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#0176『太陽の季節』古川卓巳監督 1956年日本

太陽の季節
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ネタバレあり


”太陽族”という流行を生み出した石原慎太郎原作による日活の問題作。この作品のヒット以降製作された「太陽族映画」が青少年に有害であるという議論が高まり、映倫設立のきっかけとなった作品でもあります。。

主演は、最近『寝ずの番』で死んだあとまでラインダンスを踊らされていた長門裕之と、後に長門夫人となった”日活の至宝”南田洋子。石原裕次郎が期待の大型新人としてスクリーン初出演しています。

主人公の津川竜哉(長門)は頭も切れスポーツ万能だが、本当にやりたいことを見つけられない高校生。知り合いのボクシングジムで伊豆(石原裕次郎)に打ち負かされたことからボクシングを始めます。ある日ボクシング仲間と街に出かけ、ナンパで知り合った英子(南田洋子)と付き合い始めます。お互いに、本当に人を愛したことのない不十分な人間同士だと認識しあいながら二人の交際は深まっていきます。いつまでも本気になれない竜哉ですが、英子の方は彼との交際を通して真剣に人を愛することを学び、竜哉に対しても自分に対する愛を求め始めます。やがて、竜哉はそんな英子が徐々に疎ましくなってきます。

主人公の竜哉のような若者を指す”アプレゲール(アプレ)”なんて言葉がありましたが、今や死語を通り越して影も形もありませんね。私の世代(40代半ば)だと聞いたことのある人もかなりいらっしゃると思います。手塚治虫の漫画なんかでも見かけましたね。懐かしい・笑

特に日本では、第二次大戦後の無軌道で道徳観のない若者たちを指して言った言葉で、大人たちがつくった価値観に納得できない、自分たちには何かができるはずだと思いながら、実際は何もできず無軌道に毎日を生きている、そういう感じでしょうか。

二人の会話で、「誰かが死んでもきっと泣かない」という竜哉に、「去年婚約者が交通事故で死んだけれど、一切涙を流さなかった」と英子が答えるシーンがあります。いかにも、アプレゲールな若者の会話ですが、先に本当の愛に目覚めた英子は、物語の終盤で結局竜哉の愛を確かめられなかったときにぼろぼろと涙を流します。一方、竜哉はラストシーン(何のシーンか書けないんですけど・・)でも結局一粒の涙も流さずに映画は終わります。

二人が共にアプレだった映画の前半では、ダンスパーティやヨット遊びなどそこで行われている事々はとてもおしゃれでスマートです。しかしそれは、楽しいことだけをして、うわべだけをつくろっているからおしゃれなのであって、英子が愛に目覚める後半は嫉妬や悩み・喧嘩など生々しく人間くさい出来事が増えてきます。竜哉が英子を疎んじて兄道久に5000円で売り渡してしまいますが、英子は道久が払った5000円をたたき返します。その金で竜哉はまた同じことをして英子が再び金を送り、都合4回同じことが行われます。「何回でも私はお金を払う」と言い切る英子には、確固たる竜哉への愛があってそこにはすでにアプレゲールのいい加減さはありません。

ラストシーンで英子のクローズアップが写ります。竜哉を責めているようにも見えますし、哀れんでいるようにも見えますね。じっと彼女を見つめて”お前らは何にもわかっていないんだ”と叫んで走り去る竜哉。大人になれない未熟な精神。なんとも言い表せない焦燥感。やり場のない怒り。そういう、若者を取り巻いていた時代の空気のようなものを、よくこれだけ見事に映像化したものだと感心してしまう一本でした。

ちなみに、新人石原裕次郎は端役ですが、周りの役者と比べて存在感が段違い(オーラが出てる)。軽薄なシーンには登場していないようで、大切に扱われていたようです。同年に撮られた姉妹編『狂った果実』では早くも主役。さもありなん。大物は最初から違います。★★★★★

<スタッフ&キャスト>
監督:古川卓巳
製作:水の江滝子
原作:石原慎太郎
脚本:古川卓巳
撮影:伊佐山三郎
美術:松山崇
編集:辻井正則
音楽:佐藤勝
助監督:山崎徳次郎
 
出演:長門裕之/三島耕
   清水将夫/坪内美詠子
   南田洋子/岡田真澄
   東谷暎子/佐野浅夫
   石原裕次郎/石原慎太郎


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