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#0004『戦艦ポチョムキン』セルゲイ・エイゼンシュテイン監督 1925年ソ連

Battleship Potemkin
”BRONENOSETS POTYOMKIN”にほんブログ村 映画ブログへ

監督:セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
原作:ニーナ=アガジャーノ・シュトコ
脚本:セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
撮影:エドゥアルド・ティッセ
音楽:ウラディミール・クリュコフ
出演:アレクサンドル・アントノーフ
   グリゴリー・アレクサンドロフ
   ウラジミール・バルスキー

詳しい作品情報はこちら
    ⇒戦艦ポチョムキン(1925) - goo 映画
    ⇒戦艦ポチョムキン@映画生活
    ⇒IMDb(英語)


ネタバレあり

さて、とにもかくにもサイレント映画を観ようという気分になり、最初に取り上げるのはやはりこの作品『戦艦ポチョムキン』。不朽の名作にして映画の教科書ですねぇ。「映画って何?」という探究心を持った人は必ず一度は観ている名作ではないでしょうか。(って私は今回はじめてですけど・o・)。

いまさら解説なんかする余地ありません。★★★★★です。モンタージュがどうのとか、オデッサの階段のシークェンスがどうのとか、私ごときの受け売りよりも、巷に優れた記事がたくさんありますのでご参考にしてください。以上。。。。にほんブログ村 映画ブログへ

とはいえ、それだけでは終われないので、まだ観ていない方向けにちょっとだけご紹介すると、、、、

革命前夜のロシア、戦艦ポチョムキン号の乗組員たちは劣悪な食事をきっかけに不満が爆発。暴動を起こし士官を制圧して艦を占拠する。しかし、暴動の主導者ワクリンチュクは銃撃にあって死亡。その亡骸はオデッサの港に安置され、その志と勇気をたたえる市民たちの長い列が出来る。やがて、ワクリンチュクの勇気は葬送にやってきた市民たちにも伝播。市民たちは革命に立ち上がり、艦と街は固い絆で結ばれる。集まったオデッサ市民が艦を歓迎する中、突然政府軍兵士の一団が群衆の鎮圧に乗り出し、オデッサの階段は阿鼻叫喚の地獄と化す。それに対し、ポチョムキンの主砲が轟然と火を噴き政府施設を崩壊させる・・・。

この作品はロシア革命の宣伝のために作られた映画なんですねぇ。1905年の第一次ロシア革命20周年記念映画。実際の歴史では、1905年に起きたポチョムキン号の反乱は政府艦隊によって制圧され成功しませんでした。しかし、作られたのが1917年の革命の後と言うことで、大々的なプロパガンダのために史実とは正反対のストーリーが作られたようです。

そういうことなので、水兵と市民たちの雄姿、押さえつけようとする政府軍の悪逆非道ぶりを徹底的に印象付けることが重要らしく、そのためにエイゼンシュテインは”モンタージュ”という技法を駆使した。そういうことでいいのかな。

で、問題はこの大傑作を前にして私は何を感じたのかということですが、とにかく映像の力というものを感じましたよ。テッテー的に感じました。にほんブログ村 映画ブログへ

作品は全5章立てですが、ウジの湧いた肉をめぐって膨らんでいく乗組員たちの不満と怒りが爆発する”瞬間”を詳細に見せる第二章と、革命のお祭りムードから一転して政府軍兵士による大虐殺が起きる第4章(オデッサの階段)の映像は、特に腹に響いてくるものがあります。

艦上の士官と水兵たちの対立は、現実の政府と民衆の対立を模しているわけですが、尊大な表情のクローズアップが多い士官たちに対して、水兵たちはほとんどの場面で”群れ”で写されています。白い水兵帽をかぶっていますが、これが群れて動き回る姿が妙に印象的なんですよね。なんか、肉にたかって蠢いていた白い蛆虫にも重なるものがあって、いかにも”地を這う群衆”という感じ。

蛆の湧いた肉でつくったスープを拒否した水兵たちは甲板に集められて、司令官ゴリコフの登場。支配階級の権化がスープに満足したものは前に出ろと言います。すかさず前に出る士官たち、拒否する水兵たち。怒りを増していく司令官。にやにや笑う士官のアップ。業を煮やした司令官が衛兵を呼ぶ。武力を前にしてうなだれ言うことを聞くしかない水兵たち。それでも一部の者は頑なに拒否。このあたりどんどんカットが短くなっていきますよね。士官たち・水兵の群れ・甲板の全景がどんどん切り替わって、キリキリと緊張が高まってちょっと胸が苦しくなってきます・・・そして、ついに銃殺命令を発するゴリコフ。帆布を頭からかぶせられた反乱水兵たち。にほんブログ村 映画ブログへ

余談ですけど、”頭から布をかぶせられた複数の人間”の画って、妙にビザールなものがありませんか。その存在は間違いなく人間なのに、その人間性を完全に無視されて単なる肉の塊のように扱われてる、そんな感じ。布から出てる足がまたそう感じさせるんですかね。この前に見たジョニー・トー監督の『ブレイキング・ニュース』でもアパートから逃がされてくる人質たちが5~6人まとめてシーツかなんかかぶせられていて、それを観たときもおんなじような奇妙な見え方がしたんですよね・・・余談終わり。

射殺命令を出す士官のアップ、うなだれる水兵たち、恐怖のあまりひざから崩れる反乱水兵、そのとき神父が現れますが、これがまたいかにも俗悪な風貌で水兵たちの見方になど金輪際なりそうにない。神父役はエイゼンシュテイン監督本人らしいですね。神父の俗な顔のアップと手に持っている俗な十字架がギラギラ光るカットも追加、さらにサーベルをコツコツたたく士官の手、船首に彫られたライオンのレリーフ、、、そんな映像がどんどん切り替わって一触即発の雰囲気の中、徐々に顔を上げるワクリンチュクが叫びます「兄弟!誰を撃つ気だ!!!」

サイレントなんで音楽と字幕だけなんですけど、ここまでドキドキしましたねぇ。思わず姿勢が前のめりになりました。どんな画をどうつなぐと観客にどんなイメージをもたらすことが出来るのか。エイゼンシュテインは当然計算してやってるんでしょ?すごいですよね。驚きですよね。映画監督というのは本当にすごい人たちだ。

第4章のオデッサの階段はもっとすごい。もう、あんまり長々書きません(エッ?十分長いって?もうちょっと・・・^^;)。ものすごく有名なシーンなので(映画史上もっとも有名な6分間!)カットの内容には詳しく触れませんけど、この第4章って前半は艦と街が友好を築くシーンが実に平和的に描かれてるんですよね。市民が小さなヨットでポチョムキンの周りに集まって。手を振る姿、笑いかける姿。岸にいる市民もみんな楽しそうで、天気も良くて、手を振って。。。メガネをかけた教師風のおばさんとか、マルコメ君みたいな男の子と一緒に手を振るお母さんとか・・・。

「すると突然」・・・。字幕。
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次の瞬間、あたりは地獄となります。何の前触れも予感もなしにいきなり。この落差で観客はまず何がなんだかわからなくなりますよね。その後も、説明が与えられるような画は一つもありません。襲い掛かる兵士は決して顔が映ることがない。個人なんてどうでもいいんですね。非人間的な圧倒的暴力。襲撃する兵士たちと撃たれ逃げ惑う市民たちが同じカットに映る事もありません。唯一の例外は死にかけた子どもを抱えて抗議する母親だけ。みんなが逃げ降りる階段を逆行し、兵士たちの前にたどり着いた次の瞬間に射殺されてしまいます。倒れる彼女の上に兵士たちの影が映ってます。倒れる人、逃げる人、隠れる人、血だらけの男の子、乳母車、撃ち抜かれたメガネ。さらに整然と横一列で前進する兵士たち。。。。臨場感ですねぇ。臨場感。まるでその場にいるみたいな臨場感。映画館で観たいよ。

さすがに映画の歴史を作った作品だけのことはありました。前に見た『裁かるるジャンヌ』もクローズアップを駆使した心理描写が良かったけど、戦艦ポチョムキンも良かった。確かに見えないモノが見えた。映像だけでここまで出来るんだなぁ。ちょっとだけ書こうと思ったらえらい書いてしまいました。未見の方ぜひどうぞ。

(2007年3月オールド・ムービー・パラダイス掲載記事)

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戦艦ポチョムキン戦艦ポチョムキン
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ツバで・・笑

トムさん、コメントありがとうございます。永遠の名作をツバでくっつけてましたか・・笑。
アトラクションのモンタージュとはよく名づけたもので、サイレントであるにも関わらず、銃声と阿鼻叫喚の真っ只中にいるような感覚を経験しました。自分で最高の音声・効果音・音響を作りながら見てるんですよね。サイレント映画の凄さを体験した気がします。

お、お久しぶりです

sesiriaさん、どうもどうも。
鳥肌も立ちますよね。わかります。私は気が付いたら口開けて見ていました。こちらのブログでもぜひよろしくお願いします。

新ブログ開設おめでとうございます。

わたしも、この映画の基本は何度も記事のなかで紹介していますし、今後も紹介していきたいと思っています。
おっしゃるように
>不朽の名作にして映画の教科書
ですよね。
モスクワのボリショイ劇場の革命記念式典で試写が行われたそうですが、5巻目の編集が上映時間がきても間に合わず、4巻目の上映のぎりぎりまで、スタッフみんなでツバでくっつけていたそうです。
ラスト・シークェンスではボリショイ劇場管弦楽団のベートーベンの第九「歓喜の歌」の演奏だったそうで観客総立ちになっての大拍手だったそうです。
ポチョムキンの伝説はこの1925年の式典から始まったということです。
では、また。

オデッサの階段のシーンは鳥肌が立ちました。
凄いですね。彼がモンタージュ理論を確立したと言われていますが誠に今見ても、その迫力には圧倒されます。私も劇場で見たいと思いましたね。
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