
”UNDER CAPRICORN”
完全ネタバレしてます。ご注意ください。
オーストラリアを訪れたイギリス総督の甥アデア(マイケル・ワイルディング)は、街の大立者フラスキー(ジョセフ・コットン)と知り合った。変わり者で鳴るフラスキーの家に招かれたアデアは、彼の妻ヘンリエッタ(イングリッド・バーグマン)に出会うが、彼女は夫婦仲がうまくいかないことから酒におぼれ精神的におかしくなってしまっている。ヘンリエッタが姉の友人であることを知ったアデアは、彼女を立ち直らせようと献身的に努力する。
19世紀のオーストラリアを舞台としたコスチュームドラマ。ヒッチコック監督作品でコスチューム系は初めて見ました。これ以降は二度と作らなかったと語っていますが、イギリス時代とかにはあったんでしょうか。
当代随一のイングリッド・バーグマン主演なのにヒッチコックの作品中最低の興行成績?興したばかりの独立プロダクションが経営危機? なぜそんなことになったのだろうと興味津々で鑑賞しました。
よほどの凡作なのかと思っていましたがドラマとしては、”意外と”良くできてると思います。
貴族の令嬢(バーグマン)と馬丁(コットン)がすべてのしがらみを振り捨てて駆け落ちし、苦難を共に乗り越えて経済的な成功をつかむ。それでもなおかつ埋めきれない溝として身分の相違が夫婦を苦しめる。その溝に漬け込む悪人やなんかが波乱を起こしつつも、最後には夫婦の絆を取り戻すという、夫婦再生のロマンスとしては結構いいと思います。アル中風情から立派なレディに立ち直る様変わりを見せるイングリッド・バーグマンも見応えがあります。
しかし、ヒッチコックに期待するものとは違ったということなんでしょうね。本人も言っている通り、サスペンスでもミステリでもないですから。夫婦愛のメロドラマです。事前期待と違うということです。しかも、ロマンスならそれに徹すれば良かったかもしれませんが、わずかなサスペンスの小道具として登場する”アボリジニの首”などが、唐突でものすごく安っぽく見えてしまうのです。結局は、”ヒッチコックブランド”を売り間違えて中途半端になったといことでしょうか。
撮影開始時に「バーグマンさえ獲得できればすべてうまくいく」とヒッチコックは思い込んでいたそうで、円熟期のヒッチコックほどの大監督をしてもこれほどミスをしかねないのだという意味で一見の価値がある作品です。
印象的だったのは、フラスキーの屋敷の映像。素晴らしいです。夜の全体が青く浮かび上がる色合いも美しいのですが、そこを長回しでなめるように撮影していくところが、屋敷の不気味さをゾクゾク感じさせます(なのにサスペンスに結びつかないところがこれがまた・・・)。
もうひとつ、この作品に登場する女中ミリーと、レベッカに登場するダンヴァース夫人はどちらがキャラとしてインパクトがあるかという話題があるようですが、個人的には文句なくダンヴァース夫人に軍配を上げます。死人に忠誠を誓っているようなアブノーマルな女に、横恋慕から主人をたぶらかそうとしている程度の小娘が勝てるわけも無し。★★★☆☆
■■ 【このタグに注目!】 ■■
アルフレッド・ヒッチコック
<スタッフ&キャスト>
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:シドニー・バーンスタイン/アルフレッド・ヒッチコック
原作:ヘレン・シンプソン
脚本:ジェームズ・ブリディ
潤色:ヒューム・クローニン
撮影:ジャック・カーディフ/ポール・ビーソン
イアン・クレイグ
出演:イングリッド・バーグマン/ジョセフ・コットン
マイケル・ワイルディング/マーガレット・レイトン
↓↓最後まで読んでいただきありがとうございました。ぜひ、ワンクリックお願いいたします^^
![]() | 山羊座のもとに (2006/12/14) マーガレット・レイトンイングリッド・バーグマン 商品詳細を見る |
→http://omp2006.blog85.fc2.com/tb.php/389-6f50dbcf





