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キー・ラーゴ
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ちょいとネタバレ



舞台はフロリダ、キー・ラーゴのホテル。一夜のハリケーンに閉じ込められた悪党とヒーロー。悪党はやりたい放題。ヒーローは我慢に我慢。やりたい放題と我慢の振幅がだんだん大きくなって限界点を迎えたところでヒーローの大逆転。

そういうことです。悪党のボス、ジョニー・ロッコにエドワード・G・ロビンソン。ロッコの情婦クレア・トレヴァー。ホテル・ラーゴの主人ライオネル・バリモア、その娘ローレン・バコール、そしてバコールの戦死した夫の戦友であり、ロッコと対決するヒーロー、フランク・マクラウドにハンフリー・ボガート。

人物に迫力があります。主役クラスの5人はもちろん、ロッコの手下たちも含めて画面映りに味があるというかくせのある俳優がそろっていますね。その上、冒頭のバスの中のボギーの横顔から始まって、ボート小屋に向かって歩くボギーとバコールのツーショット、エドワード・G・ロビンソンの登場場面などクローズアップや鏡に映る人物像をうまくつかって非常に”人”のインパクトを出すような撮り方をしています。

犯罪映画では悪役が重要ですが、名優エドワード・G・ロビンソンの悪役ぶりはすばらしく、ふてぶてしさ憎々しさは秀逸。彼の悪意は直接ボガートではなくホテルの主人親子と情婦に向けられていて、バコールなども散々いたぶられます(あの野村のささやき戦術みたいなのはなにを言ってたんだろう・・・?)。ホテルの主人バリモアは車椅子に乗っているため、いくらロビンソンにやられても反撃することが出来ません。バリモアの悔しそうな言動がまた悪党ロビンソンを引き立てます。

観客としては「おいおい、何とかしてやれよ、ボギー!」ということで、ヒーロー・マクラウドの反撃への期待が盛り上がっていきます。この辺の期待感の盛り上げには、落ちぶれた歌手でアル中の情婦ゲイも一役買っており、酒欲しさにみんなの前で衰えた歌を歌わされるシーンは痛々しく、ロッコへの怒りの指数がさらにアップ。ゲイを演じたクレア・トレヴァーはアカデミー助演女優賞を獲得しました。

ロッコへの怒りを盛り上げ反撃の期待感をあおる部分は状況設定、ストーリー、人物描写ともに文句なし。意外なほどにハリケーンにうろたえるロッコやあまりゴタゴタに関わりたくない風情のマクラウドの描き方も良かった。しかし、個人的にはクライマックスのボギーの反撃シーンにもう少し迫力とギリギリ感が欲しかったかなと感じます。船室へのドアをはさんでお互いに姿の見えないロッコとマクラウドの対峙などサスペンスを盛り上げる工夫はありますが。★★★☆☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ジョン・ヒューストン
製作:ジェリー・ウォルド
原作:マックスウェル・アンダーソン
脚本:リチャード・ブルックス/ジョン・ヒューストン
撮影:カール・フロイント
音楽:マックス・スタイナー
出演:ハンフリー・ボガート/ローレン・バコール
   クレア・トレヴァー/エドワード・G・ロビンソン
   ライオネル・バリモア/モンテ・ブルー
   トーマス・ゴメス/ハリー・ルイス
   ジョン・ロドニー/マーク・ローレンス

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