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#0032『イギリスから来た男』スティーブン・ソダーバーグ監督 1999年アメリカ

イギリスから来た男
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監督:スティーヴン・ソダーバーグ
製作:ジョン・ハーディ/スコット・クレイマー
脚本:レム・ドブス
撮影:エドワード・ラックマン
音楽:クリフ・マルティネス
 
出演:テレンス・スタンプ/ピーター・フォンダ
    ルイス・ガスマン/バリー・ニューマン
    レスリー・アン・ウォーレン/ジョー・ダレッサンドロ
    ニッキー・カット/アメリア・ハインル
    メリッサ・ジョージ

<作品関連情報>
    ⇒IMDb(英語)

完全ネタバレ!ストーリーを知りたくない方は読まないでください。

お昼にアップした『私家版』は、この作品記事の前フリでありました。テレンス・スタンプ@復讐者つながりということで。

9年ぶりに刑務所を出てきたウィルソン(テレンス・スタンプ)は一人娘ジェニーの事故死を知らされる。不審を抱いた彼は、真相を追ってアメリカへ。死の当時娘が交際していたロック・ミュージック界の大物テリー・ヴァレンタインをターゲットに定め、執拗な追跡を開始する。

主役のテレンス・スタンプも敵役のピーター・フォンダも1939年生まれで、この映画の時は60歳。もう一人、いい味を出しているセキュリティ・コンサルタントを演じたバリー・ニューマンが1938年生まれで61歳の還暦。渋い爺さんたちのアクション映画ですが、とにかくキャラが立っててかっこいい。

無表情な上にちょっとわざとらしいイギリスなまりのテレンス・スタンプは、いきなり敵のアジトに乗り込み、無茶やり放題のキレキャラが素敵。方や白い歯と笑顔が素敵にいかがわしく、滑稽なほどの小心者ぶりがなぜか魅力的なピーター・フォンダ。この二人の対決は60年代カルチャーの対決でもあるわけですな。特にテレンス・スタンプは復讐の暗い炎をメラメラさせながら目的に向かっていくキャラクタが世界一似合う。 #0031の『私家版』もまさにそういう役でした。『私家版』の方はもっと沈着冷静な頭脳犯で、個人的な好みはそういうクールなほうに軍配が上がりますが、この作品のテレンス・スタンプもかなりの好演。やはり表情を変えない奴は怖い。

さらに、この作品の見物は冒頭に状況説明がされる14分間の凝りまくった映像。ジェニーの死を知らせてきたエド(ルイス・ガスマン)を訪れ、事故死の様子を聞き、テリー・ヴァレンタインを追って彼を知るギャングのアジトに乗り込むまでが、フラッシュバックとフラッシュフォワードを駆使して語られます。この映像感覚はちょっと他では見たことがありません。映像は反復横とびのごとく時間軸を行ったりきたりするくせに、音声はずっとシーケンシャルに続いている。当然ある場面では映っている二人としゃべっている二人が別の時制にいたりして(要するに画面上登場人物が無言でにらみ合っているのに音声だけは会話している)、まことに見ている側は混乱させられるのですが、その分スクリーンへの集中度は100%アップ。緊迫感は200%アップ。これは参った。これは麻薬だ。

最初から良すぎて、当然「もっとくれ!」ということになってしまうのがこの映画の唯一痛いところか。冒頭の演出テクニックにしびれてしまってもっともっととおねだり状態になってしまうのですが、その後は意外なほどオーソドックス。特にクライマックスの別荘のシーン。3つどもえの戦いがストーリー的には面白くもあるのですが、映像的には極めてシンプル。最期のフラッシュフォワード ”Tell me about Jenny・・・”に全てを集約して、ラストシーンにつなげるという意図は良くわかるのですが、冒頭シーンで薬中状態になってしまっているので、物足りないのですよ。お預け食ったみたいなんですよ。この手の震えをどうしてくれるのだソダーバーグよ!

はい、理不尽な要求でした。そんなに全編凝りまくったら大変だ。でも、なんか、物足りないのも事実なんですよね・・・。それほど、冒頭シーンのインパクトが大きかったということで。

しかし、映像面はさておいてラストシーンのウィルソンは哀しい。父としてこんな悲しみはないでしょう。ジェニーは幼い頃、父親が悪事を働いていることに子どもながら勘づいて、受話器を片手に「悪いことしたらおまわりさんに言いつけるから!」と、精一杯の制止を試みた。それでもついに強盗の再犯で刑務所にぶち込まれた父に対して、彼女は失望し落胆していた。彼女の失望をウィルソンも人づてに聞いていた。

大人になった彼女とテリーは心から愛し合っていた。しかし、テリーが金に困り麻薬取引に手を染めたことを知ったジェニーは、やはり子どものときと同じように受話器を握り、「そんなことをするなら警察に訴える!」とテリーに迫った。もう取引は終わり今さら引き返すことは出来ないのに彼女はそうせざるを得なかった。父親に失望しながらも、止めることが出来なかった自分を責めていたのか。もう二度と愛する人を悪の道に走らせないと必死になった。一歩も引かない彼女の剣幕にテリーはたじろぎ、思わず彼女の首に手をかけてしまった。

夜の海岸で真相を聞いたウィルソンの表情は哀れです。最初からずっとテリーを追い、復讐者として存在してきたウィルソン。実は自分がジェニー殺しの共犯者だったことを悟った。若い頃の自分の愚かさと、娘ジェニーの父に対する思いと、そしてそれこそがジェニーの命を奪ってしまったという現実を知ることになったウィルソン。それまでの精悍な表情から一気に年相応の老人の顔になってしまいました。

ちなみに、この映画、英語と米語の違いがわかるとおそらく面白さ倍増。ウィルソンの”英語”が意外に通じなかったりしているようで、そのあたりから彼の異邦人としての存在感が漂っているんじゃないかと思うんですがね。そのあたりのニュアンスをキャッチできないのが残念です。★★★★☆

日本初公開時の記者会見録を発見しましたのでリンクしておきます。 → こちらを

↓↓最期まで読んでいただいてありがとうございました。ぜひ一押しお願いします^^
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オショさん、おすすめありがとう!

ほい、DISCASに予約入れました^^

テレンス・スタンプが出演している「プリシラ」も観て欲しいなぁ…。これは最高です。はまりますよ。

Yamaさん、いらっしゃい^^

テレンス・スタンプ、良いですよね。しかし、私の場合はテレンス・スタンプ=白髪なんですよ。さすがに『コレクター』は見た記憶があるのですが、はるか昔でさだかな記憶なし。ほかの出演作品は観てないんです。
そういうこともあり、この作品はソダーバーグの演出も含めて結構楽しめました。ちょっと、最後まで勢いが保てなかった感じも無きにしも非ずですが。”器用貧乏”の”器用”の部分は確認しましたので、”貧乏”かどうか見届けたいと思います。

ご無沙汰しています

テレンス・スタンプは好きな役者です。

特に60年代に出演した『コレクター』、『唇からナイフ』、『世にも怪奇な物語』、『テオレマ』はどれもお気に入りの作品です。

本作での彼も悪くはないですが、監督のソダーバーグが...。

僕のソダーバーグ評は“器用貧乏”に尽きます。
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