スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

#0199『イタリア旅行』ロベルト・ロッセリーニ監督 1953年イタリア

イタリア旅行
”VIAGGIO IN ITALIA” にほんブログ村 映画ブログへ


ネタバレですよ


中年になっても相変わらずバーグマンは美しい。『イタリア旅行』は公開当初国内の批評家にずいぶん酷評されたものの、フランスのヌーヴェルヴァーグ一派に再評価され、現在ではロッセリーニの代表作のひとつといわれています。

世紀のスキャンダルでバーグマンがロッセリーニの下に走ってから、彼女の主演で作られたロッセリーニ作品は全部で6本。6本すべてに何らかの形で”うまくいかない結婚生活”が描かれているというあたりが考えさせられますが、4作目の『イタリア旅行』のテーマまさにそのもの。中年夫婦の危機と再生。

この映画の中でジョージ・サンダースとバーグマンが扮する中年夫婦は奇跡的な絆の回復を果たしますが、実生活ではすでにバーグマンとロッセリーニの仲には暗雲が垂れ込めていたようです。バーグマン主演作品はどれも興行的成功に恵まれず、経済的にも追い詰められた二人の関係はその後も好転することはありませんでした。翌年『不安』を撮った後二人はついに破局。ロッセリーニは4年間の沈黙に入ります。

ロッセリーニはどんな気持ちでバーグマンを演出していたんでしょうね。実生活の不仲さえも作品にしてしまうプロ根性の現われなのか、それともこの作品はバーグマンに対する切ない願いだったのか、どちらにしても実際の結婚生活が危機に瀕している時期に製作されたことには驚きを感じます。

美しい音楽と共に開巻すると、死んだ伯父が残した別荘を処分するためにナポリへと車を走らせているキャサリン(イングリッド・バーグマン)とアレックス(ジョージ・サンダース)の姿があります。ゴダールが「一組の男女と一台の車があれば映画が出来ると悟った」とのたまったシーンですが、一見して二人の間には冷たいものが流れています。言葉の端々にするどい棘が見え隠れしていたり、なんともいえない気まずい”間”がつらかったり。冒頭から丁寧に不仲を描写する、その見せ方がリアルですねぇ。バーグマンの若いころの演技は、結構芝居がかったところがあったと思いますが、ここでのかすかな苛立ちをにじませる中年婦人の演技はじつにリアル。

ホテルに到着して、キャサリンは”私たちはまるで他人同士のようだ"と言います。結婚して8年、初めての夫婦旅行。皮肉なことにその初めての夫婦旅行で、今まで目をそむけてきた夫婦の溝があらわになってしまいます。しかし、表向きは仲むつまじく装い、二人は叔父の別荘が売れるまで滞在することになります。

夫婦で一緒にいる時間が増えたがために、返って二人の間の溝がくっきりと意識される。で、意識されると必ずそれを広げにいってしまうんですねぇ。面白いですね。でも妙に・・・実感できるんだなあ。夫婦関係がこういう状態になると、何をやっても裏目に出ます。夫婦ってうまく出来てるもので、どちらかが”相手のことが気に入らない!”などと思っているときは、ほぼ同等のエネルギーで相手も同じことを考えていますから、どんな些細なことでもネガティブにスパイラルしていくわけです。

なにげなくキャサリンが話した死んだ恋人の話に、アレックスは冷たく反応し、彼女はその傲慢さに我慢できず、一人でナポリ観光に出かけてしまいます。そして、彼女が勝手に車を使ったことで今度はアレックスが激怒してついに離婚話に・・・・・。やはり、夫婦危機渦中の人だっただけあって、折り重なる二人の感情と加速していくネガティブスパイラルの描写が見事です。

しかしこの夫婦には救いが残されています。まだ互いのことに全く無関心になってしまったわけではありません。パーティでそれぞれ相手が他の異性と親しくしているのを見ては心をかき乱されています。わずかに再生のための土壌が残されているわけです。

一人で観光地を巡るキャサリンの見るものや、アレックスがフラれる人妻との会話。こういうものがわずかな土壌の上で種火となって再び夫婦の愛情は燃え上がり、ラストを迎えるのですが・・。

夫婦が劇的に再生を果たすラストシーンは、評価が紆余曲折した大きな原因になってるでしょうね。イタリアのネオレアレズモ批評家の目には全くのご都合主義に写ったことでしょう。

このラストって、ほぼ100%メロドラマのラストシーンですよね。”中年夫婦の危機を冷徹に描写した作品”ではなく、スター”バーグマン”と”サンダース” のちょっと劇的な恋愛ドラマの予定調和的ラストシーンであると。そういうわりきりで観れば、全体としてかなり楽しめると思います。★★★☆☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ロベルト・ロッセリーニ
製作:マリオ・デル・パパ/マルチェロ・ダミーコ
脚本:ヴィタリアーノ・ブランカーティ/ロベルト・ロッセリーニ
撮影:エンツォ・セラフィン
音楽:レンツォ・ロッセリーニ
出演:イングリッド・バーグマン/ジョージ・サンダース
   レスリー・ダニエルズ/ナタリア・ライ
   マリア・モーバン/アン・プロクレマー
   ジャッキー・フロスト/ポール・ミューラー

↓↓最後まで読んでいただきありがとうございました。ぜひ、ワンクリックお願いいたします^^
にほんブログ村 映画ブログへ

ブログパーツ


イタリア旅行 (トールケース)イタリア旅行 (トールケース)
(2004/05/25)
イングリッド・バーグマン

商品詳細を見る

テーマ : クラシック映画
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
★引っ越しました!★
お越しいただいた皆様、ありがとうございます。 新しくシネマぞろ★を始めました。下のリンクよりぜひお立ち寄り下さい!
場内ご案内
はじめてご来場のお客様は
こちらから
上映作品を探す

【上映作品INDEX】
⇒タイトル別/あ行-さ行
⇒タイトル別/た行-わ行
⇒製作年別/1910年代-1940年代
⇒製作年別/1950年代-2000年代
⇒ファーストインプレッションリスト
【特集INDEX】
⇒サイレント映画特集
⇒ヒッチコック特集
⇒フィルム・ノワール特集
【500円DVD INDEX】
⇒500円DVDリスト(07/12/09更新)
 全358タイトル

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。

ブログ内検索
カスタム検索
最近の記事を読む
コメント御礼!
トラックバック感謝!
上映作品ランキング


ご来場感謝!!
Google
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

文芸座館主

Author:文芸座館主

Blogranking.net

RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

お気に入り!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。