛り上がり感に欠けるのですが、ギールグッドとローレの名演技に大いに助けられているなと感じました。(ラストシーンのローレの扱いはあんまりだ)。ということで、★★★☆☆
<スタッフ&キャスト>
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:サマセット・モーム
脚本:チャールズ・ベネット
撮影:バーナード・ノールズ
音楽:ルイス・レヴィ
出演:ジョン・ギールグッド
パーシー・マーモント
ピーター・ローレ
マデリーン・キャロル
ロバート・ヤング
リリー・パルマー
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