
”THREE BUSINESSMEN ”
アレックス・コックス監督の『レポマン』は、なにかとんでもなく意味不明だったのだけれども、そのわからなさがカルトっぽくて、ちょっと忘れられない魅力がありました。今回の『スリー・ビジネスメン』ではアレックス・コックスは監督のほかに出演もしています。もともと役者としてもあちこちに出ているみたいですね。
出張で米国からリバプールにやってきたベニー(ミゲル・サンドヴァル)は、重い荷物を引きずってやっとのことでたどり着いたホテルで、同じく出張できている英国人フランク(アレックス・コックス)と出会います。
レストランで隣に腰掛けた二人は、待てども出てこない料理に業を煮やして調理場に向かいますが、なぜかそこは廃墟と化し誰もいません。何とか食事と酒にありつきたい二人は町に出ます。が、どこまで行っても食事はできず、おまけに迷子になってしまう・・・。
アレックス・コックスは相変わらずですが、こちらも初めてではありませんから、アレックス・コックスに対する間合いの取り方は多少心得ています。深く突っ込んではいけません。中距離でコックスが見せてくれるどたばたを、ちょっと心の余裕を持ちながら楽しむのが一番。
そうしてみると、この二人の珍道中はいかにも面白い。何事にも自分の主義主張を曲げず用意周到なフランクと大雑把で、勢いで物事に突っ走る結果オーライのベニー。イギリス人とアメリカ人を対比して皮肉ってるのか?などとコムツカシク考えちゃいけませんよ。
ただ晩飯が食べたいだけのフランクとベニーですが、いつの間にかリバプールからロッテルダム、香港へ。彼らがふと立ち寄った何件目かの店は、日本の新橋あたりのガード下風。結局ここでもすぐ閉店になって何も食べられないのですが、店から出てくると辺りの風景はいつの間にか東京になっていて、彼らの乗るタクシーもまごうことなき日本のタクシー。しかも、寝込んでしまった彼らがタクシーで到着したのは、真昼間のメキシコあたりの荒野の町・・・。
さすが、アレックス・コックス。今回もさっぱりなんだかわかりませんが、観客になんのことわりも説明もなくこれだけばっさり情景を切り替えてしまえるのは、やっぱり凄腕と言うんでしょうか。
前回の『レポマン』に続いてこの作品でも、60分少々の中編ながらわけのわからなさを存分に楽しませてくれたアレックス・コックス。なんか、あと引くんですよね。また今度他の作品も見てみます。★★★★☆
<スタッフ&キャスト>
監督:アレックス・コックス
製作:トッド・デイヴィス
脚本:トッド・デイヴィス
撮影:ロブ・トレジェンザ
音楽:プレイ・フォー・レイン
挿入歌:デボラ・ハリー
出演:アレックス・コックス/ミゲル・サンドヴァル
ボブ・ウィズダム/田口トモロヲ
永瀬正敏 /アンドリュー・スコフィールド
イザベル・アンプディア
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