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#0019『雨に唄えば』ジーン・ケリー/スタンリー・ドーネン監督 1952年アメリカ

Gene Kelly

”SINGIN' IN THE RAIN”↑この時、ジーン・ケリー39度の発熱中↑

監督:ジーン・ケリー/スタンリー・ドーネン
製作:アーサー・フリード
脚本:アドルフ・グリーン/ベティ・コムデン
撮影:ハロルド・ロッソン
作詞:アーサー・フリード
作曲:ナシオ・ハーブ・ブラウン
音楽:レニー・ヘイトン
出演:ジーン・ケリー/デビー・レイノルズ/ドナルド・オコナー
   シド・チャリシー /ジーン・ヘイゲン/ミラード・ミッチェル
   ダグラス・フォーリー/リタ・モレノ

詳しい作品情報はこちら
    ⇒allcinema
    ⇒IMDb(英語)


”オールド・ムービー・パラダイス!”2006年10月の記事を多少手直しして転載します。現在特集中のサイレント映画に関係する記事です。よろしければご一読を。

この映画は、個人的に非常にツボにはまっていて、DVDを買ったときは3回連続で見ました。歌もダンスもストーリーも素晴らしいですよね。2年ぶりくらいの鑑賞になりますが、今回はストーリーも大変興味深く見直しました。

『雨に唄えば』は、第一級のミュージカル作品ですが、同時にトーキー誕生時のハリウッドの様子を垣間見ることができる貴重な映画でもあります。

この作品は初のトーキー作品『ジャズ・シンガー』が公開された年の話ですから1927年ということになります。冒頭、サイレント映画のスター、ドン・ロックウッド(ジーン・ケリー)が、聴衆に嘘八百の経歴を披露する場面がありますが、当時の映画作りはスターの人気に依存していたため(現在でも変わりませんが)、スターのイメージは映画スタジオの収入に直結。映画スタジオは大事なスターを専属化し公私に渡ってイメージコントロールしていたそうです(本格的なスター・システムはもう少し後からになりますが。。)。ドンの演説も映画スタジオの宣伝部がすべてシナリオを考え、作り上げられたイメージを世の中に伝えていたわけですね。

ドンは、その演説で語られる華々しいエリートイメージとは正反対で、もともとは貧しい家に育ったボードヴィリアン。しかし、子供のころから鍛え上げられて歌も踊りも抜群です。それに対して、モニュメンタル映画社の二枚看板のもう一人女優リナ・ラモント(ジーン・ヘイゲン)はサイレントの大仰な芝居と見た目の美しさ以外は、演技も台詞も歌もだめな "Triple Thread"。

映画がトーキーになった時に、”しゃべれない、歌えない”ためにイメージが崩れて姿を消した俳優はたくさんいました。中には、ジョン・ギルバートやクララ・ボウ、ポーラ・ネグり、ナタリー・タルマッジなど、サイレントのビッグネームも含まれていました。劇中、”ハリウッドでしゃべり方教室が大流行”というくだりがありますが、役者たちはキャリアをかけて必死に特訓したのでしょう。おかしいのと同時に当時の彼らの苦労がしのばれて大変興味深いシーンです。

物語の核になる”吹き替え”は、リナの悪声とひどいなまりを隠すために考えついた苦肉の策ということになっています。

実際のケースでも、イギリス初のトーキー映画「恐喝(ゆすり)」(ヒッチコック)では、主役のドイツ人女優アニー・オンドラが英語を全く話せなかったために、英語吹き替えが行われています。アフレコ技術がなかったため、アニーの演技と当時にイギリス女優に台詞をしゃべらせていたそうです。本作のリナの場合とは事情が違いますが、吹き替えが用いられるようになった経緯には、こういう”トーキーに出せない俳優をどうするんだ?”という問題が深く関わっていたのかもしれません。

モニュメンタル映画社のパーティー席上でトーキーの宣伝フィルムが披露された時の関係者の反応は冷ややかなもので、”子供だましの悪趣味なおもちゃだ”とバッサリ。ところが、”ジャズ・シンガー”が大ヒットすると映画界はなだれのようにトーキー化にまっしぐら。製作途中のサイレント映画までトーキーに変更となり、トーキー化が予想外の急激な変化だったために関係者が右往左往した様子が良くわかり、ここも大変面白いシーンです。

さらに興味深いのは、映画に音声が入ったことでサイレントの演技が全く通用しなくなってしまったことです。プレミア試写でドン&リナの『闘う騎士』が大コケした理由は。。。

・サイレントの大仰な演技に音声がついたときに、あまりに日常的な動作からかけ離れた芝居になってしまったこと。
・セリフ自体にも自然さがなく、大時代でこっけいな台詞回しになってしまったこと。
・録音機材や技術が未熟で、均質な録音が出来なかったこと。
・映写機と蓄音機の同期が取れず、映像と音がずれてしまったこと。

などなど。映画ですからかなり誇張されているとは思いますが、実際にもこのようなことは十分起こりえたでしょう。サイレントとトーキーは完全に異なる芸術だというようなことを言っていたのは誰だか忘れてしまいましたが、演技の方法論から根本的に変わってしまったということのようです。

とりとめなくだらだらと書いてしまいましたが、この作品、当然歌とダンスも名作ぞろい。ジーン・ケリーももちろんですが、競演のドナルド・オコナーがソロで演じる”Make'em Laugh”の神業には驚かされましたね。ミュージカルとしても記録映画としても楽しめる一粒で二度おいしい(古)素晴らしい作品でした。★★★★★

(参考:ヒッチコック/トリュフォー 定本映画術)

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カカトさん、お返事遅くなりました。うーん、ジーン・ケリー苦手な人覆いですねぇ。「Broadway Melody」はそういうことでしたか。オコナーもジーン・ケリーがらみでこの撮影はつらかったなんていってますけど、そのあたりもストレスだったかもしれませんね・笑。

こんにちは~。お久しぶりです。
私もジーン・ケリー、ちょっと苦手です・・。
オショーネシーさんのコメントに横レスですが、あの「Broadway Melody」のシーンは、本当はドナルド・オコナーと二人で歌って踊る予定だった・・・と、聞いた事があります。
それはそれで観たかったですよねー。

遅くなりましたぁ!

オショさん、こんばんは。遅くなってすみません。ジーン・ケリーですか・笑。ワンマン傲慢だったそうですからねぇ。アップは確かアイライン(アイシャドウ?)入ってましたよね。私は特に苦手でもないので、ラストのシーンは結構楽しみましたけど。やっぱり、テクニックはオコナーの方がすごい。というか、Make'em Laughは凄みがあるくらいでした。ミュージカルの中ではこの映画がダントツでお気に入りですが、実はそんなにほかの見てないんですよね。アステアの白黒時代のが見たい。

この映画は確かにミュージカル映画の3本の指に入る傑作だと思います。ついでに映画史にも残る作品でもあるでしょう。
なんといっても、ストーリーが良い。サイレントからトーキーに移行する時代の雰囲気を上手くとらえていると思います。
ドナルド・オコナーの一世一代の「Make'em laugh」も素晴らしいですね。そして「雨に唄えば」は、アメリカ映画協会(AFI)の映画主題歌100選の中の3位でてすから、映画史に残る歌・ダンスなのには疑問の余地もない。
…が、ジーン・ケリーなんですよ。問題が。
あの、「Broadway Melody」いらないんじゃないの?と、どうしても思ってしまうんですよねぇ…。シド・チャリシーのセクシーなダンスを堪能できるのはいいんですが、どう考えてもストーリー上いらない場面ですね。最後にジーン・ケリーが、ずず~ん!!とアップになってくるシーンには逃げたくなった私です。
とにかくジーン・ケリーは、押しが強くて私は苦手なんですよ。フランク・シナトラが共演しているので仕方なく彼の映画を観ている…と言っても過言ではない。
そんな私は、フレッド・アステアの熱狂的なファンであります。悪しからず。
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