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舞台恐怖症
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夫を殺してしまったシャーロット(ディートリッヒ)は恋人のクーパー(リチャード・トッド)に助けを求める。彼女のために、ドレスをとりに行ったクーパーは現場を偽装している最中たまたま戻ったメイドに見つかり逃亡。殺人犯として警察に追われることになる。クーパーを匿う友人のイヴ(ジェーン・ワイマン)と父親は何とかクーパーの濡れ衣を晴らそうとシャーロットに接近するのだが・・・。

1950年にヒッチコックがイギリスで撮影したイギリス的推理ドラマ。トリュフォーには「ヒッチコックのキャリアの汚点」とまで酷評されてます(by「定本・映画術」)ヒッチコックも否定していません。理由は、ヒッチコックが最も嫌う”フーダニット(犯人探し)”の形式をとっていることと、悪役が全くなっていないということ。それともうひとつが冒頭のクーパーの回想シーンに関してですが、これは書くと本作を見る価値がなくなるくらい完全にネタバレしますので伏せておきます。

ということであまり評判のよろしくない作品ですが、個人的にはこの映画結構楽しめました。役者志望のイヴはメイドに化けてシャーロットに近づくわけですが、平行してクーパーを追う刑事スミスとも近しい関係になります。クーパーを追ってシャーロットの元を訪れたスミスに対して、ドリスになりすましているイヴが間一髪で正体を隠しおおせるくだりや、ラストシーンの劇場のオーケストラピットの暗闇で真相が明らかになっていくシーンではイヴとクーパーの目と手のクローズアップが劇的に真相と絡み合っており、ヒッチコック作品として十分見ごたえのあるつくりだったと思います。

私としては、この作品で一番楽しみにしていたのはマレーネ・ディートリッヒ。1901年生まれですからこの作品のときはすでに49歳で孫もいたんですよね。しかしとてもそんな年齢には見えない美しさにはただただ唖然。堂々たる悪女ぶりに拍手喝采です。クローズアップ、全身ショット、歌うシーンも複数有りヒッチコックとしてもかなり気を使って演出をしたのかと感じさせます。定本・映画術にはディートリッヒに関するコメントはないようですが、ヒッチコックが彼女をどう見ていたのか知りたいですねぇ。残念。
★★★☆☆

<スタッフ&キャスト>
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:アルフレッド・ヒッチコック
原作:セルウィン・ジェプソン
脚本:ウィットフィールド・クック
撮影:ウィルキー・クーパー
音楽:レイトン・ルーカス

出演:マレーネ・ディートリッヒ/ジェーン・ワイマン
   リチャード・トッド/アリステア・シム
   ケイ・ウォルシュ/パトリシア・ヒッチコック
   アンドレ・モレル

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(2006/12/14)
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