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#0212『ヴィデオドローム』監督 1982年アメリカ


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エログロ零細ケーブルテレビの社長マックス・レン(ジェームズ・ウッズ)が、視聴率を稼ぐために過激な映像を追い求め、ついにたどり着いたのが”ヴィデオドローム”。いわゆるスナッフフィルム(実際の殺人行為を移したフィルム)であるらしい。自局の番組として取り込むべく、ヴィデオドロームを探るうち、徐々にマックスは幻覚を見るようになっていく。

き・も・ち・わ・る~。
いつ観ても、このあたりのクローネンバーグ作品は気持ち悪い。ディープなファンは、この気持ち悪さがたまらなかったりするんでしょうか。わからなくもないけど。映像的気持ち悪さ加減は、8分20秒の特盛YouTubeを載せときましたのでそちらでご確認くださいませ。

後半に画面にあふれる内臓感覚もさることながら、なんというのか、その、”ビデオ”っていうのがいやですねぇ。”映像”には、時に大きな影響力があって、ある人が人生のあるタイミングである映像を見たために、その後の生き方を大きく変えたりすることもあるでしょう。また、ある映像が同時にたくさんの人々にたまらないほどの不快感を与えたりすることもあるかもしれません。

マックスに幻覚を見せるのは、”ヴィデオドローム”っていう映像なんだけど、マックスの変容には”ビデオ”が大きくか関わってるわけで。。映像が精神に影響を与えるっていう、わかり易い範囲から思いっきりはみ出してるし。不快なんですよねぇ。映像で洗脳されるっていう精神的な話だったら、その内容がスナッフだろうがなんだろうが、こんな気持ち悪さは多分感じないんでしょう。でも、同時にそれがビデオカセットって安っぽい形になって、脈打って、腹にできた穴にジュボジュボと挿入されて。。。映像を見たことによってできた脳腫瘍による幻覚。考えてみればその発想だけでもうすごいんだけど、それを具体的な形として見せちゃって、もう精神的なもんも肉体的なもんも、まぜこぜでぐっちゃぐちゃ。。おまけに生の肉と無機質な物体の気色悪い合体感覚。やっぱり気持ち悪いわ。

今日久しぶりに『ヴィデオドローム』を観たのは、実はこんな記事を見かけたからです。

クローネンバーグ代表作をリメイク 『ヴィデオドローム』がSFアクション大作に 
~ヴァラエティ・ジャパン 2009/4/29


監督はまだ決まってないのかな?脚本はアーレン・クルーガーで、この人の書いた『レインディア・ゲーム』は映画館で見た覚えあり。最新作では、『トランスフォーマー/リベンジ』も書いてますね、その他『ブラザーズ・グリム』とか。

がんばっていい作品にして欲しいものだと思うのですが、ちょっと気になるコメントが。。

「リメイク版では基本コンセプトにナノテクノロジーの考え方を盛り込んだ、大規模なSFアクションとして製作する予定だという。」

・・・なんかいやな予感がする。

ぐちゃぐちゃ感が独特のクローネンバーグタッチこそが、30年近くオリジナルを偉大なカルト作品として輝かせている理由であって、それって”大規模なSFアクション”とはぜんぜん違うでしょ。ちょっとやそっと金かけてコンピュータ使っても、おいそれとは凌駕できないでしょうねぇ、この作品の気持ち悪い魅力は。クローネンバーグ作品の中でもよりによって『ヴィデオドローム』をSFアクションにしようとしてる時点で負け試合確定?

今から作るんだったら、DVDじゃなくていいのかなぁ。DVDじゃマックスの腹に挿入するにしてもスリットで間に合うし、全然気持ち悪さが伝わらないなぁ。。などとつまらない心配もあります。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
製作:クロード・エロー
製作総指揮:ピエール・デヴィッド/ヴィクター・ソルニッキ
脚本:デヴィッド・クローネンバーグ
撮影:マーク・アーウィン
特殊メイク:リック・ベイカー
音楽:ハワード・ショア

出演:ジェームズ・ウッズ/デボラ・ハリー/ソーニャ・スミッツ/レイ・カールソン/ピーター・ドゥヴォルスキー

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#0211『ファンタスティック・プラネット』ルネ・ラルー監督 1973年フランス・チェコ



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前回の『イエロー・サブマリン』で”ファンタスティック・プラネットの方が良い!”とコメントしましたが、以前の古いブログの方にこの作品の記事がおきっぱなしになってしまっていました。
本来なら再鑑賞の上書き足したいところですが、とりあえずそのまま転載しておきます。


以下、転載。


あらすじ

惑星イガムでは、巨大宇宙人ドラーグ人が人間をペットとして飼っている。人間の子供テールはドラーグ人の少女ティバに育てられ、彼らの学習装置により高度な知識を身につける。やがて、成長したテールは学習装置を奪い脱走、反ドラーグの人間たちのリーダーとなっていく。

みどころ

幻想的なローラン・トポールのイラストを切り紙アニメで映画化した作品。巨大で無表情なドラーグ人に対して、悲しそうな顔の小さな人間たちがいかにも弱々しい。不思議な生物(この造形がまた絶品)が生息する惑星の描写やドラーグ人の生態など、なんともいえない画像としての魅力を持っています。切り紙アニメ独特のカクカクとした動きもこの作品の雰囲気には適していますね。実に摩訶不思議な世界観。

ルネ・ラルーはもともとはアニメにかかわる人ではなく、ある村で、バカンスに出かけた精神科医の友人の代役として、絵画や影絵のようなものを使った精神療法を試み、その過程でアニメーションに深くかかわるようになったのだそうです。

この作品の製作に対するラルーとアニメスタッフ(チェコのイジー・トルンカスタジオ)のこだわりはすさまじく、背景画の上に直接登場人物の絵を乗せて撮影する方法で作られており、実に4年の歳月をかけて完成。画面としてみたときの自然な美しさは特筆もので、マニアの間では「あのトポールの絵がそのまま動く!」として驚嘆のまなざしで迎えられました。1973年のカンヌ国際映画祭特別賞獲得、パルムドールにノミネート。

個人的には

アニメ作品ってあまり見ません。なので、当然この作品も全然知りませんでした。

が、この作品痛く気に入りましたね。その理由は多数登場するわけのわからない生物。なんとも素敵。古くはずいぶん昔に読んだ手塚治虫「火の鳥」(宇宙編?)に出てくる生物とか、SFなどに登場する変な生物の絵に妙に魅力を感じるのですよ。

特に、学習装置によって知恵をつけた人間が道具を使って初めて鳥の化け物を倒しますが、この鳥!あのぎざぎざの口で人間が住んでいる建物の屋根を破って、その穴からありくいみたいに長い舌を差し込んでくっついた人間食べてます。妙に合理的でグロテスクなところが実にGOOD。素敵だと思いませんか?(思わないか・笑)★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ルネ・ラルー
製作:サイモン・ダミアーニ/アンドレ・ヴァロ=カヴァグリオーネ
原作:ステファン・ウル
脚本:ローラン・トポール/ルネ・ラルー
撮影:ハポミル・レイタール/ボリス・パロミキン
音楽:アラン・ゴラゲール

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#0210『イエロー・サブマリン』ジョージ・ダニング監督 1968年イギリス



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もともと、アニメに乗り気でなかったビートルズのメンバーを本気にさせて、最後に実写出演までさせたのは、ジョージ・ダニングが創り上げたポップでサイケな作品の芸術性。ということなんでしょう。You Tubeで観ることがができるとおり、お見事。人気キャラのジェレミーやブルー・ミーニーズなどは、いったいどんな感性が創らしめたのよ、と聞いてみたくなるくらい。

それだけ見事なアートのカタマリ(しかも音楽は言わずもがな。”サージェント・ヘペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド”ってこんなにいい曲だったのね。。)なのに、映画として面白く感じられなかったのは何故かなぁ。って、個人的には答えわかってるんですけどね。ドラマが観たいんですよ、ドラマが。サイケなアートの洪水じゃなくて、心躍るドラマが観たいのだ!その点、単純すぎるんだ、この作品は。ドラマが。そういう意味じゃ、ポップアートアニメなら『ファンタスティック・プラネット』の方が断然面白かった。

昔々のビートルズファンだったころなら、もっと楽しく見れただろうに。残念だ。
色とりどりのアートと音楽に浸っているだけで幸せな気分になるには、あまりに世間ずれしすぎちゃったんだろうなぁ、自分が。★★★☆☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ジョージ・ダニング/ジャック・ストークス
製作:アル・ブロダックス
脚本:リー・ミノフ/アル・ブロダックス/ジャック・メンデルソーン/エリック・シーガル
撮影:ジョン・ウィリアムズ
音楽:ザ・ビートルズ/ジョン・レノン/ポール・マッカートニー/ジョージ・ハリソン/リンゴ・スター
声の出演:ジョン・クライブ/ジェフリー・ヒューズ/ピーター・バトン/ポール・アンジェラス

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#0209『ダ・ヴィンチ・コード』ロン・ハワード監督 2006年アメリカ


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話題になった映画。大概の話題作は、旬のときには観(られ)ません。

ソニエールがシラスに殺されて、ラングドンとソフィーが鍵を見つけてルーヴル美術館から脱出するまでは、結構テンション高く見れました。この部分までは、ちょうど原作で読んだ部分でもあるんですけど。

その後は、ずっと中高度飛行で可もなく不可もなく着陸って感じ。盛り上がりも盛り下がりもしないけど、寝てしまうほどつまらなくはない。2時間30分見せるだけのパワーはあるらしい。しかし、ロン・ハワード(監督)&アキヴァ・ゴールズマン(脚本)のアカデミーコンビによる映画作り、トム・ハンクス&オドレイ・トトゥ&ジャン・レノの俳優陣、ダン・ブラウンのベスト・セラー小説というインプットの豪華さからするととても成功作品とは言えんかなぁ。

2時間半の長尺ですら、掘り下げきれない内容とキャラクターの弱さの中途半端ダブルパンチが痛い。一生懸命作ってるのはひしひし感じられるんだけどねぇ。

”キリスト教の歴史がひっくり返るかも”っていう”ことの重大性”が、のんきな無神論者の集まりである日本では、それほどの大事に聞こえないという、実に不幸な地政学リスクを差し引いたとしてもですよ、(導入は別にして)伏線からクライマックスからどんでん返しまで、なぞ解きとしても人間ドラマとしてもサスペンスとしても描きこみが満足ラインに達しないのが本当に遺憾。
主役三人のキャラも。。。もう言わんとこう。オドレイ・トトゥのびっくり顔に「君こそが”それ”なのだ」って言われてもなぁ。真顔でそういうのがトム・ハンクスだしさ。いやいや、言わんとこう。

久しぶりに感想書いてみたら、ボコスコになってしまいましたが、知的好奇心は湧く映画で良かった。思えば、洋画好きっていうのは、キリスト教的な心と頭脳を持った人の作品をたくさん見るわけなので、キリスト教に対する知識と理解はある程度持っているべきなのかも知れませんな。そう思ったのは収穫。

★★★☆☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ロン・ハワード
製作:ブライアン・グレイザー、ジョン・キャリー
製作総指揮:トッド・ハロウェル、ダン・ブラウン
原作:ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』
脚本:アキヴァ・ゴールズマン
撮影:サルヴァトーレ・トチノ
プロダクションデザイン:アラン・キャメロン
衣装デザイン:ダニエル・オーランディ
編集:ダニエル・P・ハンリー、マイク・ヒル
音楽:ハンス・ジマー

出演:
トム・ハンクス(ロバート・ラングドン)
オドレイ・トトゥ(ソフィー・ヌヴー)
イアン・マッケラン(リー・ティービング)
アルフレッド・モリナ(アリンガローサ司教)
ジャン・レノ(ベズ・ファーシュ)
ポール・ベタニー(シラス)
ユルゲン・プロフノウ(ヴェルネ)
エチエンヌ・シコ(コレ警部補)
ジャン=ピエール・マリエール(ジャック・ソニエール)
セス・ガベル
サム・マンキューゾ

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#0208『西部開拓史』ヘンリー・ハサウェイ他監督 1962年アメリカ

西部開拓史
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1830年代、アメリカ東部の農民ゼブロン(カール・マルデン)の一家は、西部を目指すが筏で川を下る途中で激流に飲み込まれてゼブロンと妻は死亡。残されたイーブ(キャロル・ベイカー)とリリス(デビー・レイノルズ)の姉妹はそれぞれのやり方で西部を生き抜いていく。1830年代から80年代にかけての50年間を壮絶に生きたプレストン家の三代に渡る人間ドラマ。

なんといっても、一番の見所は「シネラマ」映像。この技術を見せるための映画かなと、正直そう感じました。35mmカメラ3台を使って同時撮影、半円形に湾曲した映像に交差投影するという大掛かりな撮影方式で、映像だけでなく音声も7チャンネルで録音。観客はその場面の中にいるような興奮が味わえるというもの。仕掛けが大掛かりゆえに 10年ほどしか使われなかったということです。

私の自宅でDVDを観る分には大きくても32インチTV画面がせいぜいなのですが、それでもやはり迫力満点。西部の山並み、草原などのランドスケープはもとより、失踪する馬車、水牛の暴走、激流など横方向の移動映像が見事です。南北戦争のシーンで画面の左奥から右手前にかけて順に大砲が火を噴くシーンは本当に大画面で観たいと思いました。

ストーリーがあまりに壮大で2時間40 分を超える長尺であるにもかかわらず収まりきっていない感じがしますね。オムニバス形式で24人のスターが入れ替わり登場しますが、全体の印象としてはかなり忙しい。全体を一本の映画としてみようとするとストレスがあるかもしれません。また、いわゆるガンマン対決のようなアクション系西部劇を期待すると少し期待が外れるかもしれませんね(最後の列車での対決はそれなりに迫力ありますけどね)

ただし、これを題名どおり西部開拓の歴史を垣間見る映像集としてみると実に興味津々。西部の町が発展していく様子や、鉄道敷設競争、インディアンとの攻防、人々の民度の向上など、150年前にアメリカで繰り広げられていた歴史をまさに実感することができます。

また、5つのストーリーを通して登場するリリス役のデビー・レイノルズが要所要所ですばらしい歌声を披露しておりミュージカル的な楽しさも味わうことが出来ます。

ストーリーのひとつにグレゴリー・ペックが出てますね。で金目当てにリリスに近づき、紆余曲折を経て真の愛に目覚めるばくち打ち兼詐欺師という役柄ですが、やっぱりこういう役のほうが生き生きして見えます。
あとは、どうでもいい事ですがシネラマの3つのスクリーンの継ぎ目が気になります・笑★★★☆☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ヘンリー・ハサウェイ/ジョン・フォード/ジョージ・マーシャル
製作:バーナード・スミス
脚本:ジェームズ・R・ウェッブ
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ/ミルトン・クラスナー/チャールズ・ラング・Jr/ジョセフ・ラシェル
作曲:アルフレッド・ニューマン/ケン・ダービー
 
出演:カール・マルデン/キャロル・ベイカー/ジェームズ・スチュワート
   ジョン・ウェイン/デビー・レイノルズ/グレゴリー・ペック
   ジョージ・ペパード/リチャード・ウィドマーク/ヘンリー・フォンダ
   キャロリン・ジョーンズ/アグネス・ムーアヘッド/セルマ・リッター
   クロード・エイキンス/ウォルター・ブレナン/リー・J・コッブ
   アンディ・ディヴァイン/ハリー・ディーン・スタントン

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#0207『上海から来た女』オーソン・ウェルズ監督 1947年アメリカ

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#0206『狂った果実』中平康監督 1956年日本

狂った果実
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ネタバレですよ


『太陽の季節』と同じく1956年に公開された日活太陽族映画の名作。ゴダールやトリュフォーなどヌーヴェル・ヴァーグの名監督にも影響を与えたそうです。

主役は、『太陽の季節』の端役でデビューした石原裕次郎、名門マキノファミリーの御曹司津川雅彦、そして二人を相手に見事な存在感を見せる北原三枝。

石原裕次郎、前作『太陽の季節』はカメラテストという名目での出演だったそうです。石原慎太郎の脚本にホレ込んだ水の江滝子女史が慎太郎自身を出演させようとしたところ、「弟の方が映画向きだから」ということで裕次郎を紹介されます。

裕次郎を一目見て”これだ!”と直感した水の江プロデューサーは、会社と現場を説得します。ところが、誰も裕次郎に興味を示さない。どうしても裕次郎を使いたい水の江プロデューサーの苦肉の策がカメラテストという口実で出演させることだったそうです。

しかし、『太陽の季節』の裕次郎は端役ながら輝いてましたからね、二作目の主役に抜擢されたのも納得できます。

他の配役では『太陽の季節』で主役だった長門裕之をワンシーンだけのチョイ役(裕次郎に殴り飛ばされるチンピラで役名が石原!)に下がらせて、脇役だった岡田真澄をクローズアップしています。岡田真澄もこれでもかというくらいハーフの魅力を振り撒いており、いかにも怪しげでいいですねぇ。

湘南の裕福な家庭、太陽族を地で行く兄夏久(裕次郎)と真面目でウブな弟の春次(津川雅彦)。春次は駅ですれ違った恵梨(北原)に一目惚れしてつき合い始めますが、恵梨は春次に住まいさえ明かしません。実は彼女には年の離れた外人実業家の夫がいるのですが、それを知った夏久は、自分とも付き合うように恵梨に迫ります。夫がいながら春次との付合いは浮気ではないと言い切る恵梨も、それでは浮気は自分としろと迫る夏久も徐々に『狂った果実』の本領を発揮してきます。

夫の留守の度に、昼間は海で春次とプラトニックな交際をし、夜は夏久と時を過ごす恵梨。兄弟の恵梨への想いが高まるとともに三人のバランスは崩れ・・・。”狂った”二人の犠牲になるのかと思われた春次が次第に思いつめ、ラストではこの作品一番の狂気を爆発させます。

この作品は『太陽の季節』の姉妹編と言われていますが、以上のようにかなり趣は異なります。『太陽の季節』では、当時の大人たちの常識からするとめちゃくちゃではあっても、あくまで若者たちにとって”あたりまえ”の行動を描くことで、彼らと周囲との価値観の違いを描いていました。何をやっても本気になれない、愛しているのに愛することがわずらわしい。そういう若者たちのもどかしいような未熟さをクールで無表情な長門と挑むような視線の南田洋子が好演していました。

『狂った果実』では若者たちの価値観をデフォルメして、無軌道で非常識な行動を極端にクローズアップしているように思えます。前半の若者たちの主張(これはない方が良かった)やあまりにエキセントリックな三人の関係、ショッキングなラストシーンなど、どうもデフォルメ度が効きすぎて個人的に違和感を感じるんですよね。違和感というよりも、結局は作り話なんだなというちょっと距離を置いて見てしまう感じでしょうか。

確かにヌーベル・バーグにも通じる映像や雰囲気を感じることの出来る素晴らしい作品だと思いますが、今回は『太陽の季節』に軍配を上げておきたいと思います。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:中平康
製作:水の江滝子
原作:石原慎太郎
脚本:石原慎太郎
撮影:峰重義
美術:松山崇
編集:辻井正則
音楽:佐藤勝/武満徹
特殊撮影:日活特殊技術部
助監督:蔵原惟繕
出演:石原裕次郎/津川雅彦
    深見泰三/藤代鮎子
    北原三枝/岡田真澄
    東谷暎子石原慎太郎

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(2002/09/27)
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#0205『オール・ザ・キングスメン』ロバート・ロッセン監督 1949年アメリカ

オール・ザ・キングスメン
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一介の役人ながら正義漢と理想にあふれるウィリー・スターク(ブロデリック・クロフォード)。かませ犬として出馬した州知事戦で、民衆に思いをぶつける術を学び、予想外の接戦まで持ち込むが惜しくも本命候補に敗れる。4年後の知事戦に再出馬した彼は、明確な政策アピールと巧みな裏工作でついに知事に当選する。知事となった彼は、次々と公共事業を行い州の近代化を進めて絶大な権力を手中にする。しかし、権力を握るほどに彼は当初の理想を忘れ、贈賄・恐喝で政敵を排除する独裁者へと堕落していく・・・。

と言うことで、ドラマ内容としては結構いやーな感じ。ピューリッツァ賞を獲得した原作『すべては王の臣』を、共産党活動もしていたロッセン監督が演出したかなりハードな作品。政治の裏側をリアルに描いているため、日本への輸入にストップがかかり、初公開されたのは27年後の1976年といういわく付き。

どんどん権力の虜になっていくスタークもいやですが、彼の周りにいる人間たちは敵か僕(しもべ)のみという、その人間関係がすごくいやですね。スタークの人間性が変わっていくと共に心が離れていく妻ルーシーや息子トムさえも、反発しつつも決別することができない。『すべて王の臣』とは良く言ったものですな。

これだけいやなドラマをきちんと見せてくれるロッセンの演出とブロデリック・クロフォード(アカデミー主演男優賞獲得)の演技力は素晴らしい。ブロデリック・クロフォードは以前記事アップした『仕組まれた罠』で、妻グロリア・グレアムへの嫉妬に狂って人殺しまでする男を演じていました。両方の作品に共通して、人が変貌していく様を演じるのが実に達者ですね。特に、やつれてボロボロの男を演じると天下一品。

マーセデス・マッケンブリッジ(女秘書役)と元新聞記者ジャック役ジョン・アイアランドもそれぞれアカデミー助演賞にノミネートされて、マッケンブリッジが助演女優賞を受賞していますね。ほー、彼女はこれがデビュー作ですか。しかし、個人的にはジョーン・ドルーも含めてブロデリック以外の役者さんたちにあまりピンとくるものはなし。

ジョーン・ドルーはハワード・ホークス監督の『赤い河』で、肩に矢が刺さりながらも、モンゴメリー・クリフトにビンタ食らわせてから気を失うという勝気な女を演じて大ファンなのです。が、今回のクロフォードと不倫の仲となるアンの実に女らしい姿は今ひとつ魅力を感じませんでした。男っぽい方が似合いかな。

ロバート・ロッセン監督は、アカデミー監督賞と脚本賞にノミネートされていながら、授賞式直前に赤狩りの告発にあってオスカー獲得ならず。その後の彼の苦悩は深く、ハリウッドでは二度と映画を作らなかったらしい。残念なことです。★★★★☆

<スタッフ&キャスト>
監督:ロバート・ロッセン
製作:ロバート・ロッセン
原作:ロバート・ペン・ウォーレン
脚本:ロバート・ロッセン
撮影:バーネット・ガフィ
音楽:モリス・W・ストロフ
出演:ブロデリック・クロフォード/ジョーン・ドルー
   ジョン・アイアランド/ジャック・バーデン
   ジョン・デレク/ポール・フォード
   アン・セイモア/マーセデス・マッケンブリッジ

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(2007/01/24)
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