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#0016『あれ』クレアランス・バジャー監督 1927年アメリカ

あれ
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監督:クレアランス・バジャー
原作:エリナー・グリン
脚本:ホープ・ローリング/ルイス・D・ライトン
撮影:キンレイ・マーティン
出演:クララ・ボウ/アントニオ・モレノ
   ウィリアム・オースティン/ゲイリー・クーパー
   プリシラ・ボーナー

<作品関連情報>
    ⇒あれ(1927) - goo 映画
    ⇒IMDb(英語)

アル中の父と精神を病む母の間に生まれたクララ・ボウは、悲惨な生活から這い上がるために女優を目指し紆余曲折の末にパラマウントの撮影所長シュルバーグの元でハリウッドの人気女優となります。1927年に作られた本作では、彼女の魅力が全開、20年代のセックス・シンボルとしてキャリアの頂点を迎えました。

「選ばれた人にだけ備わり、異性をひきつける魅力。肉体的な美しさも大切だが、内面からにじみ出る心の美しさも持っていなければいけない」。その性質をIT(原題)と称します。とは、原作者エリノア・グリーンによる定義。このエリノア・グリーンは『ブロンドと柩の謎』でご紹介した、インス変死事件の舞台、新聞王ハーストの豪華クルーザーオネイダ号に同乗していたあのエリノア・グリーンですね。奇遇だなぁ。

奇遇と言えば、この作品のもう一人の主人公アントニオ・モレノは、クララ・ボウをはじめグレタ・ガルボやポーラ・ネグりなどの女優と共演したラテン系の男優ですが、そのガルボとの競演は不評だったハリウッド第二作『明眸罪あり』。ガルボの生みの親スティルレル監督と対立し、それが原因となってスティルレルは降板してスウェーデンに帰り、その直後に急死します。その対立相手がこのアントニオ・モレノなんですね。これまた奇遇だなぁ。にほんブログ村 映画ブログへ


ずいぶん話が横に逸れてしまいましたが、初めて見たクララ・ボウの話。”セックス・シンボル”と散々紹介されているので、どれだけセクシーな女優だろうかと思っていたのです。ところがその実態は、実にあっけらかんとした健康的なかわいい女優さんでした。狂った母に殺されそうになったり、初めての映画の出演シーンを全部カットされたり、そういうつらい人生の影を微塵も感じさせない彼女は、まだこの時若干22歳です。

なぜセックス・シンボルと言われるようになったのかは、時代の違いですねぇ。まずシチュエーションが名門百貨店の若き二代目社長(アントニオ・モレノ)にアタックする(死語?)デパートガールのお話。この設定からしてかなり進んでいたらしい。そして彼女ベティ(クララ・ボウ)はディナーに来ていく洋服がないと、仕事着の襟元をはさみで大きく切ったりして、サービスショット(全然やらしくないんですよ)を交えて悪戦苦闘。遊園地でモレノともつれ合って遊ぶシーンや、大きな社長デスクの上に腹ばいになって、仕事中のモレノにちょっかいを出すシーンなどなど。そういうシーンがすべて、当時の人々にはとても刺激的だったようです。

結局、この作品は彼女のそういう”お色気”コメディの熱演が大好評を博し、”It Girl”と呼ばれて時代の先端を行く女性像となります。そして、同じ年に製作された『つばさ』は第一回アカデミー賞作品賞を受賞。にほんブログ村 映画ブログへ

しかし、27年の二作品ではつらつとしたかわいさを見せてくれるクララ・ボウですが、その出自の卑しさから当時のハリウッドではなかば”使い捨て”にちかい扱いだったとか。ヒット作に恵まれてからも安い週給でこき使われ、アカデミー作品賞の主演女優でありながら、パラマウントはトーキーへの過渡期にもなんの準備期間も彼女に与えませんでした。同じ状況で、M・G・Mのグレタ・ガルボは2年間のトーキー出演猶予期間を与えられ、苦手な英語を徹底的に鍛えて『アンナ・クリスティ』で大成功を収めます。1930年代になると、彼女を育てたシュルバーグの興味もマレーネ・ディートリッヒに移り、クララ・ボウは観るべき作品も残さずスクリーンから消えていくことになるんですね。

少女時代に狂った母を見ながら自分もいつかは同じように発狂するのではないかと恐怖したというクララですが、無残なことにその通り精神を病んで病院に収容され、60歳で孤独のうちに亡くなりました。

『あれ』のシーンより。悲しげな編集・・・

古い映画ばかりを見ていると、その後の俳優や監督たちがたどった運命がいやでも耳に入ってきます。一世を風靡しながら悲惨な末路をたどった俳優たちはたくさんいます。普段そんなことを考えながらも作品を楽しんでいるのですが、今回のクララ・ボウは映像に残っている彼女の姿があまりにも屈託なくて明るくて。元気でかわいい彼女の演技が冴え、ストーリーがハッピーに展開するほど、なんとも言えず胸を締め付けられるような気持ちになってしまいました。★★★★☆

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あれあれ
クララ・ボウ

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ジューベさんこんばんは。

クララ・ボウの映画は私もはじめて見たのですが、実に健康的な”お色気”コメディという感じで好感が持てました。しかし、パラマウントとしてはそれ以外に彼女に期待するものは何もなく、爆発的な人気が原因であらゆるゴシップ(真偽不明)が乱れ飛び、トーキーの波には乗れず・・・ということだったようですね。
ご主人(レックス・ベル)は西部劇俳優でしたか。二人子どもをもうけたものの、幸せな結婚生活は出来なかったようですね。
『つばさ』も見たいと思ってます。

クララ・ボウ

クララ・ボウは伝説でしか知らない女優ですが,ディートリッヒより幾つか若いはずなのに,ほとんどサイレントだけで消えてしまったのですね。
結局スキャンダルが命取りで,とどめは元秘書との訴訟で,乱れた私生活を暴露されたことなのだとか。
ただ,結婚した西部劇役者が州知事に当選して知事夫人になったり,割りと後年まで派手な人生だったようで・・,最後が精神病院とは痛ましいですが,今,その映像が観られるというのは幸運なことなのかも知れないと思いました。
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