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■映画における音楽の問題はそれほど真剣に考えられてきたわけではない。音楽の分野では、映画音楽は一般の音楽作品に比べ自立性を欠いた、映像の添え物であるかのように考えられてきた。

■こうした通念に逆らって、音声と映像を本質的に対決させようとした実験としては、エイゼンシュテインとリムスキー・コルサコフによる『アレクサンドル・ネフスキー』(1938)と小林正樹と武満徹による『怪談』などがあげられる。

■前者はショットと音符の連なりを対応させ、そこにモンタージュ理論を適用せんとする試みであり、後者はまったく独立した秩序を持った音響と沈黙(間)が、映像以上に強い説話上の喚起力を持ちえた優れた例であったといえる。にほんブログ村 映画ブログへ

(四方田犬彦著「映画史への招待」より)
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