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アンナ・カレニナ
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官僚カレーニン(ラルフ・リチャードソン)の妻アンナ(ヴィヴィアン・リー)は才気あふれる魅力的な女性であるが、仕事一辺倒の夫との中は今ひとつうまくいっていない。モスクワの兄を訪れたアンナは、駅で義理の妹キティ(サリー・アン・ハウズ)の婚約者ヴロンスキー大尉(キーロン・ムーア)と出会う。ヴロンスキーは、婚約者のある身ながらアンナに一目で魅せられてしまう。彼の必死の求愛は、夫との仲に不満を持つアンナの心を徐々に引き寄せ、ついには家族を捨てて駆け落ちするに至る。幸せをつかんだかに見えたアンナだが、罪の意識と世間の中傷が徐々にアンナを押しつぶしていく・・・。

トルストイ原作のアンナ・カレニナ、7回映画化されているのだそうです。古くはグレタ・ガルボ(1927年サイレント、1935年トーキー)、新しくはソフィー・マルソー、ショーン・ビーン(1997年)。今回は1948年の、ジュリアン・デュヴィヴィエがヴィヴィアン・リーを主演に撮った作品。

何度かブログでも書いていますが、ヴィヴィアン・リーはかなり思い入れのある女優です。中学生の頃深夜テレビで放映されていた『哀愁』(マーヴィン・ルロイ監督 1940年)で初めて知ったヴィヴィアン・リー。オールド・ムービーとの出会いもこの作品でした。ビデオ録画して何回も観ましたね。親に隠れてこっそり観てはラストシーンに感動してよく泣いてました・笑。

ということで、オールド・ムービーの原体験はヴィヴィアン・リーにあるといってもいいくらいなのですが、本作のアンナも『哀愁』のマイラにかぶりますねぇ。ともに主人公として同じ結末を迎えるわけですが、徐々に追い詰められていって、もう我が身に救いは何もないのだと悟る瞬間の喪失感というか絶望感というか、ヴィヴィアン・リー以外にこれほどの感情表現ができる女優はいないだろうと思います。

ヴィヴィアン・リーは51年に『欲望という名の電車』で二度目のオスカー(一回目は39年の風と共に去りぬ)を獲得するなど女優として活躍しましたが、私生活においては結核に苦しんだり、熱愛の末結婚したローレンス・オリヴィエとの離婚、鬱病など波乱も多く、67年に必ずしも幸せではない末期を迎えたようです。本作や『哀愁』で演じた悲劇のヒロインたちと通ずる人生を送ったことに感慨を覚えます。

さて、ヴィヴィアン・リーの演技には一もニもなく大感動なのですが、ストーリーの方は残念ながらかなり中盤が辛いです。アンナがヴロンスキーの愛を受け入れる決心をしてから、ヴェネチアでの駆け落ち生活を経てモスクワに戻ってくるまでの間にさまざまなイベントが起こります。アンナの病気やヴロンスキーのピストル事故(自殺未遂??)、義理の妹の結婚などなど。盛りだくさんなのですがそれぞれのつながりが良くないため観ているほうは若干おいていかれ気味です。このあたりのエピソードを整理して1時間半くらいの作品にしたほうがよっぽどすっきりしてよかったと思いますね。

ジュリアン・デュヴィヴィエは『舞踏会の手帳』や『アンリエットの巴里祭』をはじめとして、ストーリー作りや演出に大いにに秀でた監督という認識があるのですが、本作ではヴィヴィアン・リーの名演が目立つのみでストーリー面でも、演出面でも今ひとつぴんとくるものがなかったように思えます。物語の前半でアンナの最後を暗示する出来事やセリフがいくつか出てきて、ラストシーンではその暗示がいかにも効いてきます。このあたりはトルストイの原作もさることながら、デュヴィヴィエ監督の冴えなのかなと感じたのは確かですが、全体的には今ひとつという感じでしょうか。★★★☆☆

<スタッフ&キャスト>
監督: ジュリアン・デュヴィヴィエ
製作: アレクサンダー・コルダ
原作: L・N・トルストイ
脚本: ジャン・アヌイ
    ガイ・モーガン
    ジュリアン・デュヴィヴィエ
撮影: アンリ・アルカン
 
出演: ヴィヴィアン・リー/ラルフ・リチャードソン
    キーロン・ムーア/サリー・アン・ハウズ
    ニオール・マッギニス/マーティタ・ハント

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(2006/12/14)
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