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■ルネ・クレールの『巴里の屋根の下』を源流とする1930年代のフランス映画の美学的傾向。ジョルジュ・サドゥールによる命名

■トーキーの発明と同じタイミング。これは即座に台本と脚本の重要性に結びついた。詩的レアリズムとは、まず第一に、フランスの演劇的伝統に通じるシナリオ重視の映画だった。

■詩的レアリズムの4巨匠:ジャック・フェデール、ジュリアン・デュヴィヴィエ、マルセル・カルネ、ジャン・ルノワール

■代表的な脚本家は、ベルギー人のシャルル・スパーク。代表作はジャック・フェデール作品『外人部隊』『ミモザ館』『女だけの都』、デュヴィヴィエ作品『地の果てを行く』『我等の仲間』『旅路の果て』

■観客の心をとらえるのは、運命に翻弄される人間の姿、抗いがたい運命に対する人間の敗北を描いた物語を通じて表現されるペシミズムの強烈さ

■一見、非常にリアリスティックな目で描かれているように見えるが、人間の運命への敗北、ペシミスティックな世界観が、文学的な雰囲気の中で肯定され、巧妙な詩的演出によって美化されている。

■詩的レアリズムの本質は、「暗さ」の美学化に尽きる。最後には滅びてゆく人間の運命が、あいまいな文学的叙情性、高尚な哲学性の衣をまとって、深遠な人生観として賛美されている。

■こうしたペシミスティックな雰囲気の描写は、ムルナウやジョセフ・フォン・スタンバーグなど、ドイツ表現主義映画や、ハワード・ホークスをはじめとするハリウッドギャング映画などの影響を受けている。

■マルセル・カルネと脚本家ジャック・プレヴェールのコンビが、詩的レアリズムをさらに純化させた。

■30年代のカルネ・プレヴェールコンビの作品は4作:『ジェニイの家』('36)『おかしなドラマ』('37)『霧の波止場』('38)『日は昇る』('39)。『ジェニイの家』はカルネの監督デビュー作にほんブログ村 映画ブログへ

(中条省平著「フランス映画史の誘惑 (集英社新書)」より)

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